改名
「今日は、美味しい料理を頂いた。外山殿。この店は宝じゃ。何があっても手放してはならん。また来るぜよ。」坂本龍馬…久世武峰は帰っていった。
「何だったんだアイツは。2代目坂本龍馬とは。とにかく、この店を引き継いだからには繁盛させなきゃいけないな。俺は頑張る。」
来翔は、師匠亡き後に一人で切り盛りしていく自身はなかったが、自分を奮い立たせて頑張り始めた。
店の名前を変えた。
『東房来翔軒』
黒鷹甚三郎はその後もやって来た。
「御主人、先代は多額の借金を抱えていらっしゃることご存知ですよね?」黒鷹甚三郎は、来翔にそう尋ねた。
「嘘ですよね?師匠がそんなはず無いですよ。じゃあ、幾ら借金が残ってるんですか?」来翔は甚三郎に食らいつく。
黒鷹は少し考えた後、「んー。ざっと一億円は超えてるかと。どうします?我が傘下に入れば責任能力は無くなりますよ。渡りに船じゃない?」
冗談だろ。幾ら頑張ってもそんな大金稼げねぇよ。来翔は失望した。しかし、あいつの言っていることは嘘かも知れない。
「兎に角、確認してみます。それから傘下に入ろうか入らないか決めます。」
「毎度毎度、延期延期って舐めた口聞いてんじゃねぇぞ、おいゴラ!さっさとしろよな。優柔不断な若造め。こんな汚ぇ店とっとと潰れちめぇ。今度、ウチの輩に借金取りに行かせるからよ。覚悟しとけよ。」
何だか、黒鷹は凄くイラついた剣幕で怒っていた。
訳の分からなかったが罵られていることは確かである。でも、客は物凄く来てるし、負債を抱えた店ではない事は一目瞭然だ。
店の名前は「ひがしぼう」なのに、「ひかしぼう」って呼ばれて人気である。来翔曰く、「俺は太ってるから良い渾名じゃないか」と気に入っていた。




