魔族の種族説明
この項目では戦闘能力によるグレード別で魔族の種族を解説していく。ただしここでの基準あくまでも種族の平均的な戦闘能力のため、グレードの低い種族であることと個体として強いことは全く別であるという点は頭に入れておきたい(実際、魔神7名のうち4名がグレードⅠである)。また一般的には平均的な戦闘力が低い種族ほど数が多いことが知られている。
グレードⅡ以降は本編+第一第二魔界解説で登場済みの種族についてのみ記載しているため、今後登場に際して説明を増やしていく。
名前の横に順位がある者は魔将or魔神、★は変異体であることを示している。*はその他注釈である。
□グレードⅠ
平均的な戦闘力が低い種族のうち、総数が2000万名を超えている11種。この11種で魔族全体のおよそ40%強になる。戦闘能力自体はグレードⅡとは然程の差は無い。
・サキュバス種とインキュバス種 (サキュバス/3400万 , インキュバス/3800万)
サキュバス種とインキュバス種は対になる存在で、それぞれ女性と男性しかいない。この2種は汎ゆる種との間に子を作ることができる。サキュバス種とインキュバス種の間での子はその性別次第でどちらかの種になるが、互いにそれ以外の種と作った子は必ず相手側の種となる。また非常に好色である。
サキュバス種は角や尻尾の他コウモリのような羽を持つが、それ以外はヒト族と変わらない。インキュバス種に至ってはサキュバス種のような器官を持たないため、見た目は完全にヒト族のそれである。
身体能力もヒト族よりやや高い程度だが、エーテルの体内保有量や消費時の回復力は魔族の中でもかなり高いため、出力面が伴えば法術使いや身体能力強化による優秀な戦士として高い戦闘量を保有する者もいる。
○ベルフェゴール (1位) ★ *インキュバス種
○アスモデウス (3位) *サキュバス種
○シトリー (93位) *サキュバス種
・ゴブリン種 (1.5億)
ゴブリン種は大きい個体でも身長が1メートルを超えないほど背が低く、また耳が尖っているという特徴を持つ。魔族の中で最も数が多い種だが単体では魔族最弱であり、個としての力が重視される魔族の中での地位は最下級である。更に思考能力が低い上に基本的には「楽しければなんでもいい」という快楽主義である。
ゴブリン種はパンデム全域の未開発区域に集落を形成しており、一般的には他の魔族に使われながら生活している。数の多さはお墨付きなので単純労働力としては重宝されており、現状パンデムの発展を支えている種であることは間違いない。だが一方でその思考能力の低さ故に盗賊紛いの行為に及ぶ者達も一定数おり、その場合は魔将が動いて対処することになる。
・エルフ種 (2400万 / 白:1600万(森:500万 , 街:1100万 , 魔:0.6万) 黒:800万)
エルフ種の耳が尖っている以外はほぼヒト族と同じ見た目である。エルフ種は白エルフと黒エルフで2種類存在しており、白エルフは色の薄い肌に金髪、黒エルフは褐色の肌に白い髪という姿をしている。白と黒は遥か昔から対立関係にあったが、白エルフはアースと繋がるより少し前に考え方の違いから更に森エルフ,街エルフ,魔エルフの3派に分かれて対立しており、このうち魔エルフ派は現在では黒エルフと友好関係を築いている。
白エルフはエーテルの扱いに長け、植物や動物の声を聞く能力を持つ。しかし身体能力は身軽なことと視力が高いこと以外には特徴が無く、かと言ってエーテルを出力する法術が得意というわけでもないため、単体ではゴブリン種と並び魔族最弱である。また約500年前に当時の長が黒エルフに暗殺された事件をきっかけに、それまで重きを置いていた掟や排他的な生活というものに対してどう向き合うかという議論から内部対立、100年前には派閥間の戦争にまで発展しており、現在は派閥によって住む場所すら異なっている。
