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「そろそろお腹が空くころかな?
あぁ、恥ずかしがらないで。
お腹の音が聞こえたわけじゃないよ。
ボクもそろそろ空いたなぁって。
ほら、いい匂いがしてきたよね。
メイドドール達がボクたちの昼食を作ってくれてるんだよ。
ボクの家のことはみんな彼女たちがやってくれているんだ。
掃除も洗濯もお料理もね。
ボクの着ているこの服は、メイドドールのポエットが作ってくれたんだ。
ほら、あそこにいるピンク色の髪のドール。
彼女はお裁縫が得意でね、キミ達の世界に合った服も作れるよ。
一着頼んでみる?
あれ?
なんか、目がまん丸になっているね。
そうしていると、日の光が良く反射して、キミの瞳はダークグリーンになるんだね。
とても綺麗だよ。
でもなんでそんなに驚いているの?
キミたちの世界にもメイドはいるでしょう。
ドールでなく人だったと思うけれど。
あぁ、そっか。
ドールが動くのが珍しいんだね。
キミ達の世界ではティーセットも動かないんだものね。
でも大丈夫。
メイドドール達は見た目が人形なだけで、ボクたちと変わらないんだ。
食べるものはちょっと違うけれどね。
キミ達の世界だと、童話に出てくる小人に近いのかな?
とってもいい子達なんだ。
そういえば、好き嫌いはある?
この匂いからするとメインは鳥族産の卵を使ったオムライスだと思うんだけどね。
まぁ、もし食べれそうにない素材だったら、別のものに変更してもらうから、遠慮なく言ってね」