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満と神様  作者: 雨宮朋夜
2/6

神様とケーキと願い事

「はい」

 俺は約束通り神様にケーキを()()()した。

「おお!これがけえきか!」

 神様が眼をキラキラさせながら箱を丁寧に開けていく。

 中に入ったケーキを見て、一層眼を輝かせていた。

「この白いのは……?」

「それは生クリーム、で、上にのってるのがいちご」

「いちご!それは俺も知ってるぞ。いちご大福と同じやつだろ」

 フフンと神様がドヤ顔をする。

 いちごを知ってるだけでそんな顔をされるとは。

 クスッと笑みがこぼれる。

「いっただっきまーす」

 そんなのをお構いなしに、ケーキをパクっと口に入れる。

「………………」

 ケーキが美味しくなかったのだろうか。

 少し緊張しながら様子を見ると、突然、神様の眼がカッと見開いた。

「うっ……」

「……う?」

「うまーーーい!!なんだこの食べ物は!!甘くて綿菓子みたいにフワフワしていて、それにこの黄色いカステラのようなものもうまい!!」

 そう言いながら、神様は眼にも止まらぬ速さで完食してしまった。

「ごちそうさまでした」

 空になった皿の前で両手を合わせる。

「お口に合ったようで何より」

「おう!うまかったぞ」

 笑顔を見ると嬉しくて心がじんわりと温かくなった。

 そろそろ退散しようと腰を上げる。

「「じゃ、俺は…」満、次はどんなの持ってきてくれるんだ?」

 神様が眼をキラキラさせる。

「……え?つぎ……⁇」

「ああ、つぎだ」

「いや、いやいやいや。何でさも当たり前のように言うんだよ。ケーキを持ってくる俺になんのメリットがあるんだよ」

「メリットか。まーた、人間は面倒なことを言うな。メリットがあろうとなかろうとよかろうに」

 イラァ

「じゃあな。明日からちゃんと賽銭すっから」

 そのまま無視をして立ち去ることにした。

「まてまてまて!!」

 神様が俺の足にぎゅうっとしがみつき全体重を乗せる。

「なんだよ」

 束縛から逃れようと必死に足を動かす。

「賽銭はいらぬから、けえきとやらを持ってきてほしい!!その代わりに!」

「その代わり?」

 神様が指を三本俺の顔の前に出す。

「願い事を三つか叶えてやる」

「……ねがいごと?」

「そうだ。三つだ。なんでもよいぞ。大抵のことは叶えられる」

 フフンと神様がドヤ顔をした。


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