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狭間の世界にて  作者: リオン/片桐リシン
13—美知子さんの物語 全5話
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13-美知子さんの物語 2 <なぜだ? どうしてこうなった?>

  なぜだ? なぜなんだ? どうしてこうなった?

明日は私の結婚式だ。何で私があのジャガイモと結婚することになったのか?訳が分からない。


 大学を卒業して3年目に、

 「僕が美知子さんを幸せにします。」

というプロポーズの言葉にコロッと騙された。このセリフはブドリ君の父母が開発した生成AI、『ミヤサワクン』のお勧めだそうだ。後日、ブドリ君の両親から笑いながら聞かされた。

 ブドリ君! 人工知能(AI)に愛(AI)の言葉を考えさせるなんて、なんてたちの悪い駄洒落、冗談だ。そのセリフの約束は必ず守らせるからな!


 ♫ ♫ ♫ ♫ ♫ 


 クリスチャンじゃないけど、近所の教会で結婚式を挙げた。教会の空を白いハトではなくカー太ンら数十羽の黒いカラスが舞い飛び交っていた。一部の参列者は不気味がったが、私たちのことを良く知る参列者はみんな苦笑していた。カラス達とのコントラストのおかげで、私の白いドレスが映える、映える。もうヤケクソ。開き直って「おはようカラスさん」とプリンセス・ムーブをしようとしたら、

 「それってヴィラン・ムーブじゃない?」

とブドリ君に止められた。うん。私もそう思う。や〜めた。


 立食のガーデンパーティの披露宴では特別に準備した席?机でカラス達がきちんと整列して乾杯をまっていた。走り回る人間のガキより行儀がいい。 と、思ったら、あっ、子カラスが料理にそっと足を出して、カー太ンにペシッとはたかれている。人間もカラスもあんまり変わりないなぁ。乾杯が終わると、カラス達は料理を美味しそうについばんでいた。なんだかな〜。乙女の夢が粉砕骨折だ。もう、どうにでもな〜れ〜。宮澤医院を継ぐ予定の兄が、特別席のカラス達に「うちの子にならない?」と勧誘して『アホー、カー』と断られていた。カオスだ、カオスとカラスはことばが似ている。


 はてさて、私たちの前にはどんなしっちゃかめっちゃかな、カラスに満ちた未来が待っているのだろう。恐ろしくも楽しみだ。




 結婚後もものがたりは続く。


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