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状態異常

 

 歩き回り採取ポイントでそれぞれアイテムを探した。


「手に入る素材アイテムってあるじゃないですか」

「うん。それがどうかした?」


「あれって装備を作るのに必要なだけなんですか?」

「いいや、確かに装備や家具を作るのに必要になるけど、探索ルートならマップ内での借り拠点であるベースキャンプを作るのに使ったり、食事処の料理に使う焚火や食器とかにも使うね。開発ルートなら生産拠点や倉庫みたいな建物、通常ルートならサポートゴーレムを作るのに使う。PVPルートだと壁や補強材、対人トラップとかだっけ」


「結構使い道あるんですね。拾って溜まっていたんですけど、使い道がわかりませんでした」

「まぁね、ベースキャンプも星1のクエストでより広いマップに行ったときに使うものだから」


 目的のアイテムを回収し終わり一同は更に森の奥へと進む。

 あいも変わらず森の中は多くの生き物が蠢いており、ラオは周囲を見て武器を構える。


「さて、それじゃ食事タイムと行きますか」

「とはいえ、このマップ大掛かりな調理器具なしじゃ食べれる食材も少ないけど?」


「まぁね、この間食べた球根に別のを加えて食べようかな」


 ラオが指さしその先にはトゲトゲとした植物が葉を広げていた。


「さぁ自分の食べる食材は自分で確保しておいで」

「行ってきます」


 剣を持ちルールーはアロエのような植物が群生している場所へと向かう。


「私たちは向こうで別の食材を取ってくる、弱いけど数が多いから返り討ちにならないでね。もう戦い慣れたルールーなら大丈夫でしょ」

「気を付けます」


 近くまで寄るとアロエのような葉が蠢き地面からモンスターが次々と飛び出す。

 倒すと玉ねぎのような球根を落とすモンスターたち。


「倒して美味しくいただきます」


 向かってくる4匹の植物モンスター。

 モンスターの足は速くはなくルールーは囲まれないように一匹ずつ引き寄せて斬りつけていく。

 ある程度攻撃を受けるとモンスターは逃げ出し、ルールーはとどめを刺そうと追いかける。


「逃がさないよ!」


 溜めの一撃でモンスターを斬りつける攻撃した瞬間に火花が飛び散った。

 普段は赤い髪に隠れているピアスと燃えるような髪先も輝いたようで、ちかくで他のモンスターと戦っていたラオとフルムーンがその光に気が付いてルールーに近寄る。


「まただ! 何だろうこれびっくりする、この間の戦闘でもこんなことがあったんですよね。知ってますラオ先輩、フルムーン?」


 傷跡から火の粉を舞い上げるモンスターは攻撃を加えていないのにダメージ表記が出て勝手に倒され食材を落として消えた。


「火傷だよ、属性攻撃だ。その髪はやっぱり火傷を付与するスキルを持ってたか」

「この火花が出るやつですか?」


 地面に転がる食材を回収しルールーはラオのもとへと向かう。


「そうそう、敵に追加ダメージを与える。火傷は蓄積数値によって行動時にダメージだったかな。蓄積値は一秒ごとに減っていく、火傷はその数値が大きいほど行動時のダメージが大きくなる」

「前に教えてくれた混乱以外の状態異常ですね」


「私が今戦っていたモンスターの攻撃を受けてみなよルールー、こいつの攻撃で裂傷状態になるから。盾でガードすると属性攻撃は防げるからガードしないでね」

「ゲームだから痛くはないけど、噛まれたりぶたれたりするの怖いです」


「目を瞑っていれば一瞬さ、すぐに終わるよ」

「なんか言い方が嫌です」


 戦闘の途中でルールーの元へと戻ってきたため、ラオが戦っていた植物型のモンスターが寄ってきている。

 高い木々に蔦を絡ませて木の皮のコブのような茶色い本体は、木にしがみついていた。

 葉が鉤爪のようになっており蔦を自分の意志で自由に動かし木々の幹に絡めて高いところを移動している。


「上にもいたんですね」

「意外といたるところにいるよ。空も、草むらの中も、水の中も、土の中にも」


 剣をしまいおっかなびっくりでモンスターに近づいていき、ルールーは無抵抗でダメージを受けた。

 蔦が伸び鉤爪状の葉がルールーを斬りつけ、鎧や黒い衣装の上に細いひっかき傷の残像が残る。


「おーいてて。状態異常にかかった、うわっダメージが!」


 体力の下に血の滴るアイコンが付く、アイコンの横に5という表記があり1秒ごとに減っていく。

 ダメージを受けた際の傷跡から血が吹きでるエフェクトが出る。

 そして一秒ごとに1ダメージ受けた。


「うわっ血が!! 痛くはないけど止まらない、ラオ先輩!」

「裂傷は他の状態異常より多く蓄積しやすく一秒ごとにダメージを受ける、といっても1の固定ダメージだけど放っておくと取り返しがつかなくなる。今は状態異常消せるアイテムがないから、減っていく体力を回復アイテムで回復するしかないけど」


 だんだんと減っていくヒットポイントを見ながら慌てるルールーを放置し、ラオとフルムーンは蔦のモンスターを倒す。

 本体であったラグビーボールくらいの大きな芋型の物体を残して消える。


「落ち着きな、すぐ止まる」


 裂傷の数値がゼロになると持続ダメージを受けていたヒットポイントの減りも止まり、状態異常が解けた。


「自然と治るんですね」

「火傷とは違って何もしなくてもダメージ受けるのが裂傷さ。星0のマップでこのダメージ、上がればその数値は大きくなっていく。現在最高ランクの星3では一撃もらえば溜まる数値は20はざらさ」


「そんなのとどうやって戦うんですか?」

「いったでしょ、盾でガードすればダメージが抜けてきても状態異常だけは防げる。後はだめーじをうけないように回避で避けるしかないね。私もここのルートはそこまで進んでいるわけじゃないからそこまではたどり着いてないし、通常ルートもクエストをギルド用の以外は全部消化してるからまだまだ時間がかかってる」


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