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一鳴きもせず

作者: 秋葉竹


 


水晶を通してみえる感じの朝の陽光

部屋から不純な悲しみを洗い去ってくれる

そしてあとには真っ白な夢だけが残る


カラスが一羽飛んでいってしまった

一鳴きもせず

不幸を私から連れ去るように


私の心は平穏に覆われて

心の中で手を合わせて

北の国の悪鬼羅刹の有り様の平和さえ祈るよ


それは何処でもなく

それは何処でもいい

私の心の平穏がゆきつく果ての夢の山脈


金魚雲がゆっくりと泳いでいる

山脈雲にゆっくりとぶつかって

白い風がただ知られたことを知って吹く


街に

ノアの子孫を名乗る美しい街女が立ち

滅びの冒涜を諌めようと泣いている


何処かに

憩うべき土地は無いのだろうかと

子猫を抱きながら泣いている


にんげんは

珍しく優しくなれる日がある

今朝がそうだったから


朝から冷たい牛乳を飲み干す

水晶を通してみればいい

彼女も平穏な気分になれるかも


そう想って大きく深呼吸して

ゆっくりと泳ぐ煌めきの風の中を

山脈に吸い寄せられる金魚の音と捉える


いつもの時間が止まりさえすれば

私は彼女にちゃんと声を掛けようと想う

生きて来たお詫びと感謝を知っているから


夜になればまたわたしも彼女も

すべてを忘れてしまうくらい

なにかに酔わされるのかもしれないけれども







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