4章第1話 準備
あのテロ事件から2ヶ月後、正式にリドリス共和国への派兵が決定された。
それからはどの基地・駐屯地でも派遣する戦力を検討、それを師団や航空団に上申し、大統領含めた政府で決めていく。
「と、言うわけで、この基地からも派遣される隊員と機体が決まったので発表します」
ここはハートホード空軍基地、第202戦闘飛行隊のブリーフィングルームだ。
国内で2個飛行隊しか無いF-22を擁する戦闘飛行隊のうちの1つだ。
派遣隊といっても国防に穴を空ける訳にはいかないので、20機のうち4機が派遣される。
同じF-22が配備されるフィミニア空軍基地からも6機、合計10機がリドリス共和国に派遣される事になる。
「では、発表します。カノン、フリーダム、ブラン、フェネック。この4人には暫くリドリスへ行ってもらいます」
TACネームで発表された。
カノンは、先日戦傷で入院中のベクターの代わりに入ったアンナ・ミラー少佐だ。
「他にもこの基地からは226飛行隊のF-2が6機派遣される予定です。出発は来週、1000。任務期間は1ヶ月をよていしてる。向こうでもしっかりやってよ!」
「「「「了解」」」」
ざわざわと隊員達がブリーフィングルームを出て行く。
「あぁ~、関係各所に挨拶行かなきゃ」
「向こうでもしっかりやれよ!」
「わーってるって!」
「……こんな年末に戦争か……」
最後の隊員が全隊員を代弁する様に呟いた。
派遣される隊員に残る隊員が声を掛けて労ったり、励ましたりしている風景が見られ、平和だな、と思ったが彼らが派遣されるのは本物の戦場なのだ。
もしかしたら帰って来ないかもしれない、彼らの戦場_____空中で撃墜されたら遺体なぞ四散し原型を留めない。
勿論不安はある、だが、彼らはそうならない様に日々訓練を続けて来たのだ。
必ず帰って来る、そう信じて基地に残る隊員は派遣される隊員を送り出す。
___1週間後。
エプロンには4機のF-22と6機のF-2Aが駐機されていて、10人のパイロットと整備士達の出発式が行われていた。
主翼の下には増槽を取り付けてある。
所属基地のテールコードは"HH"だ。
基地司令から一通り労いの言葉を聞いた後、アヤナ中佐にバトンタッチする。
「諸君にとって、実戦は初めてでは無いだろう。だがいつ命を落とすかわからない、それが空だ。諸君らにはどうか全員、生きて帰ってきて欲しい」
「全員敬礼!」
ザッ!とパイロットと整備士達が敬礼し、飛行隊長が台を降りる。
「搭乗!」
パイロットが敬礼を解き、各搭乗機へと走る。
ラッタルを登り、コックピットへ。
フリーダム______ヒロキ中尉は隣に駐機してあるF-2Aへと視線を投げる。
F-2A、コールサイン"バイパー"の2番機、リョウ・ヒロサキ中尉と目が合い、リョウ中尉は右手で合図を送ってくる。
ヒロキ中尉は左手でサムズアップし、キャノピーを閉じた。
離陸後はウェイポイント・Aにて、別の航空部隊と合流する予定だ。
発進準備を整え、タキシング。滑走路の離陸位置に着く。
そのラプターを見送りながら、手を振る隊員達。
「どっかの大国みたいに、主力機の半分がF-22だったら楽なんだけどねぇ……」
アヤナ中佐は、手を振りながらそう呟く。
そして数十秒後、計10機のF-22とF-2Aは戦場へと飛び立っていった。
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『こちら空中管制機エターナル、この飛行隊の指揮を執る事になった、よろしく頼む』
『こちらミーティアリーダー、我々はこれよりエターナルの指揮下に入ります』
ミラー少佐が返信する。
そのうち、味方航空機が続々と集まってきた。
『各隊はこれよりエターナルの指揮下に入れ、オーバー』
『こちらバイパーリーダー、エターナルの指揮下に入る』
『サーベラスリーダー了解』
『トライデントリーダー了解』
『アトラスリーダー了解』
『コヨーテリーダー了解』
『ブリッツリーダー了解』
F-2Aだけでなく、SEAD任務用に改造されているF-2Jも集合する。
F-2JはF-2Aと違い、洋上迷彩でなく灰色の制空迷彩を施している。
コールサイン"コヨーテ"と"ブリッツ"がこのF-2Jを装備している。
更に後方からはF-15CJイーグルの群れが接近してきた。
数は20機程だ。
それに加え、F-15EJストライクイーグルも集結、F-15は合わせて34機だ。
『ウィザードリーダー了解、これよりエターナルの指揮下に入る』
『ドラゴンリーダー了解』
『スワローリーダー了解』
『ランサーリーダー了解』
『マスタングリーダー了解』
『こちらジャスティスリーダー。エターナル、俺たちも入るぜ』
『こちらライナリーダー、エターナルの指揮下に入ります』
『ブラストリーダー了解』
左翼側には12機のF-35Aが接近、編隊に加わる。
『こちらブルームーンリーダー、これよりエターナルの指揮下に入る』
『ライガー大尉⁉︎』
右翼側後方から6機のF-22Aラプターが接近し、編隊を組む。
フリーダムは無線を入れる。
『こちらミーティア02、まさかあのエーリッヒ・ハルトマンのお孫さんと一緒に戦えるとは、光栄です』
『よせよミーティア02、恥ずいだろ』
『俺の事忘れてんな?』
『バロン大尉も⁉︎』
『"も"ってなんだ、"も"って』
ブルームーン02、レオンハルト・バルクホルン大尉が苦笑する。
レオンハルト・バルクホルン大尉は、エーリッヒ・ハルトマンのウイングマンだったゲルハルト・バルクホルンの孫だ。
どちらも空軍内では超有名人で、空戦の腕も空軍内で1、2を争う程の腕の持ち主だ。
『他の部隊は?』
『海軍が地上部隊を乗せて出航したらしい、空軍の爆撃隊と攻撃機も後から来る』
『こちらエターナル、飛行後は各隊の指示通り、ガルシア島の空港に着陸しろ』
『『『了解』』』
合計84機のヨルジア空軍機は一路、リドリス共和国沖200km程の場所にあるガルシア島へと向かっていった。
次回の更新は、再来週4/15 18時です。
遅くなって大変申し訳ありません!
プライベートがいろいろ忙しく、執筆再開が遅れました……
「ミリヲタ」の方も人気ですが、主力を移す予定は今の所無いので、今後とも「別世界の現代戦」をよろしくお願いします!




