皇帝陛下の寵愛は、身に余りすぎて重すぎる
――喜べ、エナ! お前にも縁談が来たぞ!
数年前の戦で父を、病で母を亡くしたエナ。
跡継ぎである幼い弟と二人、後見人(と言う名の乗っ取り)の叔父によりずっと塔に幽閉されていたエナ。
両親の不在、後見人の暴虐。弟を守らねばと、一生懸命だったあまりに、婚期を逃していたエナに、叔父が(お金目当ての)縁談を持ちかけてくるけれど。
――すまないが、その縁談は無効にさせてもらう!
エナを救ってくれたのは、幼馴染のリアハルト皇子……ではなく、今は皇帝となったリアハルト陛下。
彼は先帝の第一皇子だったけれど、父帝とその愛妾により、都から放逐され、エナの父のもとに身を寄せ、エナとともに育った人物。
――結婚の約束、しただろう?
昔と違って、堂々と王者らしい風格を備えたリアハルト。驚くエナに妻になってくれと結婚を申し込むけれど。
(わたし、いつの間に、結婚の約束なんてしてたのっ!?)
記憶がない。記憶にない。
姉弟のように育ったけど。彼との別れに彼の無事を願ってハンカチを渡したけれど! それだけしかしてない!
都会の洗練された娘でもない。ずっと幽閉されてきた身。
若くもない、リアハルトより三つも年上。婚期を逃した身。
後ろ盾となる両親もいない。幼い弟を守らなきゃいけない身。
(そんなわたしが? リアハルト陛下の妻? 皇后?)
ずっとエナを慕っていたというリアハルト。弟の後見人にもなってくれるというリアハルト。
エナの父は、彼が即位するため起こした戦争で亡くなっている。
だから。
この求婚は、その罪滅ぼし? 昔世話になった者への恩返し?
弟の後見になってくれるのはうれしいけれど。なんの取り柄もないわたしに求婚する理由はなに?
ずっと好きだった彼女を手に入れたかったリアハルトと、彼の熱愛に、ありがたいけれど戸惑いしかないエナの物語。
※ この作品は、PIXIVさまと、アルファポリスさまにも掲載しています。
数年前の戦で父を、病で母を亡くしたエナ。
跡継ぎである幼い弟と二人、後見人(と言う名の乗っ取り)の叔父によりずっと塔に幽閉されていたエナ。
両親の不在、後見人の暴虐。弟を守らねばと、一生懸命だったあまりに、婚期を逃していたエナに、叔父が(お金目当ての)縁談を持ちかけてくるけれど。
――すまないが、その縁談は無効にさせてもらう!
エナを救ってくれたのは、幼馴染のリアハルト皇子……ではなく、今は皇帝となったリアハルト陛下。
彼は先帝の第一皇子だったけれど、父帝とその愛妾により、都から放逐され、エナの父のもとに身を寄せ、エナとともに育った人物。
――結婚の約束、しただろう?
昔と違って、堂々と王者らしい風格を備えたリアハルト。驚くエナに妻になってくれと結婚を申し込むけれど。
(わたし、いつの間に、結婚の約束なんてしてたのっ!?)
記憶がない。記憶にない。
姉弟のように育ったけど。彼との別れに彼の無事を願ってハンカチを渡したけれど! それだけしかしてない!
都会の洗練された娘でもない。ずっと幽閉されてきた身。
若くもない、リアハルトより三つも年上。婚期を逃した身。
後ろ盾となる両親もいない。幼い弟を守らなきゃいけない身。
(そんなわたしが? リアハルト陛下の妻? 皇后?)
ずっとエナを慕っていたというリアハルト。弟の後見人にもなってくれるというリアハルト。
エナの父は、彼が即位するため起こした戦争で亡くなっている。
だから。
この求婚は、その罪滅ぼし? 昔世話になった者への恩返し?
弟の後見になってくれるのはうれしいけれど。なんの取り柄もないわたしに求婚する理由はなに?
ずっと好きだった彼女を手に入れたかったリアハルトと、彼の熱愛に、ありがたいけれど戸惑いしかないエナの物語。
※ この作品は、PIXIVさまと、アルファポリスさまにも掲載しています。
1.降って湧いた結婚話✕2
2025/08/01 17:00
(改)
2.スズラン(っぽいなにか)のハンカチ
2025/08/02 17:00
(改)
3.身に覚えのない婚約
2025/08/03 17:00
4.身の置きどころ行方不明
2025/08/04 17:00
5.掌の上、コロコロ
2025/08/05 17:00
6.噂どおりの女ですけど。ーー噂ってなんですか?
2025/08/06 17:00
7.当然の帰結
2025/08/07 17:00
8.深夜のご訪問は、アレコレ危険
2025/08/08 17:00
(改)
9.皇城で暮らすと、時折性転換が起きる(らしい)
2025/08/09 17:00
10.約束は約束だから
2025/08/10 17:00
11.暴力皇妃爆誕
2025/08/11 17:00
(改)
12.夜のご訪問は、やっぱり危険
2025/08/12 17:00
13.顔から火を吹くような過去は、ゴッシゴッシと消し去りたい
2025/08/13 20:36
(改)
14.見上げる夜空に答えなどなく
2025/08/14 17:43
15.己のしたことは、一周まわって、我が身に返る
2025/08/15 17:00
(改)
16.ウソとホントとイタズラの境界線
2025/08/16 17:00
(改)
17.生まれた意味
2025/08/17 17:00
(改)
18.遠駆け
2025/08/18 21:07
19.夜の帳
2025/08/19 17:00
20.心と本音は裏腹に
2025/08/20 17:00
(改)
21.セラン・ベルティアーノの事件簿
2025/08/21 17:00
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22.怒りの頂点で、「笑う」人ほど恐ろしいものはない
2025/08/22 17:00
(改)
23.座して待つのは、性に合わない
2025/08/23 17:00
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24.「笑い」の恐怖、再び
2025/08/24 17:00
(改)
25.曙光
2025/08/25 17:00
(改)
26.皇帝陛下の寵愛は、身に余るほど重すぎる
2025/08/26 17:00
(改)