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6章第3話 核を止めろ

しょうかく級原子力航空母艦2番艦"ずいかく"。


対テロ戦争において、海上からの戦力投射に一役買っているヨルジア海軍第2空母打撃群の旗艦である。


半径5nm(マイル)には、イージス艦4隻、駆逐艦2隻の計6隻の護衛艦が展開し、この巨大な空母を護っている。


そんな空母の統合作戦室で各方面の作戦士官が集まっていた。

今回の作戦は……敵のICBM基地の破壊だ。

グルーバキアとリドリスの国境付近、海岸沿いにあるICBM基地から発射される弾道ミサイルは、ヨルジアまでを射程に収める。

更に、そのミサイルに搭載されている弾頭が核弾頭である可能性が高いとの情報を得ていた。

その為、早急に破壊し、危機を取り除く必要があった。


海軍海兵隊、海軍航空隊、洋上の艦艇と、海軍特殊部隊の4つの部隊が同時に動く。


作戦士官は、手早く攻略作戦を立案し、派遣軍統合司令部によってGoサインが出たのは間も無くだった。


===========================


真夜中、暗い海中を1隻の小型潜水艦が進んでいく。

小型潜水艦の内部には、1個小隊20人が乗り込んでいた。


水深5m、沿岸より1km地点でハッチが開き、足ヒレとドライスーツ、バックパックを身につけ、小銃を手にした海軍特殊部隊"オルカ"の隊員がゾロゾロと出て来る。


小型潜水艦は、彼等を下すと静かに沿岸を離れて行った。

残された"オルカ"隊員は、ゆっくりと夜の海を泳いでいく。


35分程で足がつく浅瀬に到達。

バックパックに括ってあった小銃______CQB-Rのバレルに換装したコルトM4A1 BlockⅣ MWSを構え、闇夜に紛れてゆっくりと上陸していった。


砂浜に上陸すると、足跡を残さない様にしながら付近の茂みや岩場に身を隠す。


ドライスーツを脱ぎ捨てると……新型迷彩、AOR2の施されたコンバットシャツにコンバットパンツ、そしてプレートキャリアを身に纏った屈強な兵士が姿を表す。


酸素マスクを外し、ヘルメットの代わりにブーニーハットを被る。

海軍の特殊部隊として、隠密上陸や空挺降下を行うので、"オルカ"隊員は重量の増えるヘルメットを嫌う傾向がある。


軽量なエアフレームヘルメットを着用する隊員も居るが、今回上陸した隊員は全員がAOR2迷彩のブーニーハットを被っていた。


4人ずつ5つのユニットに分散した"オルカ"隊員は、4つのユニットは先進防空システム(IADS)の停止を、1つのユニットは核弾頭の停止に向かっていった。


弾道ミサイル基地は海岸沿いに存在し、砂浜から1km程離れている。

さて、そこまで何で行くか?


答えは"徒歩"である。


===========================


数々のブービートラップを掻い潜り、慎重に茂みを掻き分ける。


「またトラップか……」


目の前には極細のワイヤー、それに繋がっているのは______クレイモア地雷だ。


既に解除したクレイモアは4つ、これで5つ目だ。

既に弾道ミサイル基地の200m手前、森の至る所にこの様な地雷やスパイクトラップ、監視カメラが仕掛けられている。


「仕掛けるのは良いけど……もうちょい偽装位しようぜ」


クレイモア地雷や監視カメラには、申し訳程度の偽装が施されており、訓練を積んだ海軍特殊部隊(オルカ)の隊員には、見破るのは容易い。


特にこの男……バーラム・ジェンキンス准尉は、"オルカ"水中工作隊……つまり、こういった爆発物やブービートラップのスペシャリストだ。


特殊部隊は様々な戦術を使いこなす戦闘のエキスパートであるが、彼らの任務は戦闘だけでは無い。


例えば、陸軍特殊部隊"シルバー・アローズ"C(チャーリー)中隊の様な敵国内部の反政府レジスタンスを支援する任務だったり、ジェンキンスの所属している水中工作隊の様な爆破や妨害工作(サボタージュ)も行うし、占領地域の医療等の支援も特殊部隊の任務だ。


ジェンキンスはトラップを作動させない様に、且つ迅速に解除していく。

味方部隊がトラップゾーンを突破すると、再びトラップを仕掛け直す。


見回りで解除が発覚し、攻撃がバレれば作戦に支障をきたすからだ。


更に進むと、茂みの向こうに金網(フェンス)が見えてきた。

そのフェンスの向こうには監視塔があり、コンクリート製の地面が姿を現した。


監視カメラの有無を確認、フェンスの上にはカメラは無い。

金網(フェンス)に電流が流れているかどうか確認の為に細い木の枝を投げる。

枝は焦げること無く金網に当たり、落ちる。どうやら電流が流れているような代物では無いらしい。


静かに金網に近寄り、ボルトカッターで切断していく。

人1人が余裕で通れるだけの穴を開けると、そこから侵入した。


配備されている対空兵器は2K22ツングースカ自走対空砲と、9K37M1-2(SA-17) ブーク(グリズリー)地対空ミサイルである。


停止させるのは南側の対空兵器、全てを破壊する必要は無い。


「じゃあジェンキンス准尉、頼む」


「了解、幸運を」


ジェンキンス准尉にそういったのは、マイキー・ノースランド大尉。

彼が率いる4人のユニットは、核弾頭の停止を任務としている。


この基地にあるサイロは3つ、つまり3発のICBMがあるという事だ。

その全てに核弾頭が搭載されているとなれば……ヨルジア本土が危うくなる事間違い無しだ。


ハンドサインで進む。

核弾頭を、止める為に。

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