5章第3話 クーデター軍の新兵器
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次の日
目が覚めたエドワーズ達は1度集合時間までに本部に向かう。
夜間の歩哨をしていた時も思ったが、不気味な程静かだ。
狙撃されてから銃声は一度も聴こえない。
本部へ戻り、昨日の狙撃時の報告を行う。
アーロン達の狙撃返しで無事撃退出来たとだけ報告、その際のアレは特段報告すべき事でもない。
昨日の段階で、一隊が不審な場所や人物を発見したとの報告があった。
車輌も発見した為、1度全隊でそこに向かった方が良さそうだと言う事になり、全員で車輌で移動する。
車輌に乗り込むと、エメリアが開口一番こう言う。
「嫌な予感がします」
「……どうした?エメリア」
エメリアは自分のライフルを抱え、もう1度口を開く。
「到着したら、敵の襲撃に備えた方がいいと思います。報告のあったポイントは、私達が狙撃されたポイントから近いですから、敵が一帯に潜んでいる可能性が……」
「なるほど……みんな聞いたな?降車後は十分注意しろ」
「「「了解」」」
車輌部隊に全員の搭乗の確認が取れ、エドワーズ達の乗ったLAV-25も出発した。
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車輌が止まる。
後部ハッチを開けて降りると、何かの建物前だった。
外見から……何かの倉庫にも見える。
エドワーズ達は暫く建物の窓や路地などに銃を向け、警戒に入る。
ここ一帯は無人……では無いらしく、目に見える範囲に座っていたり、歩いていたりと3〜4人がバラバラに存在する。
道の反対側へ移すと、また3〜4人が居る。
ここに車輌が来るのが珍しいのか、じっとこちらを見ている。
路地を通り、反対のブロックの大通りに出る。
すると、アーロンが何かに気付いた。
「エドワーズ、あれを見てくれ」
アーロンがエドワーズを呼んで指差した方向には、黒焦げになったM151ジープがいる。
近寄ってよく見てみる。
「ここだ」
ボンネットの指差した部分を見てみると……六昴星の中心に更に五芒星のマーク_____リドリスの国旗をくり抜いたマークだ。
「正規軍のエンブレムか……という事は」
「ああ、これ正規軍の車輌だぜ、一体誰が……」
バババババババン!
発砲音、そのジープに火花が散る。
「伏せろ!銃撃だ!」
本隊も攻撃を受けたらしく、交戦に突入する。
狙撃分隊も素早くサイティングし、限られた弾薬内で正確に敵を貫く。
「本隊まで後退!急げ!」
「了解!」
道の反対側から迫る敵にエメリアがグレネードで40mm弾を発射、デリックがMINIMIを掃射し、時間を稼ぐ。
本隊の車輌が見える所まで後退してきたが、本隊も敵部隊に襲われている。
車輌に搭載していたM2重機関銃とLAV-25の25mm機関砲が火を噴くと、すぐに収まった。
「何だったんだ?」
「さぁ……でもまだ車輌を狙ってる奴らが居るな」
「先頭のHMMWVまで行こう」
道を渡り、車輌部隊先頭のHMMWVの近くの路地まで移動する。
……__________ィィィィィイ!
突如、ガスタービンエンジンを駆動させる音が聞こえる。
次の瞬間
バルルルルルルルルルルルルルルルル!
ガトリング機関銃の銃声、車輌部隊にミニガンを搭載している車輌は無い。
銃弾はHMMWVと指揮車輌、LAV-25を叩き、軽装甲のHMMWVは蜂の巣にされる。
「クソッ⁉︎何だっ⁉︎」
続いてロケット弾の一斉掃射、車が吹き飛び、指揮車輌がひっくり返る。
ドカン!
