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5章第1話 タスクフォース、偵察

5章は小出しで行きます。

Operation GONGの翌日から、ヨルジア軍始め対テロ戦に参戦している軍は市街地に潜む敵の掃討作戦を始めた。

特に特殊部隊は2日後には首都レギュラスを制圧した。

戦闘機や攻撃機による爆撃任務は接敵した際に敵の火力が強力だった場合のピンポイント攻撃や、森林に潜む敵の爆撃にシフトチェンジしている。


敵の航空機は未だ戦力を残しているが、こちらにちょっかいを出してくる事は少なくなった。

特殊部隊始めタスクフォースの基地にも数回に渡って爆撃機が襲来したが、ヨルジア軍がその度にスクランブル発進したため、被害は無い。


その爆撃機の基地も空軍と海軍によって潰された為、今敵の行動範囲に敵の爆撃機が着陸できる基地は1つしか無い。

未だ基地は敵が使っている為、気は抜け無いが……。


そんなある日のタスクフォース基地の事であった。


===========================


「俺達がレンジャーに?」


「あぁ、レンジャー徽章持ってるだろ?」


「確かに持ってはいますが……」


タスクフォース基地の一室、この基地でタスクフォース全隊の指揮を執るディック・ハドソン少将の部屋に居たのは、エドワーズ・スコット軍曹とデリック・ハートマン軍曹、エイミー・ハング伍長だ。


突如呼び出しを受け、"シルバー・アローズ"としてレンジャーの班に入って欲しいと言われたのだ。


「何もお前達だけじゃ無い。アーロン曹長とクリスタ軍曹も入るんだ、2人はもう承諾しているが……」


「なるほど……大丈夫です」


「デリックとエイミーは?問題はあるか?」


「「ありません」」


「なら今日早速出て貰う、基地の北20kmの(イエロー・タウン)の偵察に向かって貰いたい。詳しい事はまた出撃前に伝える。以上だ」


3人は、ザッと敬礼をして指揮官室を出る。


「何で俺達がレンジャーの指揮を執る事になったのかな?」


「さぁ……レンジャーに負傷者が出たとか?」


「エドワーズさん、デリックさん。気に病んでも仕方ないですよ」


小柄な女性隊員であるエイミーが2人を励ます。


「まぁいいや、エイミー、しっかり手伝ってくれよ?」


「もちろんです!」


デリックに言われ、ふんす!と気合を入れるエイミー。


「偵察だし、気楽に行こう」


===========================


「今回の任務は北側の街(イエロー・タウン)の偵察だ。この街は開戦直後から住人が居なくなり始め、現在では無人のゴーストタウンになっているらしい。今回の偵察はその原因を探る為の偵察だ」


飛行場に張ったテントの中での作戦室で、ハドソン少将から偵察作戦の概要を聞く。

任務は2日間街に留まり、街が無人になった原因を調査する。


幸い街が破壊されている様子は無く、電気や水などのインフラは生きている。

毒物が混入している形跡も無いと言う。


「車輛は10台、指揮車輛とLAV-25A2、HMMWV(ハンヴィー)、RSOVだ。もし攻撃を受けた場合には無線で連絡を入れればここか陸軍本部から航空支援を飛ばす」


