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フォーカスモンスター ~カメラで撮られたら死ぬ~  作者: 七宝正宗
第五章 狭間の狩人
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謝罪の仕方



 12時過ぎ、リビング。



 まといは自宅で1人、ノートパソコンを開いて、『正しい謝罪の仕方』について検索した。



 このノートパソコンは碧の所有物なのだが、今の時代、必要最小限の事ならば全部スマホで済むので、なんだかんだでずっと使っていなかったらしい。

 だから同居を機に、自由に使うようにと、まといに言ったのである。

 

 そして、謝罪の仕方についての検索結果がでた。



 「謝罪の仕方……謝罪の仕方………ん?スタイリッシュ土下座ってなに????」



 なぜ謝罪の仕方について検索しているのかというと、碧が確実に怒っている事があの紙切れから見てあきらかだからである。

 カム着火インフェルノについてもさっき検索してみたのだが、この言葉自体の意味は結局わからなかった。

 でも、怒りの度合いがどれくらいなのかはわかった。

 度合いの最大レベルが6とするならば、カム着火インフェルノはレベル5らしい。


 だからこそよけいに怖いのである。

 謝罪の一言で済ませようものなら、レベル6の段階に移る可能性だってあった。


 そもそも、こんないいマンションを家賃タダで住まわせてあげている相手が、なんの連絡もなしに2日以上も帰らないだなんて、人生ナメてると思われても当然だった。



 ふと、まといはこんな記事を見つけた。


 土下座は返って禍根(かこん)を生みかねないといった内容だった。

 目の前で土下座をされた側は、周囲に人がいればなおのこと居心地の悪い思いをするだけだし、そうでなくても、許さざるを得ない空気を生む。つまりは、許さない方が悪いといった雰囲気になってしまうわけである。

 それで、許した相手がまた同じ過ちをしようものなら、あの時の土下座はその程度のものだったのかという事になる。

  

 この記事の信憑性云々はともかく、大切なのはきちんと自らの悪い部分を改善する事。謝罪を、相手の怒りを宥めるためだけの手段に用いてはならない。

 

 不倫と一緒だ。多少の女遊びぐらい許せといった精神では、愛想が尽きるのは当然なのだ。




 「改善………」



 改善については、まといは自信がなかった。警察に追われる立場である以上、また一昨日の事が起こらないとも限らない。

 まあ、カメラで人を撮るのをもう金輪際(こんりんざい)しなければ話は別だが………。



 「……………………」



 上辺美鈴の件は、一生忘れる事なんてできないだろう。

 いっそすべてをなかった事にして、真っ当な人間としてこれから生きていけば、これ以上の被害者はでないだろうが……。

 それか、警察に出頭するべきか。





 するべきなんだろう………きっと………。




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