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3章第9話 襲撃事件②

ヨルジア、ケルゼル空軍基地


ノーリッジ地方のケルゼル空軍基地では、ケノランド空軍基地の救出作戦の為に空挺部隊が召集されていた。

各々がエプロンの片隅のテントの下で出撃準備をしている。


中央のテントでは各部隊の部隊長が集められ、作戦の説明がされていた。


まず1940(ヒトキューヨンマル)時、空挺部隊を乗せたC-130 2機がこの基地を離陸する。


目的地上空への到着時間は2030(フタマルサンマル)時。周辺の森に空挺部隊がHALO(ヘイロー)降下する。

降下した部隊は基地から逃げ出す襲撃者の退路を塞ぐ様に待機する。


スタンバイが完了したら、最寄りの陸軍駐屯地から車輌部隊が出撃、基地の入り口から警備隊と共同で襲撃者を追い込んでいく。

森へ逃走した襲撃者は空挺部隊が迎撃する。


部隊と捕縛した捕虜の回収は陸軍のCH-47(ヘリ)で行う。


以上が今回の作戦の概要だ。


「何か質問はあるか?」

作戦テントの中で本部の部隊長が発言する。

「襲撃者の規模は?」

集合している部隊長の1人が質問。

「トラック、ジープ、ピックアップトラックが各3台ずつ、襲撃者の総数は約150人だそうだ。武装も結構強力だぞ」

本部の部隊長が質問に返答し、質問した部隊長が納得した様な顔で頷く。


「他に質問は?……無いなら解散、出撃準備に備え準備しろ」

了解、と一斉に部隊長達が解散する。


装具テント内では、隊員達が装備を整えていた。

HALO(ヘイロー)降下用の装備を身につけ、戦闘服(BDU)はマルチカム、J(ジャンパブル)P(プレート)C(キャリア)に多数のSTANAGマガジンが入っている。


隊員の持っている銃はFN SCAR-L(ライト)Mk16。5.56×45mmNATO弾を使用するモデルだ。

レイルシステムは様々なアクセサリーでカスタムされている。


他にも、分隊支援火器のガンナーはM249MINIMIpara、機関銃手はMk48、選抜狙撃手(マークスマン)はスコープをマウントしたSCAR-H Mk20を持ち、出撃待ち状態だ。


照準器を調整している隊員もいれば、コーヒーを飲んでくつろいでいる隊員もいる。


そんな出撃前のひと時だった。


===========================


ケノランド、サヘル駐屯地


「車両部隊の申請は?」


「ケノランドとケルゼルから来てます、受理も終えたので後は装備を整えて出撃するだけです」


ケノランド空軍基地から最も近いサヘル駐屯地では、車両部隊の準備が行われていた。


「よし、では適切な装備を抽出して集合せよ!」


了解、と命令を受けた隊員が各部署に走る。


==========1時間後===========


「車両部隊、準備が完了しました!」


準備が完了、出撃部隊の隊長が駐屯地司令の前で敬礼する。

編成は

96式装輪装甲車 4両

87式偵察警戒車 4両

01式対戦車戦闘車 2両

M1043 HMMWV(ハンヴィー) 6両

82式指揮通信車 2両だ。


車両部隊とそれに登場する歩兵部隊は、作戦開始時刻までの待機を命じられた。



==========19:30============

ヨルジア ケルゼル空軍基地


「搭乗!」

100人以上の空挺部隊がC-130に搭乗を開始した。

隊員達は降下用の酸素マスクをヘルメットからぶら下げ、火器を専用ケースに入れてパラシュートと共に背負っている。


ガチャガチャと装備同士がぶつかり合う音がする中、隊員全員が機内に用意されたシートに着く。


全員の搭乗が完了すると、C-130のカーゴハッチが閉じる。


管制塔の指示に従って誘導路を進み、離陸位置に着いた。

「こちらケルゼル・タワー、離陸を許可する。Wind(風は)2-6-0(260度)at(から)2(2ノット)Good Luck(成功を祈る)

「サンキュー、タワー」

パイロットはスロットルを押し、2機のC-130は離陸した。


===========================


未だ銃撃戦が続くケノランド基地では、負傷者の増加と共に戦闘員の不足も出始めていた。

こうした銃撃戦に慣れていない者が多数いる為と、最初の攻撃で約半数の警備隊員を失った事、負傷者の手当に数人が回される事になり、かなり戦闘力も削られている。


「くそッ!増援はまだか⁉︎」


『ケルゼル空軍基地をC-130が離陸した、そこへの到着(E)予定(T)時刻(A)2030(フタマルサンマル)


タキヤは腕時計を見る、現在時刻は2020……あと10分か……!


