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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
24章・王都出発。いざリアーナへ!

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 最初の破裂音がしてから20分も経っていないだろうか?


 それまで破裂音だけじゃなくて、指示の声や馬が走り回る音もしていたが、それらも聞こえてこなくなった。

 これは……。


「終わったわね。小型ばかりとはいえ、全部で100匹近くいたにもかかわらず、損傷は無し。上出来じゃない?」


 数が多いとは言っていたけれど、そんなにいたのか。


 夜という状況を考えたら、少々時間はかかったものの、損傷無しで乗り切れたのは立派なもんだ。


「そんなにいたんだね……。結構魔法とか使ってたみたいだけど、街道は大丈夫なのかな?」


「どんな魔法を使ったのかはわからないけれど、オーギュストが直接指揮を執っているのだし、街道に影響が出るような類の魔法は使わないでしょう。気になるようなら、街について……セラ」


 俺の疑問に答えるセリアーナの言葉は、御者からの窓を叩くノックの音で遮られてしまった。

 とりあえず、窓を開けるかね。

 もっとも、何の用かってのは予想出来るけれど。


「はーい。どうしたの?」


「はっ。戦闘が終了したようです。街道上の魔物の死体を退かしたら出発するので、すぐに終了するので、それまで待って欲しいとのことです」


「はいはい。了解です」


 御者の言葉は予想通りで、戦闘終了の報告だった。


 どんな戦いが繰り広げられたのかはわからないが、100体近い魔物の群れだし、死体もあちらこちらに散乱しているだろう。

 死体の処理自体は、明日にでも街の兵に任せてしまえばいいだろうが、街道の死体はちゃんと片付けないと、俺たちが乗る馬車が踏み潰すことになるもんな。

 公爵様と、その奥様が乗っているんだし、それは駄目だよな。


「もう少しかかるみたいだね。……どうかしたの?」


 窓を閉めて、セリアーナに伝えようと振り向くと、今まで閉じていた目を開けたセリアーナが、何やら北の方を睨んでいる。

 何かあったのかと訊ねると、返事をする前に無言で【琥珀の盾】を外して、俺に渡してきた。


「……何事?」


【琥珀の盾】を受け取り、指にはめながら、再度何か起きたのかを訊ねた。


「後ろはまだ離れているけれど、街道の北からこちらを窺っている者たちがいるの。戦闘音に気付いて、街に入らずにこちらに向かってこようとしているわね」


「北? あぁ、王都以外に潜んでいた人たちだね?」


 元々俺たちが警戒していた連中の事か。


 街道から外れた場所にある村に潜伏していて、俺たちに合わせてグラードの街に入ってから、明日の残り半分の移動中に他の連中と合流して襲撃をしてくる……そんな動きを想定していたが、今の騒動がチャンスと思ったのかもしれないな。


 しかし、それならセリアーナが【琥珀の盾】を外して、俺に渡してくるってのが腑に落ちない。

 自分こそ守りを固めるべきなのに……。


 ってことはだ。


「倒して来いって事かな?」


 これか?


「違うわ」


 セリアーナは呆れた視線を向けてくると、一言で切り捨てた。


 違ったか……。


 ならなんだ……と続きを待つと、セリアーナは指を一本立てて、そのまま真上に向けた。


「上に数分でいいから止まって頂戴。その状態のお前に攻撃を仕掛けてくるかを知りたいわ。2発防ぐことが出来たら、お前なら退避する事は可能でしょう?」


「うん。でも……2発だけじゃなくて、もっと耐えることも出来るよ?」


 この加護も恩恵品もすぐ再発動は可能だし、北にいるのが何人なのかはわからない。

 だから、延々攻撃を受け続けられるとは思わないが、戦うためじゃなくて相手の出方を窺うだけだし、適当に回避も交ぜていけば、それなりに受けられると思うんだ。


 まぁ、後ろの連中が気が変わって仕掛けてきたら面倒だし、あまり時間をかけるのもよくないからなのかな?


「必要ないわ。相手がどんな者かがわかればそれだけでいいのよ。戦う事は兵たちに任せたらいいわ」


「なるほど……りょーかい」


「【祈り】も使っておくのよ」


「うん。それじゃー……ほっ! っと、行ってくるね」


【祈り】をセリアーナにもかかるように発動して、俺はまたしても外へと飛び出した。


 ◇


 外に出て馬車から距離を取って、流れ弾が万が一にも当たらない場所まで移動すると、そこで高度を上げることにした。


 そして、まずは周囲を見渡してみたのだが……ちょっと失敗だったかもしれない。

 片付け中の魔物の死体がしっかりと目に入って来た。


「……ぉぅ。結構グロイことになってるな」


 倒す事を優先して、倒し方なんかにこだわっていなかったのだろうか?

 頭や腹を潰されて中身がこぼれている死体が、街道上にゴロゴロと……。


【祈り】で視力も強化したことが仇になってしまった。


「ふぅ」


 見なかったことにしようかね。

 気を取り直して北を見よう。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新お疲れ様です! [気になる点] せリアーナがセラわざわざ攻撃食らってこいって言うの初めてでは?
[良い点] 更新乙い [一言] 囮セラちん ピカピカして、ふよふよしている 何とあからさまなのだ!!
[一言] セラさん自体は貧弱だけどオプションパーツで幅広い戦略に使えるからなぁ
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