ざっくり説明ー命の分配方法ー
どうも駄文商工会です。思ったより長くなったので、また中途半端ですがご容赦を。
ーXXXX年 白黒の部屋ー
あらゆる生物が一度死滅し、命なき星となった地球。
ーその地球の『裏側』、所謂影の世界にある『白黒の家』の一室。
そこにいる二人の影の間には、なんとも言えない空気が流れていた。
「……………………はぁ……」
「何かな?その可哀想なヤツに向ける眼差しは?」
「…………イヤ、いきなり命の分配をしろって言われても、オレ一人じゃ何も出来ないッスよ……」
「あのねぇ、ボクだってバカじゃないんだよ?寧ろこの星の上であった出来事なら大抵の事は知ってるよ」
「じゃあ、何で」
「だから、キミでも出来るよう『チート能力』をあげようじゃないか。キミの生きていた時代ではこういうのが流行っていたんだろう?」
「まぁ、確かに流行ってたッスけど……で、どんな能力なんスか?」
「ん~とね……∞の剣s「いらねぇよそんなもん!?」え~。キミの時代だと背中で語るのは、ロマンじゃなかったの?
っていうかいきなり口調が乱れたね」
「そりゃ突っ込みたくもなるわ!戦闘も無いのにどうしろっていうんだよ!?」
「だよね~。流石に冗談だから安心してよ。ボクだってそんなに長く待つ気はないからね。キミにあげる能力はもっと建設的な能力だよ」
「……マジッスか?」
「うん、本当」
「じゃあ、どんな能力ッスか?」
「まず、疲労感の排除」
「オイ」
「次に食欲及飢えや渇くといった感覚の排除」
「待て待て」
「ついでに、睡眠欲、性欲の排除」
「ちょっ!本気で待ってくれ」
「因みに感覚が無くなるだけだから実際には疲れも飢えもどんどん溜まっていって、最終的には意識を失うね」
「ちょっ!?」
「でも安心して。意識を失ったらその場で全回復で復活するから」
「ヒデェ!?」
「これで24時間休まず働けるね♪」
「いっそ一思いに殺してくれよ!つーかそれのどこがチート何だよ!失っちゃいけない何かを失っただけで何一つ問題が解決してねーじゃねーか!?」
「まぁ、落ち着きなさい。今挙げたのはボクが人間に与える罰の一環だよ。自己満足だなんてことは百も承知だけど、ボクは人間が罪を償う為に死に物狂いで働く姿を見たいのさ。それこそ『本当に本気で意識を失なうまで』働く姿をね」
「…お…おう……」
「それで、ここからがチートなんだけど…」
「…………」
「不思議な道具一式をあげる」
「……ハイ?不思議な道具?」
「そう、不思議な道具。
例えば『一堀て1㎥掘れるスコップ』とか」
「ん?」
「『一振りで1㎡耕せる鍬』や」
「んん?」
「『一振りで1㎡の草を刈れる鎌』だったり」
「んんんん?」
「『直径15cmしかないのに1㎥水を取り出せるバケツ』とか」
「ちょっと待ってくれ」
「『夜寝たらあっという間に朝になるベッド』と様々な植物の種とか肥料とかを
『物の大きさを手のひらサイズにする手袋』や『中の物の質量を1/100にして劣化させずに保存できるポーチ』と一緒に一式プレゼント」
「待て!それどっかで聞いたことあるぞ!!」
「そしてキミ自身に『物をいくら持とうと一定の重さから変わらなくなる能力』をあげよう。これで土を10t持とうが何しようが関係なくなる訳だ。どうだい?これだけあげればなんとかなりそうだろう?」
「イヤイヤイヤ、これやっぱりアレだよな!あの『砂箱型アクションゲーム』のアレだよな!?」
「あっ、バレた?……ってキミはちょうどアレが流行ってた時代の人間だもんね。わかって当然か」
「能力的には申し分ないけど、大丈夫なのか?主に規制的に」
「ハハハ、いきなりメタいなぁキミは。何を心配しているんだい?もし、これで引っ掛かるなら世の中の『ステータス』的な物を記載している小説はみんなアウトだよ。
だから心配いらないって」
「……そんなもんなのか?」
「世の中そういうもんさ。それじゃ、心の準備はいいかい?」
「待ってくれ、その前にどうしても欲しい物がある」
「え~?まだ何かあるの?」
「あぁ、各地の地質を知りたいからpH測定器をくれ。これがないとどの植物が育つか解らないからな」
「地質?pH?ナニソレ、オイシイノ?」
「オイちょっと待ってくれよ……」
次回こそ、現地へ移動です。