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姫雫  作者: 赤坂秀一
第三章 ウエディングカウントダウン
10/20

10 忘れられない日に……

大変お待たせしました第10話を更新しました!


結婚の準備に追われる郁美ですが、これをする事で幸せを感じているのかも知れません。


 結婚式場の下見の結果アルマジェル橋本に決定しました。由香里(ゆかり)さんとうちの母が料理の試食会にも行って来たみたいで、大体誰の結婚式よって感じです。

「お母さん、披露宴の料理はどんな感じにするの?」

「あら、普通で良いんじゃない」

「普通って、私は試食してないから判らないよ!」

 すると母はニコニコ笑いながら……

「あら、あなたも試食会に行きたかったの?」

 だって! もう訳が解んない!

「それじゃ、明日行って、日取りとか決めてくるけど良い?」

「日取りはちょっと待ちなさい! そんな先のことは判らないでしょう?」

「あのね、招待状の準備とかいろいろあるのよ! 一年くらい前からやらないと間に合わないんだよ」

「解った! それじゃ私も行くから」

 そういう事で私と母、それに清君(きよくん)と由香里さんの四人で打ち合わせをする事になりました。


 アルマジェルに四人で到着です。私達の担当をしてくれるのは小林(こばやし)さんという二十代後半の女性です。

「この度はおめでとうございます。早速ですが日取りはいつにしましょうか」

 まあ、何はともあれそこが一番最初だと思います。

「準備期間もありますので一年くらい見て頂くとスムーズに準備出来ると思いますけど」

 担当の小林さんはそう言いますけど……

「一年後といってもその頃他に用事が出来るとね……」

 母はやっぱりズレています。

「あの、招待状も三ヶ月くらい前に出して一ヶ月前には招待客の人数とかも把握しておかないとですね……」

 という事で、来年の七月にという事でしたが……

「それなら来年の秋にしましょうよ」

 由香里さんがそう言い出しました。要するに少し涼しくなってからの方がと由香里さんは思ったみたいです。母も一年以上猶予があるのでそうなりました。

「前撮りは一ヶ月前の十月にしましょう。あとドレスとかも試着して決めましょう」

 という事で、朝から五着くらいウエディングドレスを着ました。なんだかもう着なくて良いかなと思えるくらい試着しました。

「ねえ、郁美(いくみ)これは?」

 ドレスの事になると清君が一生懸命です。しかもビスチェタイプのセクシーなドレスです。

「あら郁美さん、やっぱりこっちの方が素敵よ! とても綺麗よ」

 由香里さんもそう言ってくれますけど……

「お母さんどう?」

「ええ、とても綺麗よ!」

 なんとなくもうこれで良いかなと思ってしまいましたが……

「あの、今日決めなくても良いですよ! 日取りと前撮りの日が決まってますのでゆっくり決めてください」

 小林さんがそう言うので、お言葉に甘えて、今日は帰ることにしました。

「あれだけあれば目移りしちゃってどれが良いか解んないよ」

 そう私が言うと……

「郁美はどれを着ても似合うよ!」

 清君はそう言うけど…… だからってなんでも良い訳ないしね……


 その夜、私は明奈(あきな)瀬菜(せな)を呼び出しました。

「珍しいね、郁美が飲みに誘うなんて!」

 瀬菜って飲む事しか考えていないのかな……

「別に飲むために呼んだんじゃないわよ。式とか披露宴の事を聞きたくて」

「それより、ウエディングドレスはどんなのにしたのよ」

 まずは明奈が食い付いてきました。

「郁美はロングスリーブのドレスでしょう」

 瀬菜はやっぱり私の事をよく解ってます。

「うん…… それがね……」

「明奈はビスチェタイプのドレスじゃなかった?」

「違うよ! 私はショートスリーブだよ」

「そうだっけ?」

「ビスチェタイプはパープルのドレスだよ」

「あっ、そうか! やけに飾りのついたキラキラしたドレスね」

「そうだよ」

 この二人が来るとやっぱり騒がしいけど、なんだか落ち着きます。それが友達ってもんでしょうか……

「それで郁美はどうするの? ウエディングドレス」

「うん、彼がビスチェタイプのドレスが似合うよって言うし、お母さんも綺麗だからこれで良いんじゃないなんて」

「郁美、ビスチェにするの!」

「まだ決めて無いんだけど…… ちょっと自信なくて」

 私がちょっと俯いていると……

「一生に一度なんだから良いんじゃない?」

 瀬菜はそう言うけど……

「前撮りならビスチェでも良いんだけど…… 式や披露宴となるとなんだか恥ずかしくて」

「気持ちは解るけど、やるんなら今のうちだよ! 歳取ってからじゃ出来ないしウエディングドレスなんて一生に一度なんだから」

 まあ、瀬菜や明奈もそう言ってくれるし、ここはみんなの言う通りやってみようかな!


