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「……先程、どこで間違えたのか?と、尋ねられましたね。」
「あ、あぁ」
「最初っからですね。王よ。貴方は、貴妃様とウィリアム様を甘やかし過ぎたのです。
その事に、苦言を申し入れた、宰相及び貴族の言葉も無視し続けたことも、です。」
「………う……」
図星なのか、ますます頭を沈める父のつむじを見ながら、言葉を重ねる。
「王よ。貴妃様を愛したことを責めるつもりはありません。ウィリアム様を甘やかしたことも
しかし、何事にも限度と言うものがあります。」
「………う、む」
「宰相及び貴族の全ての者の代わりとして、申し上げましょう。
貴妃及びウィリアム皇子の再教育を
それを拒まれたと言うのであれば、──切り捨てるのが得策でしょう。」
「…………切り捨てる…」
「王よ。決断を下すのは、貴方です。深く考え、決断を」
「……………レナード・リフレリアン・ウィンレル・リンバルト」
「…………はい」
フルネームを覚えられていたことに驚きながら、レナードは返事する。
「お前も、私に、王であることを求めるのか?」
「貴方が、王である限り、私は、貴方を王と呼ぶでしょう。」
(…………もう、それ以外に呼ぶ方法は、途絶えたのだから)
『おとー様』
『寄るな!』
振り払われた、その手は、親子のであることさえ、否定されたのだから。
過去の幻影を、脳裏で欠き消しながら、レナードは言葉の続きを待つ。
「私はな………」