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ゲーム 3 終


周囲からモンスターを一掃すると足場にしている怪物は大きく身じろぎ背中の三人を振り落とす。


「ぎゃぁ!」


空中で勝手に背中の羽根が開き緩やかに着地をする三人。

巨体を見た位置から大きく移動しており、見慣れない尖った岩がゴロゴロとしている場所。

ダンテとルールーがべとべとの体液を振り払っていると遅れてエクレアが走ってくる。


「何かしたのか動きが止まったな」

「一気にダメージを与えよう、エクレアは口元へといって」


「我はこのでかいのの正面に回れと!?」

「頼むよ、杖を持つエクレアにしかできない仕事だ。私たちの状態異常が解けるまででいいから戦って」


断るに断れず嫌な顔をしながら走っていくエクレア。

巨体が口を開くと中からぶよぶよとした虫のようなモンスターがわらわらと出てくる。

麻痺を受け逃げるに逃げられず虫たちに集られるエクレアの悲鳴と広範囲魔法の爆音を聞きラオが剣を構えて走り出す。


「麻痺も解けたし行くよ! エクレアちゃんが犠牲になっているうちに」

「よくもエクレアを、鬼、悪魔、先輩!」

「あたしらはあぶれたやつを排除すればいいのか」


這い出てきた昆虫を倒すと、さらに口の奥から増援のモンスターと足が増えた長い虫が出てくる。

それを見たルールーが剣を納めて逃げ出した。


「いつか見た、ゲジゲジ!!」

「どこいくの~、敵前逃亡は……まぁいいか。というか、あたしに合わせて戦ってくれるんじゃなかったの、ルールー!」


ダンテが呼び止めるがルールーは逃げて行き、仕方なくラオとともにモンスターと戦う。

べとべとしたエクレアが泣きじゃくり、べとべとしたラオが宥める。

消えていく巨体と転がる昆虫らを見てダンテはポケットに手を入れ、べとべとの塊となったラオに尋ねた。


「一人は逃亡、一人は戦闘意欲の消失、二人でクリアしちゃったけどこのクエスト、負けるのではなかったんですか先輩?」

「すっかりその呼び名が定着したな、もしかしたら私の方が年下かもしれないのに。負けるって言っておけばルールーはとりあえず全力で戦ってくれるからと思っていたけど、まさか逃げるとは思わなかった」


「勝てたね」

「そうだね、びっくり。普通なら数に押されて負けるはずだったんだけど、ダンテちゃんが強くて助かった、やっぱ装飾品の厳選はクエストが楽に進むね」


「麻痺で回避できなくて手こずったけどね、広範囲魔法が強い」

「雑魚敵一掃にはやっぱり魔法だよね、長期戦になってくると不利ってのもあるけど普通のクエストならまだまだいける」


べとべとの昆虫の体液を払いながらラオはダンテの質問にこたえる。


「ルールーとはリア友? ほんとに先輩?」

「一応はね。嫌いなものは嫌いではっきりしているけど、好きなものは難しくても頑張れるすごくいい子。部活もすごくがんばってた」


「ルールー学生なんだ、で過去形?」

「運動系の部活だったんだけど、体の成長で難しくなったっていうのかな。で、部活をやめて、暇してたから誘った。気に入ってくれてよかったよ」


「怪我でも、病気?」

「いいや体の成長、本人に聞くと嫌がるからやめてあげてね。内緒話」


ラオとエクレアを置いてダンテはルールーの逃げていった方に歩き出す。


戦闘に戻ってくることはないルールーは戦場から遠く離れた場所で横になり雲を眺めていた。

そこへボロボロになったダンテが探しに来る。


「あはは、逃亡者見っけた。先輩が探してくれってさ」

「クエストは終わったの?」


「終わったよ、ドロップアイテムは消えてないから戻って回収しちゃって。大丈夫、虫嫌いなの?」

「うん……すごい嫌い」


大の字になって寝そべるルールーを見下ろすダンテ。


「中の人変わった?」

「私は私」


一時的に雲が晴れ日光がさすと丘の斜面の尖った岩に擬態した逆さにしたお椀のような殻の中から、桃色の薄い膜のようなものが出てきて傘のように開く。

岩肌がむき出しだった斜面は一気にピンク色の世界に変わった。


「お花畑みたいだね」

「花っていうけど、なんかあれ粘液っぽいのでてらてらしてるし何かグロくない? 血管みたいの見えてるし、こういうのは大丈夫なの?」


「遠くから見る分には」

「あれ肉食だよね、ペロッと喰われる奴だ」


地面に寝そべって流れる蜘蛛を見ていたルールーは起き上がり、見下ろしていたダンテに向かい合う。


「どうした? あたしと戦う? こんな状態でも一対一ならお相子くらいにはなると思うよ」

「もう戦うのは疲れた、休憩しようよ。私はルールー、よろしくねダンテ」


「自己紹介? あたししなかったっけ?」

「あれは始めましての挨拶。これは、友達としての挨拶」


「……そう、友達としての」

「これからもよろしく、ダンテ」


「ああ……うん。よろしく」

「私逃げちゃったけど、楽しかった?」


「え?」

「イベントで戦う時つまらないって言っていたから」


笑顔で手を差し出すルールー。

ダンテはその手を握り二人は握手を交わす。


「うん、楽しかった。淡々と作業のように一人で戦うのと違って、みんなで戦うのも悪くはない。まぁ、望ましくはルールーと一緒に戦いたいね」

「それはごめん」

これにて終了です。

評価、ブックマークありがとうございました。


あいも変わらず物語の終わらせ方が難しいです。

あと誤字も多かったです。

修正助かりました、ありがとうございます。


あえて避けてたゲームという人気ジャンル。

基礎を踏まえたつもりで書き、多くの人の目に留まりもう少し良い感じになると思っていましたが、思いのほか上がることなく無念です。

設定だったのか、物語だったのか、店舗だったのか、悩みは増えるばかり。

う~ん難しい。


一応はここで完結ということにしましたがモチベーションが上がれば、

流れはあったけどプロットは書いていない状態の星2編とサーバー移動PVPイベント編も書きたいところです。


それではまたどこかで巡り合えますように。

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