黒エルフは大昔にエルフ種の森から追放された白エルフ達が、魔族としてのエルフを受け入れたことで派生したとされており、闇属性エーテルの扱いに強く戦闘力の面でも並の魔族程度はある。白エルフとは違い掟も無く自由気ままであるが、魔エルフ以外の白エルフとの対立という点では意思統一が成されている。特に白エルフの内部対立が現在のように明確になったのが黒エルフによって当時の長が暗殺されたことがきっかけだったため、現在は対立を超えた憎しみ合いとまで言える状況にある。
○ストラス (62位) *白エルフ/魔派 → グレードⅤで追加の説明
○ビフロンス (98位) *黒エルフ
○エルヴィン *黒エルフ
・マーフォーク種 (6700万)
マーフォーク種はパンデム全域の海に住む種で、魚類の鱗で覆われたヒトの姿をしている。思考能力は低いがゴブリン種ほどではなく、簡単な法術なら使うこともできる。また魔族の中では比較的穏やか性分が多いことで知られている。更にアースの技術が入ってきて”新鮮な海産物を取引する”という感覚がパンデムに出来て以降は、マーフォークの力は欠かせないものとなっている。
・フライ種 (3000万)
フライ種は蝿と同じ4枚の羽根と複眼を持ったヒトの姿をしている。フライ種の欲望はただ1つ「美味しい物を食べること」に限られており、この単純にして比較的容易に叶う欲望のため戦闘を好まないという魔族の中では珍しい傾向を持つ。フライ種のリーダーである変異体の女性が魔神となったことから、彼女に連れられる形で第五魔界にのみ住んでいる。
○ベルゼブブ (5位) ★
・オーク種 (9200万)
オーク種は二足歩行の巨体猪といった姿をしており、魔族の中では最もヒト族と離れた見た目を持つ種である。高い体力と筋力を持つが、知能がゴブリン種よりも低く言語能力すら怪しいレベルな上に、エーテルも全く扱えない。パンデム全域に暮らしているが他の魔族と共同生活が成立せず、かと言ってゴブリン種のように安易に使えるほど弱いわけでもないため、軍属扱いで高い実力を持つ者の配下として街周辺の警備や危険地域の探索などを行っている。
・スライム種 (8900万)
スライム種は液状の身体を持つ種族で、パンデム全域の水が多い場所に生息している。体内にコアを持っており、生物としての機能のほぼ全てがそこに詰まっているため、コアにダメージが入らなければ身体はいくらでも再生できる。このような特徴からシャドウの仲間のように思われがちだが、スライム種は長期的には身体を通して栄養をコアに送り込まないとコアの維持ができないため、生態的には大きく異なる。
知能は個体による差が大きく、そもそも意思疎通を取る器官を形成できないレベルの者もいれば、ヒト族のような身体を形成して十分に会話ができる者もいる。また知能と戦闘力は概ね比例しており、ヒト族のような身体を形成しているものは一般魔族の平均以上はあると見ていい。更にスライム種の中にはSクラス相当の戦闘力を持つ非常に強力な個体も存在しており、キングやクイーンと呼ばれている。D20(第七魔界)を支配している”嫉妬の魔神”レヴィアタンも、スライム種の変異体にしてクイーンと呼ばれる存在である。
また稀に身体だけが成長して高い戦闘力を持ちながら知能が皆無で話が一切通じない個体が出ることもあり、このような個体については”ヒュージスライム”と呼ばれ、危険な野生動物と同じ扱いでレンジャーによる討伐対象となる。
○レヴィアタン (7位)
○バッカス
・ゴーレム種 (1.2億)
ゴーレム種は地域や生活環境によって見た目も能力も多種多様に変化するため、二足歩行である以外には外見的共通点が無い。ロックやアイスといった形で身体を構成する要素によって分類は成されているが、同じ種でも明らかにヒト族とは異なる姿の者もいれば肌の色が違うだけに見える者まで様々である。ただし戦闘力が高い者ほどヒト族に近い形状を取れるようになる傾向がある。また肉体は岩石や氷といった物質なので材料があれば即座に再生が可能である。コアを持つなどの特徴もあり、性質はスライム種に近いと言える。精霊の一種のように思われがちだが大本は極めてレベルの高い法術によって作られた存在であり、精霊とは根本的に成り立ちが異なる。
