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1章第2話 異変

結構セリフが多いな……

===ヨルジア宇宙研究開発局 会議室===


「探査機との通信が途絶…更に落下コースを外れて落下し始めただと⁉︎」

研究局が開いた会議での事だった。

研究局長の発言で議場が騒然となる。

「ええ」と研究局長は続けた


「本日午前7時10分頃、惑星探査機"オメガ"からの光通信が突如途絶、予想落下コースを大幅に外れ、降下を始めました」

「落下予想地点は⁉︎」軍の統括幕僚長が研究局長へ聞く。


「落下予想ポイントは、グルーバキア領土内と思われます、先程解析結果が出ました。」

「それは本当か⁉︎」「大丈夫なのか⁉︎」


「現状、このまま落下すればグルーバキアの領土内へ墜落します、落下予想ポイントは山の麓ですが、周囲に村が幾つかあるため、人的被害も考えられます。」

「落下予想時刻は⁉︎」

「9月3日、午前2時30分です。それで、回収の方なんですが、我々JSRDSで回収チームを組み、回収に向かわせようと思います。」


JSRDSとはJorjia Space Research Development Station、ヨルジア宇宙研究開発局の略称である。


「しかし、グルーバキアは最近、海洋資源や領空侵犯などの問題で揉めています、多少なりとも危険が伴うのでは…」発言は統括幕僚長

「我々で回収するのが良いと思われますが。」

「今グルーバキアに我が軍を入れれば反発も当然あるでしょう。」


「大使館を通して書類を送ろう。」


「それでは-----」「ならば-----」「では-----」


===========================


「結局、大統領がグルーバキアへ直接赴いて向こうの大統領と会談して軍艦と航空機を投入する許可貰って、軍と局とで合同で回収することになったみたい」


時間と場所を移して、翌日のハートホード空軍基地、第202戦闘飛行隊と第226戦闘飛行隊が拠点とする基地だ。


話しているのはカナデとユキノ、アヤカである、この3人は航空学生で同期だったこともあり、異動後直ぐに馴染んだ。


「回収作戦はいつ頃になるだろうね」

アヤカが話しかけ、カナデが返す。

「落下確認次第始めるみたいよ?この間聞いたけど。」

「政府専用機護衛作戦は〜?ああいうのってウチらの役目じゃないの?」

とユキノが話に割り込む。

「政府専用機所属する輸送飛行隊がイザナギ基地にいるから融通効かせたんじゃない?ほら、203飛行隊居るでしょ?」

「そーだけどさぁ」

ユキノは納得いかない様子


「ホントよねー」と上から声が掛かった、顔を上げようとすると頭に重みが加わる。誰かがユキノの頭に顎を乗せた様だ。


「ちょっと、誰よー」

「あたしだあたし」

頭に掛かる重みが無くなったと思ったら声の主は今度は肩に顎を乗せる、振り向くとアヤナ・イセガワ中佐だ。


アヤナは第202飛行隊隊長、"空軍の歌姫"の異名を持つ美声の持ち主でもある。

「ウチの隊からも護衛出す申請したのに、上層部のヤツら承諾しなかったのよー」

全く頭の堅い…とアヤナがボヤく。


余談だが、この飛行隊は空軍の中では女性率が断トツに高い、パイロット含めた約半分は女性で構成されている為、そういった設備も空軍イチ整っている。


窓をビリビリと震わせる轟音、見ると訓練に上がるF-2Aが離陸する所だった。

「何事もなければ良いけど…」カナデが呟く

「どういう事?」とアヤカが反応する。

「いや…あの落下地点辺り?どうもテロ組織の根城らしいのよ」

「は⁉︎」一斉に驚く。

カナデの説明は続く。

「ドラグーン系の過激派組織が、あの辺を拠点に活動してるらしいって言う話を聞いたことがあってね。上層部でもそういう話無かった?」

「いや……けど、その話のソースは?」

アヤナがカナデに聞く。

「ヒロキが色々情報持って来るの、でも…」と言った瞬間、アヤナは談話室を飛び出していた。

