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「……………貴妃とウィリアムは、南の離宮に送る。
ウィリアムは、不治の病に懸かったと言うことにする。」
「左様ですか」
「明日の会議には、そなたも来なさい。」
「かしこまりました。」
王は、立ちあがり、去り際にレナードを見た。
「………レナード」
「はい」
「近いうちに、王妃の墓を訪ねてもいいだろうか?」
「………私の許可がなくとも、訪ねればいいでしょう。彼処は、王族の墓でもあるので」
「いや……一応、断りを入れるべきかと思うてな……フィーリァには、謝罪をしなければいけないからな」
「………母上は、もう父上のことを許されていると思います。………最愛の人と、手を取るとこができてるでしょうから」
「騎士、ウィンレル・ユリアンか……彼の者にも悪いことをした………、」
ハッとしたように、王はレナードを見た。
「今、父と………」
「兎に角、話は、これで終わりですね?宰相に言うべきことが残っているでしょう?では、おやすみなさい!」
レナードは、王の背中を押して、追い出した。
言い忘れていたが、ここはレナードの私室である。
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その数日後、華やかな馬車が数台送り出された。
貴妃とウィリアム皇子を乗せた南の離宮に向かう馬車。
それを部屋の中から、眺めながらレナードは、頬笑む。
「母上。約束は、果たせました。
アイミ様とウィリアムの再教育が、成功したら、この国の発展は確かなものになる。元々資質は良かったから、きっと上手く行くはず
母上が、望んだ未来も、すぐそこにあるでしょう。」
亡き母、フィーリァを思い浮かべながら、馬車を見送っていると、扉が開かれた。
振り返ると、暗い顔をした父の姿。
「……………今度は、どうされたんですか?王よ。」
「アイミが、向こうで浮気したらごめんなさいね。って……」
「…………」
(アイミ様、王で、遊ばないでください………。)
レナードは、ため息をつきながらも、紅茶の準備を呼んだ。
最後まで、読んで頂きありがとうございました。
ひとまず、これで終わりです