○アガレス (75位) *マッドゴーレム
○ラウム (76位) *ラヴァーゴーレム
○ギャレン *ロックゴーレム
・ラミア種 (2200万)
ラミア種は蛇の下半身にヒト族の上半身という姿で、女性個体しか存在しない。パンデム全域の寒冷地域以外の街や都市部に暮らしている。また生物学的にかなり古い種族であり、基準通りだと別種として分けられるエキドナ種やヒュドラ種などは大本はラミア種からの派生であることが近年の研究でわかってきている。このためエキドナ種などを、精霊系や不死系などと同じ区分けで”ラミア系”と呼ぶこともある。またサキュバス種と並ぶ程の好色で知られている。
○テレーゼ
・インプ種 (8400万)
インプ種は、ヒト族の見た目にコウモリの羽根とサキュバス種やインキュバス種に近い姿をしているが、エーテル保有量などが一般魔族より低く身体能力は高いためこれら2種とは性質的には真逆と言える。またこれらと似たような外見的特徴を持つ種族としてデーモン種が存在するが、デーモン種はエーテル保有量と身体能力がいずれも高く、魔族の中でも高い戦闘力を持っていること、またインプ種はイタズラ好きで精神が子どもの状態で止まってしまう性質を持ち、それに応じて身体も子どものような状態で成長が止まることから、別種とされている。
インプ種の変異体が魔将の1枠におり、能力などがデーモン種に極めて酷似していることから、インプ種から出た変異体がデーモン種、あるいはその逆という学説があり、現在研究が進められている。
□グレードⅡ
戦闘能力が低めで、グレードⅠに比べると数がやや少なめの種族。エルフ種とゴブリン種がグレードⅠにいる分、平均するとグレードⅠよりは少し高くなる。
・アルラウネ種
植物から緑肌のヒト族の上半身が生えたような姿をしているが、下半身の植物の部分が本体であり、ヒト族の上半身はあくまでも意思疎通器官でしかない。このため芽吹いた場所から動くことはできず、また周囲の環境変化によって弱体化することも多く、肉体を失ってしまうことすらある。ただし植物が本体であるためヒト族の部分がどれだけ欠損しても命には関わらない他、どうしようもない場合は種子の形で眠りに付き、自身の意思を保存してまた別の場所で花を咲かせることも可能である。
○セーレ (19位) ★
・ゴースト種
濃縮したエーテルが実体を持ち、そこに精神が宿ったのがゴースト種である。レンジャーのエーテル体はゴースト種をベースに発案された。形はヒト族と変わらないが、青白く発光しており存在感も薄い。基本的にはエーテルの塊であるため、物理的な攻撃などをすり抜けることも可能。
○フォカロル (73位)
・マーメイド種
下半身が魚の種族。基本的に水の中で生活しているが、移動手段さえあれば陸に上がることも可能である。魔族の中ではかなり温和であり、種全体が争いを好まない性分である。戦闘が起きそうな雰囲気を感じると逃げてしまうことがほとんど
○ヴィネ (92位)
・リザード種
長い首と太い尻尾を持つトカゲ型の魔族。森で暮らす者が多いが近年は都市部に住む者も増えてきているため、見掛けることが多くなった。身体能力が高く、若干ながら横暴で面倒臭がりな性格の者が多い。
○ウェルド
・サラマンダー種
見た目はほぼリザード種と同じだが、鱗が全体的に赤く、首の後ろにギザギザした棘が付いている他、尻尾の先端に火が灯っている場合もある。暑い場所を好み、逆に冷たい物を苦手とする特徴があり、D2ならばカイン地方のような場所にしか生息していない。
○グザファン (100位)
・キキーモラ種
