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第28話

―― Astesia side


 ルイス・グランドル1世のメッセージは私も聞いた。

 ラザルスは、祖なる者… だった。

 それならば、私に対する最優先指揮権は彼のもの。

 たとえ皇帝の勅命でも、それを変えることは出来ない。


 そして彼の最初の命令は――

「私の宇宙船を収容してくれないか?」

 あの球形宇宙船を収容するように命じたのだ。

『格納庫は使用不能になっていますけれど?』

「いや、あれだけは別格でね、専用デッキがあるんだ……」


 そう言いながらラザルスは、艦長席のコンソールから、コマンドを入力する。


 特殊コードをとデータを受けた取った私は、唖然とした。

 司令室の後ろに、あの航宙艦を収容できるくらいの空間があったのだ。

『私にこんな機能があったとは……』

「我々が出会う確率はほとんどゼロだからな。さて、作業を始めてくれ」

 それは設計情報に記載されていない領域で、艦内調査でも見つからなかった空間だ。


 艦体の中央部にあった格納庫の扉を開放しながら、誘導信号の発信を始めた。

 しばらく反応が無かったけれど、数分後に宇宙船からは問い合わせがあった。

 そこにラザルスがいるのか、いるなら話をさせてほしい、と。


『どうしますか?』

「……そう言えば、こっちに来てどのくらいになる?」

 コーヒーのおかわりを艦長席に運びながら、時計を見てみた。


『6時間くらいですね』

「そんなに…… ま、まあ、とにかく… つないでくれ」

 彼は一瞬だけ、身体を強張らせたが、狼狽をかくすようにして言った。


『回線をつなぎますね』

「……や、やあ。エルスティン?」

『そちらのお嬢さんと… ず・い・ぶ・ん、楽しい時間を過ごしていたようですね?』

 エルスティンは静かに話し始めた。


「いや、こっちも神経が磨り減ったぞ」

『私も心配したんですよ? ぜんぜん連絡をくれないから』

「いや、そんな暇もなくてな……」

『そちらに居る女性とは、充分にコミニュケーションを取っていたようですね?』

「うん。けっこう愛嬌のあr『ラーザールースーぅ?』…はい」


 この瞬間から数分間の事を、私はよく憶えていない。

 通信機越しに聞こえてくるのは、エルスティンのすさまじい怒鳴り声というか、そういう類のものだったようだけど……

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