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母たち
それはまるで野獣の襲撃だった。数で圧倒するネコミミは瞬く間に男たちを牙と爪で引き裂いた。わたしと波はトラックの影でお互いを抱きしめ合いながら呆然とそれを見ていた。男たちを全て仕留め終わるとネコミミの群れはわたしたちの周りを回り出した。少しずつ輪は小さくなり彼女らは近づいてくる。その時が来るのを待つ以外に波とわたしに出来ることはなかった。だがなぜかわたしは妙に落ち着いてた。腿からの出血のせいで意識を失いかけているのかもしれない。
「ごめんね、波。結局護ってあげられなかった」
「ううん」
波は不思議と穏やかな表情で首を振った。
「怖く、ないの?」
「うん。この人たち、やさしい」
「え?」
群れの中のひとりが輪を外れ、こちらにゆっくりと近づいてきた。そして波へと鼻先を寄せる。
「あっ」
ネコミミは波のほおをいとおしげに舐めた。ネコミミの群れはそれをきっかけに次々と波に触れようと輪を崩した。
「こんなことって……」
その光景は、群れの子を護るメスライオンそのものだった。
「ああ……」
わたしは知らず嗚咽していた。
「優作……」
天を仰いだほおに涙が伝った。