狼の耳と尻尾を持つ獣人系の魔族。他者に仕えることを至上の喜びとしており、魔将の館などで住み込みで家事などをこなしている。魔族である以上は戦闘もこなすべき業務の一つと捉えており、家事などと並んで戦闘訓練も積んでいるため、侮っていると痛い目を見ることになる。ただしあくまでも家事の方が優先度は高いため、基本的には小型の暗器類を使う。
○アンドレアルファス (79位)
・ドワーフ種
背の低いヒト族のような見た目であり、ゴブリン種に近い。ただしゴブリンのように知能が低いわけではない。手先が器用で、特に金属類の鋳造においてはドワーフ種の右に出る種族はおらず、パンデムにある鍛冶屋はほぼドワーフ種によって動いている。
○ヴァプラ (81位)
○アル
・ワーキャット種
猫の特徴を持つ魔族。猫耳を持つヒト族のような者から、二足歩行の猫のような姿の者までおり、獣人系魔族の中では比較的割合が多い。後述のケットシー種とは別種族である。
○シャリィ
○ハーネス
・刑部種
獣人系の一種で、狸の尻尾と耳を持つ魔族。計算高く価値が高い物が大好きで、戦闘はあまり好まない変わった種族。特に投資などの金銭関係のやり取りや交渉術に長けており、パンデムに来る企業や支配者層の副官として抱えられている者が多い。膨大な報酬は要求されるが、それに見合うだけの利益は出してくれることだろう。
○ロノウェ (87位)
□グレードⅢ
戦闘能力はやや高めであり、Dランクレンジャー並の者も多くいる。精霊系のほとんどはここに分類される他、獣人系では何かしら戦闘向きの特徴を持つ種族が該当している。
・ケンタウロス種
馬の首部分からヒトの上半身が生えたような姿の獣人系の魔族。下半身は馬なので当然ながら脚力は凄まじく、戦闘ではこれを遺憾なく発揮する。特に速度を活かした槍による突進は凄まじい破壊力と突破力を誇る。運搬も勿論得意。
○ヴェラ
○ベレ
・ミノタウロス種
牛の角を持つ獣人系の魔族。性別を問わず筋肉に覆われた身体を持ち、ハンマーや大斧といった巨大な武器を振り回して戦う。
○ランダ
・デュラハン種
首の無い騎士の姿をした不死系の魔族。鎧も含めて身体である。口が無いため言葉による意思疎通が出来ず、書く物を持ち歩いている。電子媒体の普及には非常に助かっている様子。
○マモン (6位)
○ゼノ
・ノーム種
土を司る精霊系の魔族。精霊系の特徴として、身体が特定の物質のみで構成されていること、食料は必要ないが特定の属性のエーテルを必要とすること、生活する土地に何かしらの影響を与えること、などがある。ノーム種の場合は身体を構成するのは土であり、生きていくには土属性エーテルが必要不可欠である。このためノーム種は地中に穴を掘って生活しながら、土壌に加護を与えて農業を発展させている。また定期的に住処を変える習性を持つ。
○ガープ (16位)
・イフリート種
火の精霊であり、形状こそヒト族だがその身体は全て火である。ただし火属性エーテルが少ない場所では生きていくことはできない。火属性エーテルは自然界では闇属性と光属性に次いで存在する場所が限られているため、それに沿うようにイフリート種は数が少ないことで知られている。だが同時に火は他の属性よりわかりやすく攻撃に用いやすいため、それを司るイフリート種は平均的な戦闘能力が高い傾向がある。
○ベレト (53位)
・グラキエス種
精霊系の一種で身体は全て氷で構成されているが、必要とするエーテルは水属性のため分類上は水属性に区分される。水属性は生物に最も相性の良い属性エーテルであり、それに呼応するように水属性の精霊は種類も数も多い。グラキエス種はその中でも稀少で強力な種で、寒冷地にしか住むことができないが、住むことができる地域では一帯の精霊系魔族の長として君臨していることが多い。
○ナベリウス (28位)
・イエティ種
全身を白い毛で覆われた、寒い地域の山岳地帯を生活圏としている種。大柄な見た目からは想像し辛いが、魔族の中では比較的温厚な者が多い。勘違いされやすいが、イエティ種は吹雪の中でも行動能力が落ちないほどに寒さに強い、というだけで寒い所を好むというわけではない。特に必要がない時は、家屋の中で暖房機器などを使って過ごしている。
