本編に入れたかったネタ その三
これで、入れたかったネタは終わりです。実はもっとありますが、それはまたの機会に別で書いていこうと思います。
次の章ではあとがきを書いて、スズエ編は終わりです。シルヤ編も投稿しているので、そちらも読んでみてくださいね。
「スズエ、お前……本当に俺達の味方なのか?」
タカシさんが私に問いかけてくる。その声は低く、本気で疑っているのだと思い知らされた。
「……さぁ、自分でも分かりませんね。もしかしたら……ということもあるでしょう」
同意書を書いていない、記憶がない、相手側の人間と友人、モロツゥのことを断片的にだが知っている……本当に、これで敵ではないのかと自分でも疑いたくなる。
「てめ……!」
突然、タカシさんが殴ってきた。相当強かったらしく、口の端から血が流れる。
「タカシ、女の子を殴るのはよくないよー」
もう一発殴ろうとして、ケイさんに手首を掴まれた。
「でもよ……!」
「はっきり言っておくけど、俺は君達人形のことを信用していない。君達だって、モロツゥ側の可能性があるんだから」
「ケイさん」
私は彼の肩に触れる。
「スズちゃん……」
「彼らが私を疑うのは当然ですよ。ただの被害者と言うには、私は何もかも分かりすぎている」
「確かにそうだけど……スズちゃんはいつも守ってくれる」
「私だって、信じたいんです。自分が、皆の味方だって。だけど……私には、その自信がない。なんで同意書を書いていないのにこのゲームに巻き込まれたのかも、父がモロツゥを紹介したのかも、何もかも分かっていないから……」
しかし、これだけは言える。
「だけど、もし仮に敵だったとしても……皆のことは最後まで守り切る。それだけは……約束する」