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死ぬ前に10分だけ過去に戻れるならどの過去に戻りますか?  作者: SUgaR


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1/1

死ぬ前に10分だけ過去に戻れるなら・・・

 あなたは死ぬ前に10分だけ過去に戻れるならいつに戻りますか?


 幼少期の頃?大好きな恋人と過ごした過去?子供が生まれた過去?両親が元気だった過去?大切なペットと過ごした過去?


 死ぬ前に10分だけ過去に戻れるなら一番幸せだったころに戻ってもう一度幸せを噛み締めてから死にたい。と私は思います。

 もし私は今死んでしまいそうになって10分だけ過去に戻れるなら・・・と考えると戻ってみたい過去がたくさんあります。よければお付き合いください。


 まずは、私が生まれた時から家族だった猫のミーをもう一度抱っこしてたくさん撫でて「ありがとう」って伝えたい。


 ミーは元々野良猫で家の庭で怪我しているところを私の母が保護して飼いだしたそうです。

 動物好きだった祖父はミーを飼うことに賛成したけど、動物嫌い(毛が抜ける、家の中が汚れるから)の祖母は反対だったそうです。しかし亭主関白だった祖父に逆らうことができなかったので仕方なく飼うことを許したそうです。

 猫と言えば、気分屋で言うことを聞かない、躾ができない。というイメージだったうちの家族でしたが、

 ミーはかなりお利口だったらしく、トイレは必ず外、爪とぎは家の壁や柱で絶対しなかったそうです。

 遠くにいても名前を呼べば返事をして走ってくるくらい賢い猫でした。

 私が生まれた時も赤ちゃんだった私にちょっかいやイタズラなんてせず、私のことを妹とでも思っていたのか側にずっといて見守っていたそうです。

 私の記憶に残ってるミーは幼稚園くらいの時からあります。

 幼稚園から帰るとミーは家の中のどこかで寝ていました。私は寝ているミーを家の中から探し出すというのが幼稚園から帰って一番にする日課でした。

 春・夏は涼しい祖父母の部屋のベッドで寝てる、秋・冬は居間の陽が当たってる窓辺で座布団の上、もしくはこたつの中か脱衣所の陽が当たってる窓辺のバスタオルの上。でよく寝ていました。

 私はミーを見つけては子供ながらの強引さで寝ているミーを抱っこして「ミー!帰ったよー!!!おかえりは!?」と力強く抱きしめてたのを覚えています。その時のミーの顔はどんなのか覚えてないけど、多分急に起こされて強く抱きしめられるなんて絶対に迷惑だろうから嫌な顔してたのかな。とか思います。


 私が悪さをすれば親に怒られて泣くこともよくありました。

 私が泣けばどんなに遠くにいてもミーは走って私のところへやってきて私の涙を舐めて涙を拭いてくれました。

 そして怒っている親に向かって牙を向くこともよくありました。今思えばやはり私のことを妹と思っていたようです。

 私に姉のようなことをしても祖父の前では赤ちゃんに戻るみたいで、祖父に抱っこされては喉を鳴らしながら祖父のお腹らへんでいつも踏み踏みしていました。

 でもその甘えは私にはしてこなかったので祖父のことをいつも「ずるい」と思っていました。

 朝早く起きる祖父は必ず土間で毎朝ミーのブラッシングをしていました。

 ブラッシングされているミーの顔はとても幸せそうな顔をしていたのを覚えています。


 私は可愛いミーとずっと一緒に過ごせるものと思っていました。

 小学生になった私はもう先が長くないとわかるくらいにミーは年をとって弱っていきました。

 元気に走り回っていたミーはコタツの中から出てこなくなりました。

 ご飯もトイレもコタツの中でするようになりました。

 ご飯も日に日に食べる量が減っていき、名前を呼んでも返事することもなくなりました。

 それでも私は学校から帰ると一番最初にミーがいるコタツの中に潜り、ミーを撫でました。

 痩せ細ったミーは私が撫でると顔を上げて消えそうな声で「おかえり」と言っているかのように「ミャー」と返事をしてくれました。

 ミーが一日の中で声を出すのはその一回だけでした。


 ある休日、私は朝から祖母と祖母の兄と出かけることになりました。

 朝起きて出かける準備をしながらふと今の窓から外を見ると、ミーが外で座っていました。

 コタツから出れないくらい弱っていたミーがどうして外にいるんだろう。と思い、私はミーを抱っこしてコタツの中に戻しました。

「ここで寝んねしててね。」といいミーを撫でてから出かけました。


 昼過ぎに帰り、コタツの中に潜るとミーがいませんでした。

 私は嫌な予感がしました。


 猫は死ぬ姿を飼い主に見せない。ということをどこかで聞いたからです。


 私は半べそかきながら外を探し回りました。

 家の隣にミーとよく外で遊んでいた仲のいい猫がうちの畑にいたので、その猫に近づくと

 たまたまなのでしょうか、その猫は涙を流していました。

 私は泣きながら「ねぇ、ミー知らない?」と聞くとその猫は「ミャー」と言って走っていきました。

 半べそどころか大泣きしながら「ミー!!」と名前を呼びながら探しました。


 名前を呼べば返事をしながら走ってやってきてたミーの姿を思い浮かべながら、今日もきっと返事してくれる。と思いながら一生懸命名前を呼びました。でも返事はなかった。


 いつも祖父が畑仕事をしていた場所で横たわっているミーを見つけました。

 名前を呼びながら触るとミーはもう死んでいたのがわかりました。


 その日のうちに埋葬をして、ミーが好きだったキャットフードと鰹節を供えました。


 最期くらい、「ありがとう」って言いながら抱っこして撫でたかった。

 あの日出かけなかったらミーに感謝を言えたのに。と今でも私の中で後悔は残っています。


 だから、もし、死ぬ前に10分だけ過去に戻れるならミーを抱っこして撫でながら太陽のような匂いを嗅ぎながらミーに「ありがとう」ってたくさん感謝を伝えたいです。


 他にも10分だけ戻りたい過去はたくさんあるのでまた続編を書きます。

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