第8話
―― Erstein side
「おはよ~」
時間は午前6時。
『おはよ~って… 今何時だと思ってるのよ! 午前6時よ? まだ6時なの!』
「寝坊はしてないと思うが?」
『いつもは8時過ぎても起きないくせに』
「たまには健康的な生活というのも良いだろ? って、待てい!」
能天気な笑顔にむかついたので、船内重力をいきなり2Gにしてみた。
「お前なあ… いきなりコレはないだろう?」
『たまには、ではなくて… これからは、ずうっと健康的な生活を送りましょうね』
いきなり体重が2倍になったら… きついかな。
…あ、立った。
「怠惰な生活が信条のオレに無茶な事をい……」
4G決定!
ヴヴヴヴヴヴ……
「げふぅっ……」
さあ、今のうちに食事の準備でも始めましょうかね。
昨夜のうちに仕込んでおいた大豆は、うまく発酵してくれたようだ。
糸の引き具合がいい具合だわ。
ご飯も炊けたし、発酵大豆の一部は味噌汁の具にしちゃいましょう。
ふふふふふ。
「とりあえず、聞こうか」
ちなみに食後のお茶は、普通のほうじ茶だ。
とりあえず、ロボット探査機に命じて拾ってきたモノの画像を表示する。
『……とりあえず、拾ってきたのはこれ… なんだけど』
「ふむん。周辺空域の画像は?」
それもちゃんと用意してありますよ。
『すぐに探知できなくなったけど、近くに宇宙船が浮いていたような気がするのよね』
「そのコンテナ… もしやミミックじゃないだろうな?」
『ゲームじゃないのっ!』
地球を出発したころ、中世や異世界を舞台にして、冒険をするという内容の書籍が流行していたのよね。
内容はいくつもの選択肢があって、さいころの目や途中で手に入れたアイテムを使って話を進めていくというもの。
その中の一冊なんだけど、とにかく罠が多い。
地下の迷宮には、落とし穴につり天井は当たり前。時々見つかる宝箱は、宝箱に擬態したモンスターだったり不用意に開けると、爆発したり、テレポートさせられたりと、トラップだけでも盛りだくさんの内容だ。
トラップを解除すれば、安全に中身を取り出せるようになってるし。
一番多いのは、ゲームを進めるのに必要なアイテム……
『とりあえず、安全は確認したからっ! 早く見て頂戴!』
「へいへい… って、いでえええっ!」




