ざっくり説明ー罪の賠償方法ー
今回も導入部です。中途半端に感じるかも知れませんがこれは仕様です。ご了承下さい。
ーXXXX年 白黒の部屋ー
此所ではないどこか、されど決して遠くはなく、最も身近に有るものの、絶対に近づく事の出来ない場所に一軒の家が建っていた。
その家は一言で表すなら『白黒』。
外観から内装に至るまで全てが白と黒のコントラストのみで表現され、インテリアとしてなのか水槽が飾ってあるもののその中に魚等の姿はなく、ただただもの寂しさだけが漂っている。
そんな寂しい家の中には、人影が二つ。
仁王立ちする女性らしき『影』と、正座する男性と思われる『影』の二つだ。
因みに先程から『影』と表記しているのは、二人の姿をしっかりと見ていないから『影 』と言ってる訳ではない。
本当に二つの『影』しかないのだ。
しかし、二つの影はそんなこと気にしないとばかりに話していた。
まるで互いに互いにしか眼中に無いとばかりに……
「と言うわけで、人類は自ら放った核弾頭によって大半の生物や君達の散々嫌ったウィルスなんかと共に放射能汚染で滅亡し、残った僅かな生物も20年後に起こった大噴火による環境変化について行けず死滅。この星は草木すらない死の星となりましたとさ。全く……実に迷惑な話だとは思わないかね、人間くん?」
「え~っと…………どの辺が迷惑なンスかね……」
「どの辺がってキミね。少し考えてみなよ。折角ヒト(.・・)が一生懸命『命溢れる美しい星』を売りにしようと頑張って沢山創った命の大半が、たった一種類の生き物の為に死んじゃったんだよ!それを怒らないでどうしろって言うのさ!!」
「いや~……それは判るんですけどね。何でそれをオレに言うンスかね……」
「何でってキミね。それだって少し考えたら判るでしょ!
それはキミが人間だからだよ!!」
「……えっ?じゃあ貴女は人間じゃないンスか?」
「そりゃそうだよ!ボクは君達の言う地球そのもの。この姿や話してる言語はキミが一番理解しやすい言語だから使ってあげてるだけだからね!
もし、ボクがボク達の言葉でキミと意志疎通をとろうとすれば、キミなんて一言目で発狂だからね!」
「……マジッスか……まぁ、わかりました。
で、今この状況はどういう状況なンスか?」
「あぁ、その説明をしてなかったね。成る程、道理で口数が少ないわけだ。
じゃあ説明しよう!
今、この星はようやく安定してきて、これから命の分配をはじめるところなんだ。ここまではいいかい?」
「アッ、はい。大丈夫ッス」
「でも、また人間みたいな生き物が産まれたら大変だよなぁ~って思ったんだ」
「そうッスね」
「で!人間が滅びる時に他の生物も軒並み滅んだことも思い出して!」
「ハイ」
「ムカつくから一人を『星の記憶』の中から適当に呼び出して罰を与えようと思ったわけ。それで出てきたのがキミだったってわけ」
「…………マジッスか……
で、何でオレなンスかね?
オレはその時代の大分前に死んでるんスけど……」
「ハッ!キミからすれば未来でも、ボクからすればちょっとした誤差でしかない。つまり、キミも同罪。自業自得。そういうこと。因みに拒否権なんて認めません。
アーユーオーケイ?」
「…………絶対値が大きすぎると一も百も変わんないっていうやつッスね。わかりました。
んで、なんとなく察しはつくんスけどオレは具体的に何をすればいいんスか?」
「ほう、ここに来て随分物分かりが良くなったね。感心感心。
まぁ、察しているとは思うけど敢えて宣言しよう!
ーキミにはこれから、ボクに代わって命の分配をしてもらう。
それをボクが人間に与える罰としようじゃないか」
次回、チート付加と現地へ移動です。