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16話

「んで、何で戦争なんか起したんだ?」


アディ王が戻ってからすぐにディが俺に聞いてきた。随分気になっているみたいだなぁ。

俺はアディ王が座っていた椅子に座り、一つ欠伸をして話した。


「俺が起したんだけど、まぁしょうがなかったんだよ。グパ族にはさ永遠のライバルというべき敵がいるんだよ。シア族のことなんだけどね、俺そこにとばさてちゃってさもう大変だったよ。グパ族は銀髪に赤目なのに対してシア族は赤髪赤目なんだ」

「ふうん。何でライバルなんだよ?」

「どっちも術の最高手と言い合っているもんだからね。俺的にはどうでも良いんだけど世界的にはグパ族のほうが最高といわれているもんだからシア族は俺たちに対して凄い攻撃を仕掛けてくるんだ」

「詳しく話してくれねぇか?暇だし」

「いいよ」


+++++


「よっと。あれ、ここ何処?」

「グ、グパ族だぁーー!!」


俺は飛ばされたとき正直状況がつかめなかった。そりゃ、いきなり出てきたと思ったらグパ族だーって叫ばれて大声出したやつは居なくなっちゃうもんだから何も分からなかったよ。

でも、その声で駆けつけた人々の格好を見たらすぐに分かったよ。シア国だとね。シア国にはシア族しか居ないから俺は完全に彼らの敵なんだ。すぐに武器を向けられたよ。

それが剣とか槍だったら良かったんだけどシア族は弓を使うから流石に抵抗は止めといた。


「何故貴様はここに来た!」

「移動用の魔方陣に乗ったらここに来ただけなんだ。見逃してくれないかな?」

「ふん。見逃す訳無かろう貴様もグパ族との戦争に使う人質にする」


そのまま俺は捕まった。別に抵抗しても良かったんだけど他に人質が居るから助けようかと思ってね。

それに、今グパ族とシア族は互いに互いの国、人に関らない。もし間違って領土に入っても返す条約を結んでいた筈だ。人質ということはそれを破っている。

俺はシア国の牢屋の中へ入れられた。入るときに武器を取られそうになったが取られなかった。不思議とシア族が俺の刀に触った瞬間そいつの身体に電流が走ったらしく扱えないということでそのままになった。

中には20人ほどの同族。鉄格子には札があり、術が使えなくなっている。鉄格子の外には二人の門番。


「おぉ、華僑殿ではないか……。お久しぶりで御座います」

「爺やまで捕まったの。随分な条約破りだね。あの鉄格子の札は恐らく俺の刀でも壊れそうにもないしなぁ。それに仲間とも離れ離れになったみたいだしどうしようかなぁ」

「華僑さんは何で武器持ってるんですか?」

「ん?なんかね、触ったら電流走ったみたいで扱えないからだよ」


俺は刀を抜いて鉄格子に貼ってある札を切ろうとするもののやっぱり無理だった。最初から分かっていたことだけどね。

そのまま他の人と会話をした。一番長くいるのはもう7年も牢屋の中にいるらしい。夜中は門番がいないらしくその時に話し合うことにしたんだ。

そのまま夜が更けて門番がいなくなると、俺は一つの提案をした。


「誰かが何でも良いから体調を崩して牢の扉を開けてもらう。その瞬間に俺が出て何とかするけど……無理かな」

「うーむ、華僑殿ならいけそうだが」

「そう。ありがとう爺や」


あぁそうだ、爺やというのは俺たちグパ族の中でも特別な存在なんだ。なんか、何百年も生きているとか生きていないとか……。まぁ、なぞの人物だよ。

そのまま俺は寝た。眠かったからね。日が射さないから朝か昼かは分からないけど、起きたときには門番がいた。多分朝かな。

それから、爺やに目配せをした。爺屋は小さく頷き、横になった。


「うぅ……」

「爺や様!どうなされました!?」


爺やの傍に行ったのは、藍という男。藍は長老や爺やなどの世話をしているやつだったはず。一緒につかまったんだろうな。


「あまりにもお腹がすいてのぅ……」

「まさか、そこら辺に転がっていたものをお食べに!?」


爺やは頷く。すると、会話を聞いていた門番が声をかけた。そして、藍が上手く爺やを外に出させるようにさせた。

俺が座っているのはドアの一番近く。ナイトほど速さは無いから少し心配だ。

門番が札を外し鍵を開け、ドアを開けた瞬間俺は刀を抜いて門番をきりつけながら外に出た。


「うわぁぁぁああああ!!!!!き、貴様等ァァ……」

「悪いね。早く外に出たいし。鍵、貰うよ。ついでに少し眠ってて」


俺は刀の切っ先で鍵を拾い、術をかけた。すると、門番は寝て他のグパ族が出てきた。それと同時に騒ぎを聞きつけてきたシア族も来た。

藍が、門番の弓を手に取り、俺の横に並んだ。そして、俺たちはシア族に向かって武器を向けた。

後ろでは術を唱えている。シア族も負けじと弓を構えたり術を唱えている。


「愚かなグパ族よ、我々を攻撃すれば条約を破ることになるぞ……?」

「別に良いよ。君達が俺たちを牢屋に入れた時点で条約破られているし。俺さぁ面倒なことは嫌いなんだよね。ちょち今イラついているし下手したら君達全員殺しかねないけど……」


後で聞いたんだけど、このときの俺って凄く怖かったらしい。殺気が恐ろしいぐらいに飛んできてそれだけで気絶しそうだったってね。


「……くっ、な、何が言いたい」

「そうだね、君達の中で一番強い人を出してよ。俺とそいつで戦って俺が勝ったら俺たちはグパ国に戻って長老にこのことを言うよ。多分戦争になるかもね。君達が勝ったら俺たちを殺すなり好きにして良いよ」

「腹が据わっている小僧だ。いいだろう。外に出ろ。術も唱えるな」


まぁ、そのまま外に出たんだけどね丸一日暗い所にいたからすっごく眩しくってね。目が慣れるまで少し時間がかかったよ。

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