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姫雫  作者: 赤坂秀一
第三章 ウエディングカウントダウン
11/20

11 不安が募る結婚前

大変お待たせしました! 第11話を更新しました。

今回は結婚準備いろいろです。しかし、準備が進むにつれて郁美はいろいろ思うところがあるようです。


 本番まであと五ヶ月、父と清君(きよくん)は今年も姫野(ひめの)さんのところへ田植えの手伝いです。私はというと結婚式の招待状を手書きで書かないといけないので今回は欠席です。

「ねえ、これ印刷じゃ駄目なの?」

 私は母にそう言いますけど……

「なに言ってるの、あなた達の結婚式にお呼びするお客様でしょう! 手書きが一番良いんだから……」

「でも、これ終わらないよ!」

「だからみんなで手分けして書いているんでしょう」

 まあ、そうなんだけど…… うちの分は私と母で、北御門(きたみかど)家の分は清君と由香里(ゆかり)さんがせっせと書いています。ただ今日、明日は清君がいないので由香里さんひとりです。たぶん…… でも招待状って毛筆なんだよね…… 私が一番苦手とするところです。ボールペンだとサラサラ書けるんだけどなぁ! まあ、そんな訳にはいかないか……

「それで衣装は決まったの?」

「うん、この際だから思い切っちゃおうと思って」

「へえー、そう、良い式になると良いわね!」

「うん、あとは、新婚旅行を決めるだけ」

「どこに行くつもりなの?」

「やっぱり新婚旅行と言えば……」

「南国宮崎!」

 えっ! なにそれ……

「どれくらい昔の話よ! お母さん達の時だってハワイとかが定番だったでしょう!」

 まったく母は……

「まあ、ハワイも良いけどヨーロッパとかも良いわよ。ギリシャ、フランス、ローマ! トレビの泉なんて良いんじゃない」

「うーん、でも私はやっぱりハワイかな!」

「あら、そう…… それじゃ、マカダミアナッツチョコ買って来てね!」

「えっ、お土産それで良いの?」

 まあ、そういう事で今週末には清君も帰って来るので日曜は一緒に旅行会社へ行って来ます。


「オーストリアだって!」

 えっ、清君はそっちな訳……

郁美(いくみ)はどこが良いの?」

「私は断然ハワイが良い!」

「ハワイは十一月は雨季だよ!」

「雨季っていってもスコールがあるくらいだよ! それに虹が結構見れるし、鯨とかもこの季節は見れるんじゃなかったかな?」

 私がそう言うとオーストラリアとハワイのパンフを見ながら検討します。

「ほら、キラウェア火山から流れ出た溶岩とかも見れるんだよ! 凄いと思わない?」

 私は普段見れないようなものを推します。

「でも、こっちはコアラがいるよ! それにカンガルーだって」

「うーん、確かにコアラは会ってみたいけど…… でもね……」

「ひょっとして海外旅行は初めて?」

「うん、そうだけど……」

「うーん、そうだなそれならラハイナのkimo'sで食事なんてのも良いかな」

「キモスって?」

「kimo'sは魚の料理を作ってくれるレストラン! でも、肉料理もちゃんとあるけどね!」

「美味しいの?」

「うん、海辺のレストランで夜は松明の明かりが綺麗でね独特の雰囲気があるんだ」

「行ったことあるの?」

「一度だけ母さんと一緒にね」

「ふーん、親子で海外旅行なんて良いね!」

「だから行ったことのないオーストラリアが良いと思ったんだけど、郁美は海外初めてならハワイが良いかな」

「ハワイは問題ないの?」

「そうだね、日本語が通じるし、治安も良いから夜も楽しめるよ」

 そういう事で新婚旅行はハワイに決まりました。でも、結構海外旅行に行ってるんだね清君は……

 準備が進む中、今日は二人でドライブデートです。招待状は予定通り八月の中旬に送り終わり少しずつ戻って来ていますけど、親しい人には電話で確認したりも……

「清君ところは招待状どれくらい戻って来た?」

「そうだね、半分くらいは」

「私のとこもそんなもんかな」

「でも、今日は久々のデートだしもっと楽しもうよ」

 確かに清君とデートはなかなか出来てないもんね!