○オリアス (39位)
・シービショップ種
女性のみの種族。海で生活するがマーメイド種やマーフォーク種ほど魚成分が濃くなく、見た目は水かきを持つヒト族である。陸が近い浅い海の底に海底都市を作って生活しており、陸上との行き来も頻繁に行う。別種族を夫に迎えなくてはいけない都合、以前は婚姻後は海に近い陸上での生活にシフトする者が多かったが、近年は技術発展により海底に陸上種族でも過ごせる都市を作ることが可能になっているため、生涯通して海底生活を続ける者が増えてきている。また種族全体が初代魔王を奉るパンデム唯一の宗教”エイワンス教”を信仰している。
○サロス (60位)
・バフォメット種
山羊の角と体毛を生やし、脚が蹄になっている種族。横に長い特徴的な瞳を持つ。獣人系のように見えるが、性質的にはデーモン種やサキュバス種などに近い。知識全般への探究心が極めて高く、パンデムから出て別の領域に移住している者が多数いる。興味が無いという意味で戦闘に不向きな種族だが、エーテルを扱う能力はそこそこ高く、知識として持っている法術を行使することもできるため決して弱いわけでは無い。
○アブラクサス (91位)
・マンティス種
カマキリをベースにした魔族で、両腕の先が鋭い刃になっている。普段は法術でそれをヒト族の物に変化させている。好戦的な者が多い魔族の中でも特に獰猛で、「1日1回以上は戦闘を行わないと寝れない」とまで言われている。
○アロケス (59位)
・グリフォン種
腕が鳥の翼になっている種族。似たような種族にハーピー種がいるが、温和で小柄な者が多いハーピー種に対して、グリフォン種は獰猛で大柄な者が多い。空中戦であればヒト族の姿になっているドラゴン種にも引けを取らない。カラレンでは北部の岩山にドラゴン種の遊び相手として多く生息している。
○ヴァッサゴ (65位)
・アラクネ種
背中から2対の蜘蛛脚が、腰の辺りから蜘蛛の腹部が生えたヒト族の姿をしている。ヒト族と同じ位置にある腕と脚は5本の指があるなどの特徴はそのままだが、背中の蜘蛛脚と同様に堅い甲殻に覆われている。また1対のヒト族の眼とは別に顔や頭に計6つの眼を持つが、そちらの形状はヒト族と同じ者もいれば飾りのような者もおり、位置も形状も個体によって異なる。
アラクネ種の丈夫な糸は需要が高く、第二魔界では魔将であるマルバスを中心に製糸業を営む者達もいる。
○マルバス (48位)
・スキュラ種
生態はクラーケン種とほぼ同じで、ヒト族と同じ上半身と下半身の異形器官という構成も同じだが、器官の形状によって3種類に分かれている。3種はそれぞれ、犬の頭を持つビースト、無数の触手を持つテンタクル、蛇の頭を生やすスネークとなっている。とはいえ長い年月を掛けてスキュラ種の中で混血化が進んでおり、現在ではこの区分はあまり意味を成していない。生活圏はテンタクルとスネークは海を含めた水場全てなのに対して、生物学的にスキュラ種の原種であるビーストは森の中の河辺など陸地のある淡水地域限られている。この生活圏の違いもあってビーストと他の2種の混血は少なめである。またクラーケン種と違う点としては、陸上動物の肉も食べられる、むしろどちらかと言うと陸上動物の肉を好むという点にある。これは前述の通りスキュラ種の原種であるビーストが犬の頭を持っていることが要因ではないかとされている。
○クロセル (51位)
□グレードⅣ
戦闘能力がかなり高く、平均でも下位レンジャー並の力を持つ。下のグレードに似たような特徴を持つ種族がいる場合が多く、遥か昔に何らかの理由で突発的な変異体から別種族として分かれたという学説もある。
・ケットシー種
獣人系と呼ばれる哺乳類動物の特徴を持つ魔族の一種で、猫の耳や肉球などがあるヒト族といった姿である。見た目上は他の猫の魔族と大差が無いが、ケットシー種は「自身の支配地域にいる獣人系の魔族に様々な加護を与える」という稀少な能力を持つのため、別種とされている。この加護のため、セードル大陸は獣人系の魔族が多い。