建物の影から飛び出してくる敵兵を射殺しつつ、増援を待った


そして………


===========================


2030


暗闇に溶け込む様に飛行するC-130輸送機2機が、ケノランド上空へ到着した。


「ヘルメットを着用せよ!」

空挺部隊員が注目する降下指揮者(ジャンプマスター)が両腕を広げ、ヘルメット着用のハンドサインをする。


シートに座っている空挺部隊員が、その合図を見てヘルメットを着用する。


機内はゴウゴウと騒音が響き、各種装具を取り付けた状態では声が聞こえにくい為、確実に指示が伝達されるようにジェスチャーによる合図が行われる。


「酸素マスクを着用せよ!」

右手の親指を頬に添え、酸素マスク着用の仕草をする。

隊員達が酸素マスクを着用すると、風速を伝える。


「酸素をチェックしろ!」

右手()サムズアップし(親指を立て)顔の近くから真っ直ぐに伸ばす。

高高度(H)降下(A)低高度(L)開傘(O)降下は高度10000mからの降下の為、酸素マスク無しでは与圧されたハッチを開けた瞬間高山病、最悪の場合その場で窒息死する危険性がある。

当然の事ながら、酸素マスク着用後は高度に合わせて機内の気圧を調整する。


受け皿の様に出した手を左右に振り、4本指を立てる。

次に右手を左肩から右斜め下に振り下ろし、右手を広げ左手の指を2本立てる。


これは「風速4kt(ノット)、7kt(ノット)の突風あり」というサインだ。


空挺降下は降下時の風速に降下地点が左右される他、開傘時に突風が吹いたら体勢が崩れ、安全に降下出来ない可能性もある。


ジャンプマスターの次のサインは横を向き、握った左手を腰から真っ直ぐ前に出す。


自動(A)開傘(R)装置(R)をチェックせよ。というサインだ。


空挺降下は基本的に、フリーフォールか予備のパラシュートでもなければ開傘高度で自動的にパラシュートを開く様になっている。

その為、自動(A)開傘(R)装置(R)のチェックは必須だ。


今度はシートベルトを外す仕草をし、手を下から上へ持っていく。


「シートベルトを外せ」「立て」の合図だ。


水平になっている手を頭の方へ持って行き、後部ランプへ移動しろ、と合図する。


隊員達が席を立ち、後部ランプ前へ集合する。

ロードマスターが壁際のスイッチを押すと、後部のカーゴハッチが開き、夜空が見えてくる。


「全員、降下用意!」

ジャンプマスターからの無線が耳元から聞こえてくる。


「降下!降下!降下!」

ジャンプマスターが外を指し、隊員達はハッチから夜空へと飛び出した。


===========================


風を裂き、高高度から落下していく。


高度計を見ると、既に4000m、1桁の数字が目まぐるしく変わっていく。

100m降下するのに10秒と掛からない。


3000……2000……1000…500。


高度計が500mを指すと、ピープ音が鳴り出す。

連続音の間隔が狭くなっていく。


ピーピーピーピーピ、ピ、ピ、ピピピピ


バサッ!


自動(A)開傘(R)装置(R)によってパラシュートが開いた。


真下を見ると、森が広がっている。

木が引っかからない場所に着地、受け身を取って足への負担を減らす。


周りでは仲間も同じ様に着地している。

総勢100人を超える空挺隊員は、1人も欠ける事なく着地に成功した。


その後、空挺隊員達は所定の位置に着き、時間を待つ。

位置的には国立ケノランド自然保護区内、ケノランド空軍基地側だ。


J(ジュリエット)1-1(ワンワン)、位置に着いた』


J(ジュリエット)1-2(ワンツー)、位置に着いた』


『こちらJ(ジュリエット)1-3(ワンスリー)、位置に着いた』


『了解、HQ(本部)、こちらJ(ジュリエット)6-4(シックスフォー)、空挺部隊全ユニットは位置に着いた』


『了解、これより正門から突入、襲撃者を掃討する』


空挺部隊、車両部隊が位置に着き、ケノランド空軍基地の救出作戦が始まった。

次回の更新は2/26 18時です!

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