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1章第1話 始まり

本文です。

『3……2……1……0』


『今、ヨルジア初の惑星探査機が打ち上げられました!ヨルジアの宇宙開発史に新たな1ページが刻まれた瞬間です!』


キース島衛星発射場、ロケットL-2に搭載された無人惑星探査機"オメガ"は片道6年をかけ、発見された惑星"X-J1"へ向かう。

そのロケットを打ち上げる様子を、ある少年は空を見上げながら、ある少女はテレビの中継で見ていた。




12年後、3月10日




ヨルジア連邦共和国のケノランドにある空軍基地、ケノランド基地。

戦闘機の飛行隊を3つ抱える基地だ。

「衛星が帰ってくるな」と、この基地の司令、カズマサ・エンドウ。夏の終わり頃の"オメガ"の帰還を今からでも楽しみな様子で窓の外の空を見上げた。手に持っているのは辞令だ。

司令室のドアがノックされる。

「入れ」

呼び出したのは5人だったな…

「失礼します」と男の声、

2人目の声も男、

3人目、今度は女の声、

次も女の声、

最後は男の声だった。


「うむ、出頭ご苦労、早速本題に入ろう。」

辞令はこういった物だった。

「ヒロキ・カザカミ中尉、タケル・ニノミヤ中尉、カナデ・ミサワ大尉、リサ・アラカワ中尉、ケンジ・ナカモト中尉。貴官らを3月12日を以って第205戦闘飛行隊への配属を命ずる。3月10日、ケノランド空軍基地司令、カズマサ・エンドウ」

驚いた様に一瞬空気が静まる。しかし

「ヒロキ・カザカミ中尉」

「タケル・ニノミヤ中尉」

「カナデ・ミサワ大尉」

「リサ・アラカワ中尉」

「ケンジ・ナカモト中尉」

一斉に敬礼をし、「拝命します!」

「うむ、異動までの猶予は2ヶ月ほど受けている、向こうでも頑張ってくれ。」

「は!」


4月2日


「3月1日を以って貴官らの第205戦闘飛行隊への配属を命ずる。4月2日、リース空軍基地、司令、ヒデノリ・ツカモト」

ツカモトは辞令を読み上げた。

「ケン・クリサワ中尉」

「フミヤ・ヤナセ中尉」

「トモキ・ナガセ中尉」

「ツバサ・ナルミ少尉」

「ユキノ・サガワ大尉」

「拝命します!」一斉に敬礼

ツカモトはニコリと笑い、言う。

「これから2ヶ月間、異動に猶予を持たされた、その間に機種転換訓練を済ませるよう」

「了解しました!」


4月26日


「以上6名を6月30日を持って、第205戦闘飛行隊への配属を命ずる。ケルゼル空軍基地司令、ケンイチ・マツモト」

「レイカ・クシモト中尉」

「レイ・ホシナ少尉」

「アレックス・オルコット中尉」

「アヤカ・シノ大尉」

辞令へ一斉に敬礼する。

「拝命します!」

「異動までの猶予は2ヶ月ある、機種転換訓練はその間に済ませる事、それから滅多に無い休暇だ、訓練の間はしっかり休みなさい」

「はっ!」


5月22日


基地司令が4人の名前を読み上げる。

「7月15日を以って、貴官ら4名を、第205戦闘飛行隊への配属を命ずる。イザナギ空軍基地司令、フソウ・カワハラ」

「トウヤ・カタザワ少尉」

「タイガ・フジタ少尉」

「サクラ・キムラ中尉」

「カズヒロ・タニガワ少尉」

4人が名前を復唱し、

「拝命します!」

「機種が変わるから機種転換訓練を受けること、異動まで2ヶ月あるからその間に済ませなさい。転属先の飛行隊にもう異動の第一陣は飛行隊内の訓練を終えたからそこでも慣れる様に」

「はい!」


異動の時期では無いのに辞令が出たのは、第205戦闘飛行隊が新設されたからだ。


第205戦闘飛行隊はヨルジアで始めてF-22Aが導入された飛行隊、F-22に不足する対地/対水上戦闘能力を補うためにF-2Aを擁する飛行隊である第226飛行隊が同基地に配備され、こちらの飛行隊にも辞令が下っている。

新設飛行隊の教導はライト空軍基地に所在するアグレッサーこと飛行教導隊が担任することになっている。

全ての訓練が終わり、配属された隊員が馴染み始めた8月30日の事だった

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