グシオン (27位)
・ライカンスロープ種
獣人系の一種で、二足歩行の狼といった姿。狼の魔族は他にウェアウルフ種などがいるが、その中でも断トツでサイズが大きく身体能力も高い。特に速さという点では魔族全体の中でもトップクラスである。戦闘においてはその高い身体能力と溢れる野性を解き放ち、暴風のように敵を圧倒していくが、普段は非常に理性的で頭も切れる。
オロバス (46位)
・ヴァンパイア種
鋭い牙と生気の無い白い肌を持つ以外はヒト族と変わらない。高い身体能力を持つ他、牙で噛み付いて相手の血とエーテルを奪うことが可能である。また種として高飛車な者が多く、あまり他の魔族と接したがらない傾向がある。アースの技術が入ってきて以降は栄養価の高い人工血液がヴァンパイア種に広まったこともあり、以前にも増して城に引きこもりがちである。
○フルフル (64位)
○デレッド
○クラウス
・デーモン種
見た目の特徴は角を生やしている程度で、インプ種やサキュバス種とほとんど変わりが無いが、身体能力や法術能力の種族としての平均が非常に高く、魔族の中でもドラゴン種や妖狐種などと並んで強力な種族である。
○サタン (4位) *サルタニアンの現在の名前
○ダンタリオン (72位)
・クラーケン種
下半身が8本のイカ触手、上半身は青肌である点を除けばヒト族と同じ姿をしている。上半身の2本の腕も触手化することができる。生活圏は基本的に海の中だが、定期的に海に入ることができれば陸上でも問題なく生活できる。主食は魚や海老などの甲殻類のため肉食に分類されているが、陸上動物は油が多く骨も硬くて太いため食べられない。またクラーケン種が体内で生成する墨は闇属性エーテルを安定した状態で含んでいるため、法術用素材として需要が高い。
○アイム (29位)
・堕天使種
エデンに住む天使族が濃い闇属性エーテルを取り込んで魔族化した種族。戦争は毎度、エデンがパンデム(D2)に攻め入る形で発生していたために起きたことである。現在では堕天使種の子も生まれるようになって魔族として定着して来ているが、大半は天使族だった頃もある者達が占めている。
記録上は400年前に起きたのがエデンとパンデムの最後の戦争で、その際にはエデンの五将軍の一角も飲み込まれている。それが現在の”傲慢の魔神”ルシファーであり、彼が当時の魔王であったテレッドを含む3名の魔神を打ち倒したことから、均衡が崩れて百年戦争に突入したという経緯がある。
○ルシファー (2位)
○レラジェ (52位)
○モレク (47位)
・バイコーン種
ケンタウロス種のような見た目だが、頭に鋭い2本の角を持つ。身体能力だけでなくエーテル適正もかなり高く、近接戦闘を行いながら法術を挟むなどのテクニカルな戦闘が行える。個体数がグレードⅣの中でも特に少ない。
○カシア
□グレードⅤ
極めて強力な力を持つ種族。少し戦闘技術を学んだ程度でもCランクレンジャーに匹敵する程である。
・ドラゴン種
魔族の中でも特に戦闘力が高い種族として知られており、また財宝というわかりやすい欲望を好むため魔族としての平均的な寿命も非常に長い。更に魔族では珍しく戦闘行為自体を楽しむ傾向があり、平時は敢えて戦闘力を落としてヒト族のような見た目で生活している。その際は剣などの武器を持ち歩いている。だがヒト化していても、簡単に山を削る腕や尻尾、巨大な獲物でも掴んで運ぶ脚力や翼といった部分は残っており、これに加えて長い年月を掛けて磨いた武術も備えているため、正面から相手にして勝つことは困難を極める。
○ブネ (8位) *黒竜
○バラム (13位) *火竜 *怒咆龍の現在の名前
○フルーレティ (20位) *咬竜
・メデューサ種