数秒間、沈黙したままアヤナが飛び出して行った出入り口を見つめる3人

「……それで、ソースは?」今度はアヤカがカナデに質問する。

「ヒロキが言ってたけど、ネットの拾い話だって。」と言った瞬間、なんだぁ〜と2人は安堵した様に見えた、が。

「……でも、信憑性はかなり高いと思うよ」とカナデが付け加えた。

えっ⁉︎と再び2人が目を剥く。

見て、とカナデがスマートフォンを取り出し画像を表示、2人は覗き込む。

「これ、ネットにUPされてた画像をヒロキが教えてくれた奴だけど、ドラグーンが活動している地域の予想図」そして、と一息置き「これが先月までに起きたテロ行為、武器が使われたポイントの範囲、あとこれは独自に調べたんだけど、破壊活動系事件の一覧と時刻、それと探査機の墜落予想地点、ピッタリ一致する。」

1枚目と2枚目、3枚目に表示した座標が一致、つまり、テロ組織のど真ん中に自国の探査機が落ちる訳だ。

これで"噂話"は"実話"へと変わる。

「これは……」ユキノが言葉を失う。


「対テロ戦争、起こるかもね」


===========================


「ヒロキ中尉ぃーー!」

ハンガー(格納庫)でF-22のコックピットに座ってパネルを弄り調整しているヒロキを見つけてアヤナ中佐は駆け寄る


「はい?何でしょう?」

「ちょっとあの話どういう事⁉︎何で先に報告しないの⁉︎」

声優の様な美声で問い詰めるアヤナ

「待って待って、どの話ですか?」


アヤナはタラップによじ登り、コックピットの枠に肘を掛ける。

「テロの話よっ!」

ああ、とヒロキは納得した様な顔をする。


「どうもこうも、ネットの拾い話なんて上層部の誰が信じるんですか、調べた結果それが信憑性の高い話だとしても上層部は『ネットの軍事オタが喚いてる』としか判断しないでしょうよ」

アヤナはぐっ…と言葉に詰まる。


「うっ…それは、そうだけど、テロの危険性なんて黙認出来ないでしょう!」

あー、また面倒な会議が増える…とボヤくアヤナ


「まぁまぁ頑張って下さいよ中佐」

「うう…面倒臭い…」

アヤナはトボトボとハンガーを出て行った。


===========================


結果としてテロ組織の脅威は認められ、派遣隊の見直しが決定された。


計画当初は輸送艦"しんとう"、護衛のイージス艦"カプリコン"と駆逐艦"あかつき"、航空機は"しんとう"にMV-22Bが2機とCH-53Kが1機、それからグルーバキア国内の飛行場へ空軍の捜索機U-125A、人員は研究員のみを派遣し護衛はグルーバキア陸軍に委託する予定だったが、大幅に変更。編成は以下の通り。


艦艇

多目的ヘリ揚陸駆逐艦×1

(LPDDH-201 やくも)

イージス艦×2

(CG-142 ノア、DDG-189 いなば)

駆逐艦×1

(DD-151 あかつき)

人員は研究員に加え海軍管轄の海兵隊を護衛につける、勿論武装は最小限の自衛と援護のみに留めた。


航空機はLPDDHへの艦載機としてCH-53K輸送ヘリが1機、MV-22B輸送機が2機、護衛のAV-8BJ+ハリアーⅡV/STOL攻撃機の2機が許可された。対潜ヘリとしてSH-60Kが各艦に装備されているのは言うまでもない。


この再編成には少々問題はあったが(具体的に言えば向こうの防衛大臣が渋い顔をする程度)、何度かの交渉の末、許可が下りた。


空軍機は今回、基地や飛行場への破壊活動を懸念して派遣されず、捜索は機材を搭載したMV-22Bで行われる事になった。オペレーション・ロストプラネットと名付けられた作戦は9月25日、決行される。

艦の名前だけ出せました。

LPDDHは自分のオリジナル艦で

LP(揚陸艦)+DDH(ヘリコプター駆逐艦)みたいな感じです。

尚、登場する艦艇の詳細と近いうちにUPするつもりです。


次回から戦闘になるかも。

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