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大量の魔物を片付ける魔術師と盗賊

 目的地にたどり着いた俺は、まず無鬼(ナキ)を地面に下ろした。

 メシアに世界樹の杖を投げ渡し、次に剣と盾をシーリアス王女に渡す。


「2人とも怪我は無いみたいだな……良かったよ」


「ローブ、後――」


「【爪技】火焔爪!」


 無鬼(ナキ)が俺の後ろを見て、焦った声を出した。

 餓鬼が襲い掛かってきてるのを察した俺は、派生技を発動してその場で宙返り。

 後ろに飛び掛かっていた餓鬼を、地面に蹴り落とす。

 そのまま着地をし、俺はゆっくりと餓鬼の大群に振り返った。


「メシア、シーリアス王女……無鬼(ナキ)を頼む。直ぐに終わらせるからさ」


「了解だ。さあ無鬼(ナキ)殿、こちらへ」


「待て、ローブ! 餓鬼の爪には毒があり、掠りでもすれば後にお主を苦しめるのじゃ! 少なくとも500匹は居る餓鬼を相手に、幾らお主でも無傷とはいかんじゃろう! 妾の事は気にせずに、3人で戦うのじゃ!」


無鬼(ナキ)、大丈夫……ローブが1人って言ったなら、1人で大丈夫だから……!」


「まあ、取り敢えずやってみるよ!」


 俺は餓鬼の大群に向かって、全力で駆け出す。

 鉤爪形態のノーフォームを振るって、飛び掛かってくる餓鬼をバラバラに引き裂いていった。

 爪に厄介な毒があるらしいが、単純な攻撃しかしてこない感じ……ゴブリンに似ている気がする。


「……おっと、囲まれているのか? それぐらいの知能は流石にあるよな」


「言わんこっちゃない! メシアよ、ローブに逃げ場を……!」


「ローブ、必要……?」


「勿論、必要ない。【罠魔法】ボムトラップ」


 俺は自分の足元に、踏むと爆発する魔法陣を仕掛けた。

 これは『弓兵』のエイロゥから盗んだ【罠魔法】で、杖が無くても発動が出来る手軽な魔法。

 周囲の餓鬼達が飛び掛かってくるのを確認し、俺はボムトラップの魔法陣を思いっきり踏みつける。

 罠が作動し、俺を中心に大爆発が引き起こされた。


「なんじゃっ! 急にローブの足元が爆発しおったぞ!?」


「成程。爆発に巻き込む為に、わざと周囲を囲ませたのか」


「あんな爆発の中心に()ったのに、呑気に感心しとる場合かーっ!? ローブは無事なのかっ!?」


「いやぁ、思ったよりも爆発したなぁ」


 煙が晴れると、100匹くらいの餓鬼が真っ黒に焦げて倒れている。

 俺は頑丈なマントと【物理耐性】、【属性耐性】のおかげで、ノーダメージだ。

 数を活かして攻めてくる魔物には、わざと囲ませて爆発させるのが効率良い。


「ローブなら、あんな爆発じゃ……怪我しないよ……」


「【索敵】範囲最大……っ!」


 周囲の状況を確認すると、街の方から強い魔物の気配が迫っている。

 無鬼(ナキ)の予想していた、裏で暗躍している奴らか。

 後ろから襲ってきて、挟み撃ちにする気だろう。


「メシア、餓鬼を全部倒してくれ! シーリアス王女、盾で後ろからの衝撃に備えてほしい!」


「任せて……!」


「了解だ!」


 メシアに餓鬼の処理を任せ、俺はシーリアス王女と無鬼(ナキ)の方に急いで駆け出した。

 まさか無鬼(ナキ)を狙っている奴が、大量の魔物を直ぐにこんなに用意できるなんて……!

 予想していたよりも危険な奴が狙っているみたいだ……急いで東の国に向かった方が良いかもしれない。


「ローブ、終わったよ……次はこっち?」


「あ、あの餓鬼の大群を……一瞬で焼き尽くしおったのか? ローブよりメシアの方が強いというのも、事実なのかもしれん……」


 メシアは大量の餓鬼をあっさりと処理したようで、既にシーリアス王女の隣で待機していた。

 【索敵】で感じた気配は2つ……どちらも大きな人型の魔物の気配。

 恐らく東の魔物だろうし、無鬼(ナキ)にどんな魔物か聞いておこう。


無鬼(ナキ)、次の魔物は大きな人型の魔物だ。心当たりはあるか?」


「はて、大きな人型の魔物? となると鬼……確かこちらでは、おーがと呼ばれておったか?」


「オーガ? いや、もっと速くて強そうな――」


 俺が無鬼(ナキ)にもっと聞こうとした瞬間、殺気が直ぐそこまで迫っていた。

 目の前に現れたのは、自分が小人になったと錯覚してしまう程巨大な緑の巨人と青の巨人。

 振るわれている2つの何かを、交差させた両腕で受け止めようとしたが……


「ぐぅっ!?」


 流石に2体の攻撃は受け止め切れず、俺の体は後ろへと吹っ飛ばされた。

 空中で一回転して体勢を立て直し、両足と片手を使って何とか着地する。

 なんて攻撃力……威力を盗む(パワースティール)を使うべきだったな。


「こ、こやつらは……風神と、雷神じゃ……! まさかこのような魔物まで、差し向けられているとは……妾は何に追われておる……?」


「あの角の生えた小娘が、我らのターゲットか? (いかずち)の兄者よ」


「応その通りだ、風の弟者(おとじゃ)よ。周りの人間は殺して、喰うて良いらしい」


 風神と雷神とやらは、メシア達を見下ろしながら話している。

 この巨体は……オーガじゃなくて、ギガンテスタイプの魔物だったか。


「メシア。1人1体だな、私服のままだけど行けるか?」


「うん、全然よゆー……!」


 風神と雷神の前に戻りながら、俺はメシアに問いかける。

 帰ってきたのは心強い返事、俺達なら大丈夫だ。

 俺は緑色の巨人である風神の前に、メシアは青色の巨人である雷神の前に立つ。


「見るのだ、(いかずち)の兄者よ。先程の人間が生きていたぞ」


「まだまだ楽しめそうじゃないか、風の弟者(おとじゃ)よ。あんなので死んでは、拍子抜けだ」


「ローブ、メシア! 風神と雷神は強い。心してかかるのじゃぞ!?」


「【爪技】獣王爪斬!」


「吹っ飛べ……!」


 俺は巨大な獣の腕で、風神を左側にブッ飛ばす。

 メシアは地面から巨大な拳を作り出して、雷神を右側に殴り飛ばした。


「じゃあ、倒すか」


「うん……!」

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