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ランドセルを背負ったうみがめさん  作者: つちのこうや
文化祭編
63/73

三日目の朝


 えりかとそれから少し小学校を見つめながら話した。そして僕は高校に向かう。


 自転車を漕ぎだした時、えりかのお母さんが、えりかのよく見える位置から見守っていることに気がついた。


 えりかが学校に行って、また楽しく通えるようになったら。僕は嬉しい。そしてえりかのお母さんはとても喜ぶと思うし、そして僕にはわからない、もっといろいろな気持ちが込み上げてくるだろう。




 学校に着くのが予定よりは遅くなったが、もともと早く着くように行ったので、居ても美雨だけだと思い、陶芸室のドアを開けた。


 しかし、予想が大きく外れて、稲城が一人でいた。


「おはよう」


「羽有か」


 稲城は陶芸室の掃除を一人で済ませていた。どうした。もしかしてぬいぐるみづくりの才能がさらに開花して甲斐先輩が稲城のぬいぐるみ作ったのかな。そして中身は甲斐先輩かな。


 と思えるくらい稲城が掃除するのは驚き。いや、でも稲城は綺麗好きかと言われればそんな気もするな。


「稲城はなんでぬいぐるみ部入ったの? 突然聞いて悪いんだけど」


 ここで僕は前々からの疑問がまた湧き上がり、だからそう尋ねた。


「……まあ、色々思ったりしただけだ。いつも図書室で楽しそうにしていたしな。少しうらやましくなったということも考えられうる」


 自分のことを、可能性についてだれかが分析したみたいに言ってるな……。


「稲城は一人で楽しむタイプかと思っていたんだけど」


「まあそうなるな。ちなみに一人で掃除もした」


「……ほんとにありがとう」


 気づいたのにそのことについてお礼を言っていなかった。稲城に問う前に言うべきだったな。


 綺麗に拭かれた窓から外を見た時、今日でおしまいの文化祭モードの校門を多くの生徒がくぐっているのが見える頃だった。



今回も短くて申し訳ございません。


お読みいただきありがとうございます。

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