今度は別の攻撃、音からして恐らく無反動砲だろう。
エドワーズの隊は路地に逃げ込んでいた為全員無事だ。
吹き飛んで来たHMMWVのドアミラーを手に取り、何がどうなっているのかを確認する。
建物から出てきたのは_____猟犬を彷彿とさせる4足歩行兵器だった。
大きさは2m以上あり、3mは無い。
頭部の"下顎"部分にはガトリング式の機関銃があり、ターレットで旋回するらしく頭とは別方向にも向く。
背中部分には恐らく73mm無反動砲を2門背負い、胴体横の小翼にはロケット弾ポッドが取り付けられている。
猟犬の目となるのは頭部のカメラだろう、自動索敵か……無人兵器か⁉︎
「嘘だろ……⁉︎」
「SFの世界かよ……!」
状況を確認したエドワーズは、ハッと思い出したように無線を入れる。
「こちらR-25、無事な部隊はいるか⁉︎どうぞ!」
『_____ちらR-26、ロビンソンだ。俺の隊は全員無事だ』
『こちらR-64、俺はなんとか無事だ。だが負傷者が2名、戦死者が3名だ』
『こちらR-24、分隊長が殺られた!戦死者多数!救援を!』
『ザーーーーッ』
ブル中尉のR-64と戦闘チョークのR-24は負傷者と戦死者が出た、ロビンソン以下R-26は全員無事な様だ。
R-23からの交信が無い、最悪の場合だが_____23は壊滅だ。
モーターの駆動音を鳴らしながら、破壊した車輌部隊の横を歩く。
マズい、車輌の陰には負傷者が……!
鉄の猟犬は、その負傷者をカメラで見つけるなり、口元のガトリング機関銃で負傷者を物言わぬ血に濡れた肉塊へと変えていく。
見境なしだ……!
「64、こちら25。敵の兵器は恐らく自動索敵です」
『わかった、現状では対抗出来ない。航空支援を要請する』
「了解、兵器の性能がどれ位のものか調べてみます」
『了解、気をつけてな。アウト』
無線を切り、皆を振り返る。
皆は俺と目を合わせ、頷いてくれた。
あの兵器を叩く、その為にはどの位の性能を持つか確かめなければならない。
「いくぞ!」
「「「おう!」」」
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4足歩行兵器が通り過ぎた後、エドワーズ達は路地を出た。
後ろを通り過ぎ、反対側の路地に入ったが、これはアレが後ろに反応するかを調べる目的もある。
一斉に道を横断、50mも離れているのに振り向いて攻撃してくる。
一瞬前まで居た場所を銃弾の嵐が襲い、路地に入っても執拗に路地の壁を撃ってくる。
「やべぇ……アイツ後ろにもカメラあるのか?」
「そんな事言っている暇はありません!追ってきますよ!」
「嘘だろ⁉︎」
敵は振り返るだけに留まらず、エドワーズ達を認識して追ってきた。
「逃げろ!」
6人が路地の奥に駆け出す。
奥の曲がり角を塞ぐ様に敵兵が撃ってくるが、速攻で片付ける。
「邪魔すんな!」
角を曲がると共に、敵の死体ごと銃撃が凪いだ。
砕けたコンクリートの破片が飛び散る。
あの兵器が追いかけてくる前に、隠れる場所を変える事にした。
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「奴に死角は無い。カメラは頭部に3つ、後部に2つだな。武装は7.62mmガトリング機関銃と2.75ロケット弾、73mm無反動砲が2門……無人機だから躊躇は無い。カメラに捉えられた目標を自動追尾する」
「とんだ化け物だな……」
「全くだ」
一通りの観察が終わり、無人の建物2階の部屋であの兵器を破壊する為の作戦会議を始める。
「遠距離からこれで攻撃するのは?」
デリックが背負っているパンツァーファウストⅢを指差すが、アーロンに反論される。
「多分、機関銃に撃ち落とされて終わりだ、あの化け物の事だから、そこまでなら普通にやるだろうな」
ん……?迎撃だと?
迎撃には7.62を使う……機関銃は頭部にしか無い。
カメラを破壊すれば……
いや、火器管制があるから無理か……でも時間を稼ぐ事は可能だ。
「よし、決まった……奴を斃せるぞ!」
エドワーズは皆に作戦を説明すると、皆も納得する。
「なるほど……それならいけそうだ!」
「これで行こう、ナイスだエドワーズ」
「じゃあ……行くぞ!」
「「「了解!」」」




