表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ランドセルを背負ったうみがめさん  作者: つちのこうや
文化祭編
65/73

三日目の初めての来客


 今日もまずはぬいぐるみ売りから。


 さて、一番初めに来るのはどんな人かな?  


 小学校三年生か、二年生か、一年生か、それとも幼稚園、もっと小さい子かも……。あ、昨日と考えていることが同じだ。


「優、なんか今日は昨日よりもさらにロリコンっぽく見えるからお客さんが来る前に頑張って直しといて」


 美雨に指摘された。

 これも昨日と同じじゃないかよ。僕は純粋にどんな人が来てくれるのかを楽しみにしてるんだからな。しっかりと理解して欲しいな。




 一番初めに来た人は……うわっ派手だな……。


 ぬいぐるみを抱えているイメージが本当にぴったりの超お嬢様という感じの人が来た。というかプリンキュートに出て来そうでもある。


 そして何というか……ぬいぐるみを抱いている姿の写真集が出せそうなくらい美少女。



「いなぎしょうたーん! 来たよ!」


 え、稲城の知り合いなの?


 僕は驚いたし、美雨と美濃は二人揃って口をだらしなく開けていて、二人の幼い顔は分数計算がわからなくてぽかーんとしている子どものようだった。


 そして肝心の稲城は……。見えてないのかなってくらい淡々としているんだが……、いや、なぜかいつも以上にタイピングのスピードが速くて、画面が顔に近い。


 これは本当に知り合いのようだ。


「ねえ、いなぎしょうた! いなぎ? しょうた? 無視しないでよ〜!」


「あのー、稲城とは友達……?」


「そうだよ。おんなじ塾で、いつも毎授業隣の席で勉強してて、お互い切磋琢磨し、友情も発展しているって感じなのに! 無視された〜つらいよ〜」


 同じ塾なのか、なるほど。稲城、そう言えば塾行ってたな。学校の授業はさぼるのに塾は毎回行ってるのか。……ってことはまさか!


 僕は稲城の前で稲城を呼び続けている最初のお客さんを見た。


 うん。やはり。


 派手な服に包まれているのは、おそらく、割と大きいおっぱいだ。


 でもなんか稲城鬱陶しそうにしているな。


「しょうた、ちゃんと部活やってたんだね。えらい! ねえ、反応ないと本当に寂しいんだけど。私が学校の人と友達づきあいした方がいいよってアドバイスしたおかげで、しょうたは、図書室か塾で勉強しかしない人間を卒業したんでしょ?」


「え? そうなの稲城?」


 僕の問いかけに稲城はやっと口を開いた。


「否定はしない」


 稲城は普通に認めた。


 そうか、こんな明るい人と塾で一緒だから最近だんだんこう……いい意味で普通に近づいていたのか稲城は。


 


 人間、色んなところで色んな人に影響されるもんだな。


お読みいただきありがとうございます。


いつか、稲城とこの女の子の話も書いてみたいな……と考えつつあります。(書くとしてもかなり先になると思いますが)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