女性個体のみの種族で、外見上の最大の特徴として先端が蛇になった非常に長く美しい髪を持つ。また総じて気位が高いことでも知られている。なお蛇の要素を持つが下半身は蛇ではないため、ラミア系ではない。髪の蛇は毒を持っていることが多く、蛇になっていない部分も含めて自在に動かすことができるため、相手を縛り付けたり噛み付いたりと多様な攻め手を持つ。髪は切れてもすぐに再生することができるが、その際は本気で怒るので故意に狙わない方が身のためである。また相手を視るという手順のみで強力な呪い系統の法術を行使することが可能な上、髪の蛇が感覚器官の一部として周囲の情報を収集することができるため死角も無い。このように遠距離・近距離どちらでも戦うことができる、かなり強力な種族と言える。
○フォルネウス (15位)
○アムドゥスキアス (74位)
○キアラ
○サーシャ
・妖狐種
エーテルとの親和性が高い種族で、多彩な法術を操ることで知られている。高い親和性の要因が腰の辺りから生えた尻尾にあり、生まれた時は尻尾が1本だけだが、魔族として力を付けて行くに従って数が増えていく。尻尾の数によって◯尾と呼ぶのが一般的で、最上位の者は9本になるため九尾と呼ぶ。ただし誰もが九尾まで成長するわけではなく大半は六尾が限界である。それ以上は努力でどうにかなるものではなく、先天的な才能と運に恵まれた者だけが七尾以上の域に踏み入ることができるとされる。
○アスタロト(12位) (九尾)
○サルガタナス (69位) (八尾)
○フォラス (84位) (八尾)
○ニーナ (七尾)
・ヒュドラ種
大本を辿るとラミア種からの派生で、全身のいたる所から自在に蛇を生やせる能力を持つ以外はラミア種と同じく蛇の下半身と鱗の生えたヒト族の上半身という姿をしている。ただし蛇の部分がラミア種の1.5倍程の太さと数倍の長さを持つため、一目でヒュドラ種とわかるほどに大きい。またヒュドラ種は血液や生やした蛇の牙に猛毒を持つ他、身体の半分を失っても10日程度で完全に戻るほどの極めて高い肉体再生能力を持っている。肉食だが身体のサイズが大きいので、ヒト族の上半身部分での食事は一日中食べてもエネルギーが不足してしまうため、ほとんどの場合は野生動物を生やした蛇で丸呑みにして体内に収め常に消化し続けている。また水はけや空気の流れが悪く闇属性エーテルが溜まりやすい沼地を生活圏にしているが、闇属性エーテルから毒を生成して体内に留めておく器官を持っているため影響を受けない。このため闇属性エーテルが特に濃い沼地エリアはヒュドラ種の居住場所となっている。
○デカラビア (35位)
【特殊枠】
・エルフ種 / 白エルフ (魔派)
魔将・ストラスが率いるエルフ種の派閥。魔エルフの派閥では『掟は強さがあって初めて成立し得る、弱い者に誇りを語る資格は無い』という捉え方をしている。先代の白エルフの長が黒エルフに暗殺されたことについても、単に弱かったからであると切り捨てており、現在では黒エルフとも友好関係を持つようになった。
魔エルフは種族的に弱いことを克服する手段として、闇属性エーテルを媒介に他の魔族の力を取り込む研究に注力している。この研究により魔エルフ達は体内に他の魔族が持つ様々な器官を内蔵している。
現状、魔エルフ以外にこの研究を行っている者はおらず、他のエーテル学術と比べるとかなり遅れている。このため未だ課題が多く、投薬時の強烈な副作用に耐えられずに精神が破壊されてしまった者が多数いる他、乗り越えたとしても特に複数の魔族の力を取り込んだ者は、常に暴走の危険と隣り合わせになる。このため普段は抑制のための錠剤や安定化液漬けの生活を送り、取り込んだ他の魔族の力を使うには励起薬を用いる必要もあると苦労が耐えない。更に現時点での男性の成功例がゼロであり(サキュバス種である魔王の影響とされている)、数が減る一方の状況にも対策が急がれている。
しかしその成果として魔エルフだけでの平均的な戦闘力はグレードⅤ相当と非常に高くなっており、魔エルフの特徴から”キメラ種”としてエルフ種と分けるべきという意見もある。




