表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/38

8話

「うわぁ!!……ハァ、ハァ……。夢、ですか。ここは……?」


私は夢を見ていた。しかも、悪夢を。

酷い夢でした。あの、デカイ魔物に向かっていき、私以外は全滅だなんて……。

周りは見たことも無い部屋。……?確か、ルイ様の魔方陣で魔島に来た筈。私は寝ていたベットから出ようとしたとき、部屋に誰かが入ってきた。ディだ。


「よぉ、やっと起きたか。テメェが最後だぜ」

「ということは皆寝ていたのですか。二人は?」

「ん?華僑は外で修行。そうそう。魔獣からの伝言で神獣の元にこいだとよ。そこにルイはいるらしい」


私は起き上がり、簡単に身支度をしてからディと共に外へ出た。

そこにいたのは刀を振っている華僑。上半身は裸だ。

……意外と筋肉付いていますね。私の方が無い……。

三人顔を合わせると、一匹の黄色い魔獣が来た。フィナと同じ魔鳥だ。メスかな。

にしてもこの鳥、どこかルイ様に似ている。ポニーテールみたいな毛がありますし、目は青いし。

しかし、ぱっと見ルイ様のようなかわいらしいとは違う。美しいです。

その魔鳥は私達の顔を見て来いと言う様に羽を動かした。そして、歩いた。私達は付いていった。

色々な者がいる。魔獣は勿論、エルフ、妖精、さらには魔物までも!

ずっと歩くと大きな神殿みたいな所に着いた。魔鳥は飛び去っていってしまった。


「あの魔鳥、なーんかルイに似ていたような気がする」

「そうか?まぁいい。入るぞ」


神殿に入り、廊下を歩くとあの神獣に出会った。横にはルイ様。

神獣はイニア国で召喚されたときよりも小さい。何故?


「それは、ここが魔島だからですよ。ナイト・リンガー」

「あれ、私声に出していました?」

「いいえ。私は心が読めます。ようこそ、人ならざる者が住む魔島へ」


そう言うと、神獣は人へと姿を変えた。

これまた美しい。人間だったら口説きたいほど……。


「此方の方が話しやすいでしょう。さて、私に聞きたいことは多くありそうですね」

「あぁ。魔王っておとぎ話だと思っていたんだが?あれが魔王だとは思えねぇ」

「生まれたての魔王ですよ。あの魔物は。貴方方も感じたでしょう?あの禍々しさを」


確かに言われて見ればあの魔物は今までの魔物よりも気味が悪かった。

神獣は立ち上がり傍にあった水晶を持った。


「これを見なさい。私が魔王を飛ばした場所です。ここは死の世界。有害物質しかなく、普通は生きられません。しかし、魔王は生きています。わかりますか?」

「わかるけど……。ねぇ、それで俺達をここに呼んだ理由は?まさか倒せと?」

「その通りです。死の世界に言ったら自分たちが死ぬと?大丈夫です。ルイがいますから」


私はルイ様を見た。こっちを見て笑った。

魔王を倒せ?私達はただの人間なのに?


「ただの人間だからです。大昔の英雄の話は知っていますね?はっきり言います。彼らもただの人間。そして、貴方達はその英雄の子孫」

「はぁ!?それが本当でしたら私達は自分たちが英雄の子孫だと知っている筈です!しかし、私達はそんなことを知らない!第一ウィリシア王国の王族が英雄の……」

「落ち着きなさい。英雄は魔物から子孫を守るために誰一人として教えなかったのです。知っているのは私だけ……。さて、もう一つ。ルイについて話しましょう。疑問に思ったはずですよ。何故神獣である私が召喚できるのか、と」


私が一番疑問に思っていたことだ。ルイ様は何も変わらず立っていた――

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