 翌週、清君と二人でもう一度ドレスの試着に行き本番用のドレスと前撮りのドレスとお母さんの嗜好で和装もする事にしました。もう、なんだか盛り沢山で凄く贅沢です。

「清君はタキシードを着るの?」

「うん、それとフロックコートを郁美のドレスに合わせてね」

「それってなんだか楽しみ」

「凄く良かったと思うよ」

「どうして試着したとこを見せてくれなかったのよ?」

「試着はしてないよ! これが良いかなってそんな感じでコーディネートの人と決めたから」

 ハハ、自分の服はそんな感じで決めたのね…… 衣装はこれで良いとしてまだまだ決めないといけない事は沢山あります。どういう料理を出すのか、引出物は、席順は…… なんだか頭が痛いです。

「あっ、北御門さん」

 担当の小林さんです。

「これ、招待状です。住所と名前を書いて発送してください。人数が判ったら教えてくださいね」

 えっ、これって手書きなの?

「小林さん、これは印刷でも良いですよね?」

「大体の方は手書きされてますけど…… その辺はお任せします。足りないときは言ってくださいね」

 これも、やらなきゃいけないのね…… 結婚するって大変なのね……

「郁美、どっかでお昼食べよう」

 清君にそう言われたけど、なんだか今日は早く家に帰りたい気分です。

「ねえ、お弁当買って家で食べない?」

「気分でも悪いの?」

「そうじゃ無いんだけどなんとなく疲れちゃった」

「そうか、それじゃ後からでも良いか……」

「どこかに行くつもりだったの?」

「うん、エンゲージリングを見ようと思っていたんだけど……」

 そうか、それも必要だけどちょっと家でゆっくりしたいかな……

 そういう事で取り敢えず私の家に帰ります。途中で買ったお弁当でお昼を済ませます。

「なんだ、どこかで食べて来なかったのか?」

 父も今からお昼ご飯のようです。

「うん、ちょっと疲れちゃって」

「まあ、そんなに慌てる事はないだろう。もう少しゆっくりでも良いんじゃないか」

「まあ、そうなんだけど来年の秋には本番だからね」

「まあそれまでに身体壊したりするなよ!」

 なんて、ちょっと優しい父です。

「あっ、お父さん礼服持ってるんだっけ」

「いや、持ってないけど」

「それじゃ礼服買わないといけないじゃない」

 父ものんびりしてます。

「別にスーツでも良いだろう」

「そんな訳ないでしょう。酒造組合の人とか、酒販会社の社長さんとかも呼ぶんでしょう」

「あっ、そうか…… じゃあ買わなきゃ駄目かな」

 そんな訳で父の礼服も見に行かなくては…… やっぱり忙しいです。


 お昼ご飯を食べた後、私と清君はエンゲージリングを見るためにジュエリーショップへ行きました。もう目移りしちゃいます。ダイヤにルビーにサファイアって、あっ! そうじゃなかったエンゲージリングを見に来たんだ。

「郁美、これ付けてみて」

 清君がひとつリングを手渡します。私は薬指に付けてみました。

「あっ、丁度良いかも」

「それではこちらも付けてみて」

 今度はジュエリーショップのお姉さんです。

「これも良いですね!」

「今のが九号、そのまえのが七号だから九号で良いかな」

 そうショップのお姉さんは言います。その後リングを見せてもらって大体お気に入りのリングは見つかりましたが候補がまだ三つほどあるので、また出直す事にしました。


 その夜、食事をした後、清君がポケットから何かを出します。

「郁美、遅くなったけど」

 そう言って私の薬指にサファイアの指輪をしてくれました。

「これって……」

「婚約指輪! ダイヤはちょっと予算が足りなくて」

 私は清君を抱きしめていました。

「ありがとう! 嬉しい」

 なんだか忙しかった日々を忘れる事が出来る日になりました。



忙しい中でも清君はきちんと準備してくれてたようです! 良かったね、郁美!

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