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ゲーム 2

「4人で受けられるクエストで一番難しいの持ってきた、初見だとまず勝てないよ~」

「なんで?」


「ダンテがいるから」

「え、だからなんで? あたしのせいなの?」


バスの中で武器を変更したラオが手にした剣を振り上げる。


「とりあえず頑張ろう!」

「おー」「まかせて」

「変なのに絡まれたな」


4人はベースゾーンからでてモンスターを探す。

ラオを先頭にエクレアたちはついていくようにして歩き、大きな岩の転がる緩やかな傾斜を登りながらルールーはダンテに尋ねる。


「ダンテはいつも一人でクエストを?」

「まぁ、ここに来てからは。対人特化の方にいたときもギルドには入っていたけどソロ活動が多かったかな。そのことで喧嘩しちゃったし」


「喧嘩?」

「チームプレイが苦手なんだけど、あたしのいるギルドの新しく上がってきた新人隊長があたしにみんなで行動しようって言ってくるから、反発しあっちゃって。で、同じギルドで仲良かった奴が時々ここに来てたらしいからあたしも行ってみようかなって来てみたわけ」


「それがここに来た理由」

「そうなんだ」


「だからあたしに集団行動を求めないでね」

「わかった」


一緒に歩くルールーの即答にダンテが目を細める。


「集団行動しないで戦うの?」

「私がダンテに合わせればいいわけだ」


「そんなことできるの?」

「やってみるだけやってみる」


4人が登っていた丘の向こうに一瞬大きなの影が見えた。


「今見えたな、今回のターゲット」

「えっ、今大きな奴が見えましたけど今の何ですか?」


モンスターを見つけたラオが駆けだしルールーたちもその後を追って走り出す。

身を縦にくねらせ10本の脚で芋虫のようにして歩く毛むくじゃらの怪物。

丘を登りきると敵モンスターから逃げる数匹の大型モンスターすら小さく見えるような巨体がそこにいた。


「でっか……」「こっわ、何あれ」「我の魔法通じる?」


ラオは斜面を駆け下りる。


「さぁ、追いかけるの大変だからサッサと飛び移ろう」

「何言ってるの先輩、あれに乗るんですか?」


巨体はその身を並みのようにうねらせゆっくりと移動していた。

毛の一本一本が電子機器のコードよりも太く、丘の斜面を駆け下りたラオはその毛を掴んで巨体にしがみついた。


「ほらほらみんな早く来い! ……臭いなこいつ」


モンスターにしがみついたラオの後に続いて、ルールーとエクレアが斜面を走る。

置いていかれたダンテも走り出した。


「何かするなら何か言いなよ! 何するの、背中に乗って何するのさ!?」

「置いていかれちゃうよダンテ」


「意味わかんない」

「私も」


ルールーの先を走っていたエクレアは巨体を前に慄き立ち止まる。


「どうしたのエクレア」

「あまりの大きいんでちょっと怖かった、我は外から何とかしてみる」


エクレアを追い抜きルールーとダンテは巨体に飛びつく。

巨体が前に進むたびに背中は大きく揺れそんな中を少しずつ太い毛を掴んで背中に上り、草むらのように生い茂る長い毛をかき分けて先に飛び乗ったラオと合流する。


「飛び乗りましたけど何するんですか」

「臭い、匂いが実装されてるからよくわかるけど酷い匂いだ。帰っていい?」

「2人だけ? エクレアちゃんは?」


「あきらめたそうです」

「こんなでかいのと戦ったことないけど、どうするの頭まで向かって脳天に突き刺す?」

「あらま、広範囲攻撃できる魔法使いが欲しかったんだけど、じゃぁ、三人でやるしかないね」


そう言ってラオが剣を抜き巨体の揺れる背中を見渡す。

彼女と同じように周囲を見れば長く太い毛の間に潜む、縦に足の長いぶよぶよとした昆虫のようなものたち。


「きもいです、ラオ先輩」

「私のことじゃないよね、その言い方傷つく」

「きもいです先輩」


剣を構えるルールーと半笑いのダンテの頭をはたいてラオは剣を振るう。

巨大な怪物の毛は固く弾力性もあり振るってもプツリと切れることはなかったが、集まってくる蟲のようなモンスターは連撃を受けバッサリ切断された。


「強くはないけど、数が多い」


怪物たちは体液を吐き掛け、それを受けたルールーは状態異常をもらう。


「うぎゃぁ、ねばねばしたのが。うわっ、状態異常だ! 麻痺!?」


ラオやダンテも吹きかけられる体液を躱しきれずべとべとした液体にまみれる。

飛び掛かってきたモンスターを回避しようとしたダンテが転ぶ。

大きく波打つ地面のせいかとも思ったが立ち上がる足に力が入らない。


「いでっ!? なんだ足に力が入らない」

「麻痺は数値が大きい分、行動や回避へとデバフがかかる。最近分かったけど攻撃力も数値が一割ほど減るらしい」


「厄介だね、足が痺れて踏ん張れないってことでいいのかな」

「装飾品で攻撃力を上げているダンテちゃんには、そんなにマイナスでもないんじゃない?」


「え、普通にべとべと気持ち悪くて泣きたいんだけど」

「リアルでは何ともないから、耐えて」


「早朝にこんな目に合うのは悪夢でしかないよ」

「ピュアナイトメアだけに?」


飛び掛かってくるモンスターに向けて切り裂き突き刺し殴り飛ばす。

ダンテがオーラが揺らぎを見せる紫色の剣を振るう。


「あ、どうしよう。どうしようもなく先輩を真っ二つにしたい」

「こわいね。さて、粘液まみれの後輩を助けなければ。多分数値は二桁超えてるでしょ。半泣きで助けを求めてる」


「なんか、かわいい」

「いい趣味をしている」


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