バックアップは整えてあるから安心しろ、という事か。


作戦の説明を受けた後、偵察小隊の指揮官であるブル中尉が挨拶をして終了した。


「エドワーズ軍曹、お前が指揮するのは狙撃分隊だ、しっかり頼むぞ」


「了解しました、中尉」


空いた格納庫は隊員達のリビングや準備場所として使われており、弾薬が山程積み上げられている。

準備場所に行くと、デリックとエイミー、狙撃手のアーロンとクリスタ、それから1人女性隊員が居た。


「君は?」


「はっ!エメリア・ホーキンス伍長でありますっ!」


短くて綺麗な赤髪の隊員が立ち上がって敬礼をする。

俺達の隊は5人編成だったので、6人で火力の向上と交戦した際の柔軟な対応をするために予備の隊員を派遣したのだろう。

しかし、胸元に輝く徽章は間違いなくレンジャーだ。


「この分隊の指揮を執るエドワーズだ、階級は軍曹。よろしく頼む」


「はっ、全力を尽くします!」


エドワーズは特に変わり無くエメリアと接する。


「今回は偵察だ、気張らずにいつも通りやればいい」


「主役はブル中尉の隊で、いざとなったら呼べばヘリが来てくれる」


エドワーズがエメリアにそう言い、アーロンもフォローを入れる。


「じゃあ装備持って、行くぞ」


「「「了解」」」


各々が装備を整え始める。

装備するプレートキャリアはLBT-6094A、特殊部隊で主力として使われているプレートキャリアだ。

カマーバンドやMOLLEには様々なポーチが取り付けられ、弾薬と手榴弾が詰まっている。

腰に取り付けられたベルトにも同じくだ。


エドワーズ達が使う銃は他のレンジャー隊員と同じくM4A1 BlockⅣだ。

BlockⅣは、以前から問題視されていたガス利用(リュングマン)方式をコルト社が改良し、ショートストロークガスピストン方式に、バレルを耐熱性に優れた17-4鋼に変更改良したものだ。


トップレールには中・近距離戦で効果を発揮するACOG(エイコグ) TA31ECOS RMRスコープを搭載している。

ハンドガード下部にはTangmdown(タンゴダウン) BGV-ITIを装備し、ライトにはinsight(インサイト) M3X、レーザーサイトはAN/PEQ-15を搭載している。


エイミーのM4にACOG(エイコグ)では無く、EOTech(イオテック) EXPS3ホロサイトにG33 STS Magnifire(マグニファイア) ブースターを搭載している。

エイミーはその他、対戦車歩兵の役割もする為、84mm無反動砲(カールグスタフM3)を1本背負う。


アーロン・ヘイへは狙撃手なので、銃はM24 S(スナイパー)W(ウェポン)S(システム)、A2、A3のどれにも当てはまらない"アーロン・カスタム"だ。

スコープにはLeupold(リューポルド) ULTRA M3を搭載している。

ポーチの配列はかなり異なり、カンガルー・ポーチには個人(P)防衛(D)火器(W)、MP7A1の予備弾倉が入る様になっている。

左側のポーチにはM24の8.58×71mm .338Lapua(ラプア) Mag(マグナム)弾を10発装填するマガジンが入っている。


マークスマンを務めるクリスタ・ヘイへはレミントンR11 RSASSを装備、スコープはLeupold(リューポルド) Mark4 LR/T M1 8.5-25×50mmを搭載、スコープ上部には近接戦に使えるリフレックスサイトを装備している。

それから彼女の傍にはバレットM82A3対物ライフルがある。

それも持っていくのか……


デリックは何時ものようにELCAN(エルカン) SPECTOR(スペクター) DRを搭載したM249MINIMI MkⅡを装備、プレートキャリアの左側にはCRYE(クレイ) PRECISION(プレシジョン)の9×7×3ポーチに予備弾倉が入っている。

更に……


「重くないのか?」


「あぁ、大丈夫だ。むしろこれくらいが丁度いい」


と言ってパンツァーファウストⅢを1本背負う。

デリックは重火器を持った上に対戦車火器を持ち、「大丈夫なのか?」となる程の重装備を好む。

それでいて普通に走ったりで着いて来れるのだから驚きだ。

普段どんな鍛え方をすればそんなになるのだろうか……


「ん?」


ちらりとエメリア伍長の方を見ると、ポーチに弾薬と手榴弾を入れ、更に40mmグレネード弾を幾つもポーチに入れていく。

よく見てみると、Aimpoint(エイムポイント) COMP(コンプ) M2ダットサイトの載ったM4のアンダーバレルにはMk13 EGLMが装備されている。


グレネーダーかぁ……


特殊部隊の場合、火力支援は機関銃とグレネードランチャーに依存する。


エメリア伍長の働きに期待だな……と思いつつ、装備を整え続ける。


ヘルメットは全員がOPS(オプス)-CORE(コア)のACHだ。

レンジャー隊員はこのヘルメットを使用する。

更にバックパックには2日分の戦闘糧食(コンバットレーション)と水、AN/PVS-31双眼型暗視装置を入れる。


「皆準備は整ったか?」


「はい」「大丈夫です」「いつでも行けます!」


「よし、行くぞ」


「「「了解」」!」


それぞれ装備を持ち格納庫を出ると、外には車輌部隊が整列していた。


ブル中尉始めとする主力の隊も同時頃に準備が終わったらしく、車輌に続々と乗り込んでいく。

エドワーズは準備の段階で割り当てられたLAV-25A2に乗る事になっている。

25mm機関砲を搭載した偵察戦闘車のLAV-25には、6人の歩兵を乗せる事が出来る。

後部ハッチを開け、6人が乗り込む。

全員が乗ったのを確認してハッチを閉める。


82式指揮通信車に乗るブル中尉から出発の通信が入ると、車輌部隊は動き出した。


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