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フォーカスモンスター ~カメラで撮られたら死ぬ~  作者: 七宝正宗
第五章 狭間の狩人
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フォーカスモンスターの影



 現在時刻:AM5時30分。



 相変わらず今日も、空はどこまでも排気ガス色だ。

 夜は賑わっているこの繁華街も、今は人の姿はポツリポツリと少なく、コンビニの灯りだけしかなくて薄暗い。



 そんな中、やたらと威圧感のあるスーツ姿の男が2名、ビルとビルの狭い隙間へと入っていった。

 片方はキツネ目の男で、もう片方はやたらと眼光の鋭いオールバックの男である。




 ビルとビルが2つ並んでできたこの隙間の道は、人ひとり分しか幅がなく、壁も汚れているので、好んで通ろうとする者はいない。

 そのせいか、風に飛ばされて入り込んだだろうゴミがいくつかあり、ポテトチップスの空の包装紙まであった。

 

 キツネ目とオールバックの男は、その道をある程度奥まで進んでいったのち、ふと立ち止まった。




 「ここか?」



 「ああ、ここだな」



 

 汚れだらけの壁のはずなのに、ある一部分だけ不自然に洗い流された跡があったのだ。そのせいか、ここだけツルツルと輝いている。




 「鑑識の調べによると、微量だが、ここの部分から、血液を洗い流す際に使われたとされる溶液が検出された。つまり、ここには負傷した誰かが寄りかかっていたという事になる」



 「城士松さんの読み通りだな」



 「でも、血を流した人間の目撃情報はいっさい出なかった」


 

 「フォーカスモンスターはカメラには映らないどころか、密季嬢があのチカラを使ってじゃないと姿は見えないらしい」 

 


 「……やっかいだね。にわかには信じがたい話だが」



 「だが現実さ。唯一の救いは、密季嬢の弾丸が確実にヤツにダメージとして通った事。今度こそ確実に息の根さえ止めれば、犠牲者を減らせる」



 「まあ、その頼みの綱の密季嬢は、まだ目を覚ましてはいないけど」



 「どちらにせよ、密季嬢がここまでしてしまった以上、警察庁の連中は動き出すだろう。連中にとって、密季嬢は脅威でもあるから」

 

 

 「気になるのはフォーカスモンスターが今どこにいるかだけどね………」



 ここの周辺の防犯カメラには、手がかりになるようなものは映ってはいなかった。

 だから2人は新たな手がかりを得るために別の場所へと移動したのだった。



  

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