グリーン視点
グリーン視点では、彼の苦悩が少しでも分かると思います。シルヤ編以降はこういった姿も見られるようにしています。
皆が外に出た後、ボクは血に染まったスズエさんを抱きしめる。その横顔は笑っていて。
「……あはは。本当に、バカな女だね、君は」
ボクは、頬に伝うものが何か分からなかった。
だって、ボクの自業自得だもん。だから、ボクに泣く権利なんてない。
ボクが、彼女をこのゲームに巻き込んでしまった。
本当は、同意書を書いていない彼女は参加しなくていいハズだった。そんな、約束だった。だからボクは彼女に接触した。
それなのに……シンヤは彼女をゲームに参加させろと言ってきたのだ。
ボクは最初、反対した。同意書を書いていないんだから、彼女を巻き込むわけにはいかないって。それに、二十人だと決まっていた。彼女まで入れてしまうと二十一人になる。だけど……シンヤに逆らったら何をされるか分からない。結局、スズエさんはこのゲームに巻き込まれることになった。
だから、本当に彼女は死ななくていい人間だったのだ。何なら、無関係の人だった。それなのに……。
「……ごめんね、スズエ」
ボクなんかと久しぶりに接触したばっかりに。
ボクはただ、動かなくなった大好きな少女の身体を抱きしめて泣いていた。