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ランドセルを背負ったうみがめさん  作者: つちのこうや
文化祭編
67/73

甲斐先輩ともう一人


 審査委員の前でも無事いつも通りぬいぐるみ劇を終えることができた。


 そして、一度目の公演と二度目の公演の間のぬいぐるみ販売の時。


「今日も来たよ」


 甲斐先輩が今日も来てくれた。絶対忙しいはずなのに。勉強とかもしなきゃいけないと思うし。


「あ、甲斐先輩、それ静岡の高校の制服ですか?」


 美濃がそう聞いてから気づいた。ぬいぐるみの観察は得意だけど、女子の格好の観察は下手みたいだ。渚ヶ丘の制服とは違うけど明らかに制服っていう格好をしていたのに気づかなかった。


「ああ、今日は制服でJKって感じにしようと思って、それに、友達も来てるしね。東京観光してみたいっていうからね」


 甲斐先輩が振り向くと、後から登場した超ふわふわ綿入りぬいぐるみくらいふんわり雰囲気の、眼鏡をかけた女子が、


「てか、やっぱ可愛いよー!!!!」


 って叫んだ。話し方はふんわりじゃなかったな。


 いやでも叫んじゃうほどか。そんなに僕たちが作ったぬいぐるみを可愛いと思ってくれているなんて、この上なくうれし……


 わふうううう……。


 唐突すぎて苦しくなった。え、謎。いきなり抱きついてきたんですけど。てか制服の下に実は大きなおっぱいがあったんですね。確かに超ふわふわ綿入りぬいぐるみですね。いや、弾力もあるぬいぐるみでした。


「あの……抱きつくべきものが違くないですか……」


「いや、この子はあってるよこれで。私がねスマホの壁紙をぬいぐるみ部の集合写真にしてたら、覗いてきていきなり『この男の子可愛いー!!』って感じだったもんね」


「あ、僕……」


 可愛い要素どこにあったのかな。ぬいぐるみの毛一本分くらいもない気がするが。


パチンパチン! バチンバッチンバッチン。バチバチバチバチバチバッチンバッチン!


 いた、いたたた。


 頑張って後ろを見れば、美雨が、輪ゴムを伸ばしては離してを繰り返し、僕の身体に打ちつけていた。


 そうだな。ビラは配り終えた分が多いから、輪ゴムはたくさんあるな。


 確かに、お客さんとこんなになってては、他のお客さんに変なふうに思われるし、接客や仕事が進まない。


 ぬいぐるみの部長として、この状態でいるのをやめないといけないな。


 それを美雨はなぜ輪ゴムで忠告してきたのかな。


お読みいただきありがとうございます。


そろそろ終わりへと話が近づいていく雰囲気になる予定です。


ここまで、ブックマーク、評価してくださった方、読んでくださった方ありがとうございます。


最後まで読んでいただけたら嬉しいです。

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