漫才『相方はどこ?』
ツッコミ&ボケ(?)『どうも~』
(舞台の両サイドから二人同時に出てくる)
ボケ(?)「いや~最近やっと暖かくなってきましたね~」
ツッコミ「…え?お、おう」
ボケ(?)「暖かくなってきたから僕は最近パンイチで過ごしてますね」
ツッコミ「…へ~そうなんすか」
ボケ(?)「でも、パンイチで外を歩くにはまだちょっと寒さと勇気が必要ですね」
ツッコミ「ん~?!いや、パンイチで外に出るのは普通に犯罪でタイホされるやつ!そんなところで勇気を無駄遣いすんな!」
ボケ(?)「いや?僕の住んでる地域では、冬以外はパンイチは当たり前だから。全裸の人だって普通にいるよ」
ツッコミ「いや、それ日本の話?!お前の地域いったい法律とかどうなってんだよ!」
ボケ(?)「…法律?そんなもので僕らの自由が縛られてたまるか!!!」
ツッコミ「いや、急に怒鳴んなよ!知らんし!」
ボケ(?)「そんなどこの誰が作ったか分からないものに縛られる人生なんて、僕はまっぴらごめんなんだよ!!」
ツッコミ「ん~…いやまあ確かにねぇ、たまに納得いかない法律とかあるけど」
ボケ(?)「だろ?だからお前もここで全裸になれよ!」
ツッコミ「いや、意味分からんわ!何で俺が今ここで全裸にならないといけないんだよ!」
ボケ(?)「一気に有名人になれるぜ~?」
ツッコミ「そんな最悪な有名人になりたくないわ!」
ボケ(?)「法律をぶっ壊すんだろ?!今がそのチャンスだろ!!」
ツッコミ「誰も法律をぶっ壊すなんて一言も言ってねーだろ!!」
ボケ(?)「つうかさぁ!」
ツッコミ「なんだよ!」
ボケ(?)「さっきから気になってたけど、お前誰だよ!?」
ツッコミ「あぁーんたがそれ言うかっ!!それはこっちのセリフだわっ!!あんた誰なんだよ!?相方をどこにやった!?」
ボケ(?)「…お前、なかなかやるな。僕がお前の相方じゃないっていつ気づいたんだ?」
ツッコミ「いや、今あんたから言ったよな?てか、最初から気づいてたわ。つか、向かいの舞台袖に相方がいなくて、そのかわりにあんたが俺のことめちゃくちゃ見つめてるから不安と恐怖しかなかったわ!」
ボケ(?)「そして出番が回ってきたかと思ったら、赤の他人の僕がまるで君の相方のように来て、漫才をやりはじめたもんだから地獄だったと…フハッ、ウケルゥ↑↑↑」
ツッコミ「うっさいわ!!てか、俺の相方をどこにやった?!」
ボケ(?)「ふっふっふ…知りたいかい?君の相方の居場所を」
ツッコミ「ま、まさか…どこかに監禁してるとか…」
ボケ(?)「僕もどこにいるか知らん!!」
ツッコミ「知らんのかい!!てか、結局あんたは誰なんだよ!!」
(本物のボケ担当登場)
ボケ「いや~ごめんごめん!待ったぁ?」
ツッコミ「デートの待ち合わせに来た恋人のセリフか!!じゃなくて、お前どこいってたんだよ?」
ボケ「いや~、めちゃくちゃ緊張してたから緊張を解すために全裸になって楽屋の廊下を歩いていたら、通報されちゃって…」
ツッコミ「何やってんだよ!!てか、何で緊張を解す方法が全裸なんだよ!!」
ボケ「よく言うだろ?『緊張したら全裸になれ』って」
ツッコミ「きいたことねーわ、そんなこと!!それより、ここにいるってことは、お前許してもらったのか」
ボケ「そうだよ」
ツッコミ「よくそんなすぐに許してもらったな。何て言ったんだ?」
ボケ「○○○っていうコンビ名でやってる○○(ツッコミの名前)って言うものですが…」
ツッコミ「いや、何で俺の名前を言うんだよ!!何勝手に罪なすりつけようしてるんだよ!!」
ボケ「それで…」
ツッコミ「スルーかよ!で、他に何て言ったんだ?」
ボケ「○○(ツッコミの名前)の俺は、漫才中に全裸になるのが売りなんですよって言ったら、『なるほどね。まあ、舞台以外ではすっぽんぽんになっちゃだめだよ』って言って、お巡りさんは許してくれたよ」
ツッコミ「お前…絶対いざとなったら俺に罪を全部なすりつけようとしてるだろ!てか、お巡りさん!舞台の上でもすっぽんぽんはアウトでしょうが!」
ボケ(?)「ねえねえねえ!僕の存在ほったらかさないでよ!何か寂しいじゃん!」
ツッコミ「あんたまだいたのかよ!そうそう、コイツお前の知り合い?お前のかわりに俺と漫才しようとしてたけど」
ボケ「ん?……!?お、お前は!俺の────……!!」
ツッコミ「だっ、誰だよ……?」
ボケ「………………しらん。誰だ?」
ボケ(?)「いや、知らねーのかよ!!もういいわ!!」
ボケ(?)&ボケ&ツッコミ『どうも、ありがとうございました!』
ツッコミ「───じゃなくて!何さりげなく俺のセリフ取ってんだよ!てか、ほんとあんた誰なんだよおおおおおおおお!!!!」