「今日は今津(いまづ)の海を見に行こうよ! ハワイとは行かないけどね」

「うん、そうだね」

 私達は二人の時間を楽しみました。海辺のレストランでランチを食べて、ビーチで波と戯れて、清君と二人幸せな時間を過ごして来ました。


「ただいま!」

「お帰り、山川(やまかわ)さんと平泉(ひらいずみ)さんから返事来てたわよ」

「えっ、本当に」

「それと恵子(けいこ)からも」

「恵子叔母さん」

「来るってよ! 良かったわね」

「うん」

 これで私の招待客はほとんど返事が戻って来ました。あとは、酒蔵関係の招待客ですけど……

「お父さんの方の招待状は戻って来た?」

「まあ、半分くらいかな」

「えっ、ちょっと急がないと駄目だよ」

「えっ、まだ一ヶ月以上あるだろう」

「席を決めたり引出物決めたりしないといけないんだよ、大丈夫?」

「ああ、大丈夫、大丈夫」

 本当かな…… 私はちょっと不安です。まあ、何はともあれ、今週木曜日は前撮りに行きます。あのドレスが着れるかと思うと今から楽しみです。


 いよいよ、その日がやって来ました。やばい、いろいろと緊張して来た。前撮りもだけど…… 本当に結婚するの? なんだかちょっと不安です。

「どうしたの? いつもになく緊張してるみたいだけど」

「だって、前撮りだよ、結婚するんだよ」

「ひょっとしてマリッジブルー?」

「そんなんじゃないよ」

 清君はそんな私をギュっと抱きしめてくれました。

「大丈夫だよ、僕は歳下だけど郁美の事を守るから」

 なんだか、その言葉を聞いた時、少しだけ安心出来たような気がしました。

「木村さん、着替えますよ」

 えっ、抱きしめられてるとこ見られてた! ちょっと恥ずかしいなぁ…… 私は少し顔を赤らめながら控室へ行きます。まずはウエディングドレスに着替えます。清君も着替えてるのかな…… うーん、このドレス胸のところがちょっとスカスカなんだけど…… この間着た時は丁度良かったんだけどなぁ。でも、きちんと着てしまえばそれなりに良くなりました。

「では、チャペルの方へどうぞ」

 係の女性に連れられて行くと小林(こばやし)さんがいます。

「木村さん綺麗ですよ」

 なんて言ってもらいました。お世辞でも嬉しいですね!

「あの、清政さんは?」

「チャペルのところでお待ちですよ」

 私は小林さんと係の女性と一緒にチャペルへ向かうとフロックコートを着た清君が私を待っていてくれました。清君は私の手を握り優しくエスコートしてチャペルの中へ入ります。そこで写真をたくさん撮られたあと、今度はチャペルの鐘を鳴らします。なんだかおとぎの国にでも行ったような感じです。その後、私はカクテルドレスに清君はタキシードに着替えて披露宴ホールで写真を撮ります。今日は平日だけどちらほらお客さんもいて私達は注目の的です。

 午前の撮影が終わり今から昼食です。

「あのカメラマンさ、顔のすぐ側まで寄って撮ってたけどピンボケとかしてないよね!」

「大丈夫だよ、プロのカメラマンだから、それにたぶんマクロレンズを使っているんだよ」

「マクロレンズ?」

「被写体に近づいてアップで撮るためのレンズ! ズームで撮るより自然に撮れるしポートレートで撮れば綺麗に撮れるよ」

「ふーん、そうなんだ…… 詳しいね」

 そう言ったもののマクロとかポートレートとか言われても私には良く判りませんけど……

「前にちょっとだけ趣味でカメラをやってたからね! 今はやってないけど」

「ねえ、それより午後からは和装を撮るんだよね」

「うん! 郁美の文金高島田はちょっと楽しみかな」

「でも、あれってカツラだよ」

「そりゃそうだよ、地毛を結うほど髪は長くないでしょう」

「まあ、そうだけどね!」

 食事が終わり、私は控室で和装に着替えます。最初に襦袢を着たのは覚えているんですけど後はグイグイ締められて気がついたら白無垢姿になっていました。なんだか苦しいです。おまけに頭はカツラが重いし綿帽子をつけて出来上がりです。

 清君のところへ行くと金屏の前で待っていました。清君もなんだかちょっと違うみたいな……

「なんだか変だけど」

「うん、いっぱいタオルとかを詰められて違和感たっぷりなんだ」

「私は苦しくて頭が重い」

 そういう事で撮影が終わったらさっさと着替えました。和装がこんなに辛いものとは…… これで、前撮りまで終わりました。あとは本番ですけど……

前撮りまで終わり、一月後本番です。果たしてどうなりますやら……

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