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第一話:ヒーロー誕生!

俺の名前は森盛、読み方はモリモリだ、ちなみに本名である。




今は20歳だが、この名前のせいで小さい頃は散々いじられた。


小学生の時はイジメられすぎて、

「俺、もう名前変えるっ!」と毎日叫んでいたものだ、


母にこの名前を付けた訳を聞くと、

「あら、だって面白いじゃない?」


実の親に殺意を抱いたのは、これが最初で最後だ…。




俺はココ流石町でヒーローをやっている。

誰に言われた訳では無い、俺がやりたいからやっている。



20にもなって何やってんだと思うかもしれないが、住民の安全を守るためには俺が必要なのだ!



ちなみに大学には行っていない、というか中卒だ。



「お前阿呆だろ?」と思ったあなた!!


違うっ!俺はヒーローだ!




俺への依頼は公園のベンチの下にある『ヒーローBOX』に寄せられる、ハズだった…。


ピンクの箱にヒーローBOXと黒いマジックで書いて置いておいた。



最初に見たときに木の枝や砂などがふんだんに入っており、何回か掃除したが、泥とか犬の糞っぽいのが入っていたときはさすがに諦めた。


今では公園のモニュメントになっている。




俺がヒーローだということは家族にもバラしていないが、1人だけ知っている奴がいる…、



俺の幼なじみであり親友の中谷トラだ。


カッコいい名前で結構な常識人だが、心が広くて、俺の事を暖かく見守ってくれる。


トラはめちゃくちゃ頭が良いので、ヒーローのなり方も知っていると思って聞いたのがキッカケだ。


「ヒーローってどうやってなるんだ?」


「げほっ、げほっ……、なに…、言ってんだ?」



「真剣なんだっ!」


「い、いや、知らないけれども…」


「そっか…」


「ま、まぁ、知恵くらいだったら貸してやるから…」


「うんっ、ありがと!」



…と、そんなこんなで俺の相談相手になってくれている。




この依頼の問題も、トラに知恵をもらった


「ハァ、適当に箱置いたって分かるわけ無いだろ?」


「そうだなぁ、小さい子に『困ってる事を書いて、この木の割れ目に入れとくと、ヒーローが助けに来るんだよ』とか言っとけば口コミで広がるんじゃ無いか?」



毎日公園に来て、小さい子ども達にこの通りに言ってみると


数日後、依頼がはいっていた。トラには超感謝だ!



その依頼と言うのがこれだ!



『わたしの家のペロがしんじゃったの、生き返して!』





出来るかぁっ!!




…と、一瞬さじを投げそうになったが、記念すべき最初の依頼だからもう少し頑張ってみようかと思い、図書館へ出掛けた。


そうすると、『黒魔術〜動物の生き返し方〜』というスゴい本を見つけた、すぐに手にとって内容を確認する。



【動物を生き返すにはマンドラゴラの生き血と、ガーゴイルの羽が必要です。】


トラに電話をかけた…。



「マンドラゴラってどこに居るの?」



「……知るかっ!」



「じゃ、じゃあペロってどうやって生き返すの?」



「……………無理だ。」




ということで残念ながら諦めた。




困っている人は居ないかと街を歩いていると、トラに会った。





〜トラside〜



町を歩いていると俺の幼なじみであるアホな友人に出会った。

「トラぁ〜何か困ってない?」


こいつは二十歳にもなってヒーローになると言った、正真正銘のアホだ。


「別にないわ」


「え〜」



「だって、だって、せっかくヒーローになったのに誰も助けて無い…。」


と泣きそうになりながら言われると、俺はかなり弱い。


「わかった、わかったから、誰か一緒に探そうな?」


「うんっ!」


と、結局は手伝ってしまう。



二人で歩いていると、電気屋さんと前にあるテレビが目に入った。


『今日午後1時、流石動物園から、一匹のライオンが逃げ出しました。流石町のみなさんは出来るだけ外へ出ないで下さい。』


「おい、モリモリ、ライオン逃げ出したってよ、危ないから帰ろ……」


俺は言葉を失った、モリモリがテレビを目をキラキラ輝かせながら見ていたから…。


「お、おい、それは止め

「すげぇっ! 見てみトラっ!ヒーローの出番だよっ! 流石町は俺が守るっ!!」


タタタ…


モリモリは走り去った。




…って言ってる場合じゃねぇっ!



と、いうことで大惨事になるまえにモリモリを連れ戻す事にした。




走り去ったモリモリを追いかけて行くと、もうライオンに出会っていた…。



「よくぞ来たな、この悪党め、この流石町のヒーロー…」



(やべぇ名前考えてなかった)





「…こ、この、モリモリマンがいる限り、お前の悪を許しはしないっ!」



モリモリの考えが手にとるように分かるのは俺だけだろうか?



「ど、どうだ参ったかっ!」


ライオンの方は何だコイツみたいな感じでモリモリを一目見て、プイっと完全に無視した。


「コ、コラッ、無視すんな!」


と言ってそこら辺に落ちていた石を投げようとした。


これはマズいと思い止めに入ろうとしたが、モリモリがいるのはライオンの目の前、足がすくんで動けない。


チクショウ動けよっ!と足にカツを入れようとしたとき、



パンッ パンッ



…と、銃声が鳴り響いた。



ライオンが倒れている。


良かったと安心して、その場にへたり込んだ。


ふと、モリモリを見ると…



「ライオンさん死んじゃったの? 嫌だよ、死んじゃ嫌だっ!」


と、ライオンにすがりついて泣いている。


「お前が殺したのかっ!」


と言って銃を持っているおじさんに怒り出した。


おじさんは、

「麻酔を打っただけだから大丈夫だよ」と優しく説明しているが、


「マスイってあの幻覚とか見えてくる奴だろ! そんなもの打ったのか!」


となおも怒っている。心の中でそれは麻薬だろ、とつっこんだが、聞こえるはずも無い。


ヒーローになるとか言っているアホにまだまだ振り回されるんだろうなと思いながら、困っているおじさんを助けるために重い腰を上げた。







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