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ドロップアイテム

 

 ルールーはラオが倒したモンスターのドロップアイテムを拾うと、すでに彼女は別の場所見ていた。

 気が付けば先ほどと同じモンスターが2匹、こちらに向かってきているのが見える。


「さぁ、基本剣術を覚えたならこいつらを倒そう」

「はい! 全然剣術じゃなかった気がしますが行きます!」


 そういって迫りくるモンスターに剣を向けるラオに続いてルールーも剣を振った。

 二匹同時にやってきたこともあり、ラオはもう1匹の注意を引くため二人で別々のモンスターの相手をする。


 --でっか……怖っ! 近くで見るとより気持ち悪いなぁ。


 先ほどと同じ顎の無いモンスターで遠目からでも大きいのは確認できていたが、いざそのモンスターが目の前までやってくるとその大きさに思わず後退りしてしまうルールー。

 真正面から斬りかかろうとするルールーを見てラオが叫ぶ。


「ルールー、あいつの正面には立たないで! 高威力の攻撃を連続で使用する、数も多く星がゼロでも受けられる1人か2人用のクエストだからこのモンスターは初心者殺しなんだ」

「わかりました! 気を付けます」


 モンスターの横へと回避で潜り込み剣を振り上げ力を溜める。


「力を溜めて一気に振る!」


 上がった攻撃力でごりおすように両手で剣を握り斬りこむ。

 浮かぶダメージ表記を見てルールーはスタミナを確認しながら攻撃する。


「攻撃力が上がっているうちに! 一気にダメージを!」


 スタミナ消費の大きい攻撃は、攻撃する前と攻撃の後に若干の硬直があり、大技を繰り出すルールーは攻撃後にできる隙で回避が間に合わずダメージを受けた。


「くぅぅ」


 攻撃を受け弾き飛ばされ転がるルールー。

 もう1匹と戦っていたラオが駆け付け注意をひきつける。


「早く回復を」

「はい!」


 すぐにルールーは回復アイテムを取り出し攻撃を受け色が薄くなった個所にスプレーをかける。


 --回復遅いなぁ。


 ゆっくりと体力が回復していることを確認しルールーは、ラオを狙って背中を見せるモンスターの背中に勢いをつけて斬りかかった。


「そういえば回復アイテムで回復すると、槍で回復させてもらうより遅いですね」

「あっちはスタミナの消費する魔法だからね、一瞬。アイテムの方はあくまで薬が効いているってことだと思うよ」


 ラオ1人で倒せることもあってモンスター単体は強くはない。

 ゲームを始めたばかりのルールでも二人がかりでなら倒せた。

 大振りの1撃でとどめを刺し1匹目が咆哮を上げて消えていくのを見てルールーが叫ぶ。


「1匹目ぇ!」

「こっちも頼むよルールー、私に回復する時間をくれ。画面が真っ赤だぁ~」


 ルールーは視線を動かしパーティーメンバーの体力を確認すれば、ラオの体力はわずかしかない。


「やばいじゃないですかラオ先輩!」

「ただのゲーマーとはいえプロじゃないんだから、このゲームもともと体力も少ないし簡単にやられるよ」


 瀕死の状態のラオはモンスターに背を向け逃げる。

 ラオの支援のため残ったモンスターの気を引こうとするルールーだったが、タイミング悪くモーションの大きな攻撃するタイミングにモンスターも強力な攻撃する体制に入っていた。

 もう回避などできずモンスターからの攻撃を1撃もらってルールーは吹き飛び地面を転がる。


「ぐえっ、たいみんぐあわない」


 起き上がるとすぐに自分に回復アイテムのスプレーを振りまき剣を握りなおす。

 ルールーに迫ってくるモンスターを追うラオの姿。


「横によけてルールー、正面はまずい!」


 モンスターに狙われ大きく腕のような舌の見える口を開けてのしかかろうとするモンスターを見て、ルールーはラオの使っていた回避からの1撃をまねして横薙ぎ一閃。

 ルールーの攻撃がとどめとなってモンスターはアイテムをまき散らし消滅する。


「倒したか、少しだけ危なかった」

「ふぅ、危なかった」


「お疲れ。攻撃力が高いから囲まれるとやばいね」

「これで終わりですか?」


「いいや、後2匹。このモンスター計5匹の討伐がクエスト内容。とりあえずアイテム回収しちゃおう」

「そうですね」


 二つのドロップアイテムを回収する。

 アイテムを確認すると変わったものを見つけルールーは顔を上げた。


「ラオ先輩」

「なに?」


「素材以外に何か武器が出ました! 盾だそうです?」

「おー、いいね。レアだよレアアイテム、普通は作業台で作らないと手に入らないアイテム。剣なら装備できるでしょ。盾は剣しか装備できないんだけどさ」


「少し待ってください……」

「ゆっくりでいいよ、休憩しよう。戦闘は楽しいけど集中力がかかる」


 道具の装備欄から盾を装備するとルールーの手首に、黒色と銀色のマダラ模様の金属のプロテクターが付く。

 そのプロテクターを見て首をかしげる。


「なんか思っていたのと違う気が?」

「防御してご覧」


 ルールーはプロテクターを前に出し身構えると、プロテクターが開き円形の盾が展開された。

 防御する姿勢を解除すると円形の盾は収納される。


「おお、それが盾か。腕のそれから一瞬で開いて、防御するとダメージを減らせる」

「ダメージを受けなくなるわけじゃないんですね?」


「弱い攻撃を弾いたとき、ダメージを軽減して相手に混乱ダメージを与えることができる。混乱させると少しの間だけ無防備な状態になってその間は大ダメージを与えられるようになる、混乱というか怯みみたいな」

「ずっと守り続けてれば強いってことですか?」


「防御にも素民を使うよ、どこかで回復しないとスタミナが切れる。時間をかければいつかは反撃のチャンスは生まれるけど、攻撃をしていないからタイムアタックとかには向いてない。最後のは動画映えの話で関係ないか」

「なるほど、ほんとだ盾を構えてるだけでスタミナが減ってく」


「それも剣と同様持ち方でスタミナ消費が変わって来るよ。さてさて、それじゃ残りも探して倒すか」

「はい! 行きましょう!」


 残りのモンスターを探し移動のため丘を歩き高いところに来ると、周囲を見回してルールーは立ち止まる。

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