表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/41

ボス戦 4

 

 ベヒモスは溜め攻撃をして大きなダメージを与えられたことに驚く。


「溜め攻撃強いな、たまにまぐれで大ダメージ与えたと思ったけどこれだったか」

「剣を振っていて突き刺すこともあったけど、たまにはじかれる演出があってだるかったけど。あれは弱点に当てなかったから大きなダメージを当てられてなかったのか」


 攻撃を防御して最低限のダメージで受け流す2人。

 戦う二人の後ろでエクレアが回復魔法を飛ばす。


「本当だ、ちゃんと防御すれば大きくダメージを減らせるな」

「いままで弱い攻撃と弱い防御と回避だけで戦ってたのか。こりゃ戦ってても時間がかかるな」


 岩の巨人が崩れて消えて行き倒したクラーケンとベヒモスは茫然とそれを見ていた。


「最初のボスにしては数もヒットポイントも多いと思ったんだ」

「こんな早くこのボスを倒すことができたのか……」


 エクレアがすぐにルールーの援護に入りクラーケンとベヒモスが加わって岩の巨人を数と勢いで倒す。

 最後に残った一匹、大岩の巨人に立ち向かう。


「弱点だと思われる頭を攻撃します」

「突き刺し続ければいいんだな!」

「任せろ」


 エクレア以外の3人が巨人の背中を登り頭部を攻撃すると反撃とばかりに、巨人の頭部からビームが出て肩に乗る三人を吹き飛ばす。


「これ防御しても吹き飛ばされるのか!」

「やばい!」


 頭部の攻撃と体の攻撃は別々に行われており、下では両腕を広げて広範囲攻撃の態勢に入っていた。

 3人は空中で防御姿勢を取り吹き飛ばされる。


「大丈夫か、一気に3人やられて我だけ残されても困る」

「ありがとうエクレア」


 回復アイテムを使う前に回復魔法で三人を回復させるエクレア。

 大岩の巨人は動きが遅く距離を取ると回復する時間も立て直す時間もあった。

 4人は万全の状態で再び立ち向かう。


「纏まったらまずいね、一気にやられるところだった」

「バラバラに行こう、ルールーさん頭の攻撃任せていいですか」


「わかりました」

「俺らは足を狙います、行くぞベヒモス!」


 三人がまとまって行動すると先ほどみたいに吹き飛ばされて一気にやられる可能性があるためバラけて行動する。

 剣を握り改めて攻撃をかいくぐり巨人の背を登り頭を狙うルールー。

 スタミナ持つ限り4人は斬りつけ突き刺し殴打する。

 ビームが撃たれそうになるとルールーは背中へと飛び降りて躱し登りなおして再度攻撃。


「今回はしぶとい」


 エクレアの魔法による攻撃での混乱がなくなり一気に大ダメージを与える機会がなく、弱点への通常攻撃だけて戦っているため今回はボスの素の体力を相手にしている。

 大腕を振り上げた動作を見て慌てて攻撃範囲から逃げるクラーケン。

 回避しれず吹き飛ばされ、すかさずエクレアが回復魔法をかけた。


「すまない、魔法使いがいたときの方が早く倒せたか?」

「さっきは二度、混乱させたからかもしれんな」


「魔法ってすごかったんだな」

「我も戦いながら学んでいった。でもだいぶダメージを与えたはず、そろそろ倒せると思う」


「もう一息、頑張ろうエクレア」

「おうよ」


 ついに倒され倒れアイテムをまき散らし崩れていく大岩の巨人。

 その姿を見て4人が飛び跳ねて喜ぶ。


「勝った!!!」


 今度は誰もやられず4人はドロップアイテムを回収する。

 素材らしき名前が並ぶ中に色のついた文字のアイテムを見つけた。

 ・焦土炭花(衣装)


 --やった装備品! 衣装ってことは服装変えられるのかな、だとしたらラオ先輩に自慢できる。


 新たな装備を手に入れルールーは喜びもう一度飛び跳ね、エクレアが装飾品のドロップを察して拍手を送る。


「疲れた、魔法は淡々と撃つだけだからここまで疲れないんだけどな。我はまた魔法職に戻らせてもらう」

「盾だ、盾を手に入れたぞ!」


 アイテムを確認しその場にへたり込むエクレアと、手に入れたアイテムに喜ぶベヒモス。


「ルールーさんのおかげでこのゲームがもっと楽しくなった。それに魔法も見直した」

「全部先輩から教わったことで私のおかげじゃない気もしますが」


 戦闘の疲労から暗い空を見上げ横になっていたクラーケンが起き上がり手を差し出す。

 クラーケンのアバターの老齢さと力を感じる大きな手を握手を交わすルールー。

 クエストを終えロビーへと帰り報酬を受け取るとその際にルールーの星も1へと上がった。


「お疲れさん、星は上がったか?」

「はいおかげさまで無事に星1になりました、今日はありがとうございました」


「感謝するのはこっちだ、教えてもらった戦い方でこれから俺らは倒せなかったモンスターを倒しに行く。今なら勝てそうな気がするんだ」

「頑張ってください」


 そこで別れを告げパーティーを解散し別れていくクラーケンとベヒモス。


「エクレアさんはどうする?」

「我も今の戦いで疲れた。向こうで少しイベントの情報を見たらおつる」


「じゃあ、また」

「ああ、また一緒に戦おう」


 ルールーとエクレアもその場で別れを告げ、一人階段を上がり町へと戻ってくる。

 消費したアイテムを買い足し家に戻ってくると異変に気付く。


 --これ、私の家……大きくなってる。


 いつも通りに霧の中を歩き戻ってきたはずだがついたのは別の家。

 周囲の地形が変化し新しく花壇が増え面積は前の家の倍ほどある。

 誰かの家ではないかとそっと覗いてみるが誰もおらず、広い部屋の真ん中に置いてある石のテーブルには瓢箪型のモンスターのぬいぐるみが置いてあった。


「ここ、わたしの家でいいんだよね?」


 ルールーは広くなった家の中に入ると落ち葉の絨毯の敷かれた床に寝転ぶ。


「ふぅ、楽しかった……。ゲーム内通貨お金もたまった、せっかくおうちも広くなったしこの落ち葉の絨毯をなるべく普通なものにしよう。星1……フルムーンとラオ先輩は驚いてくれるだろうか」


 ラオと次に会うことを楽しみにしログアウトした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