表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
24章・王都出発。いざリアーナへ!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

970/2081

965

「セラ」


「はいはい」


 セリアーナの合図に合わせて、俺は彼女の前に浮くと【風の衣】を張り直した。


「うん……いいよ」


 セリアーナは、俺の返事に何も返さずに、代わりに【妖精の瞳】を発動してから目を閉じた。

 また、周囲の索敵に取り掛かるんだろう。


 ちなみに、セリアーナが今日初めて発動してから、既に三度同じことを繰り返している。


 大体1時間に一度の頻度で、セリアーナは広範囲の索敵を行っていて、これで四度目だな。

 流石にもう何度も繰り返してきたし、目玉が目の前に浮いているっていう、グロイ光景にも慣れてきたな。


「なんかいそう?」


「どうかしらね……」


 慣れてきたのは俺だけじゃなく、セリアーナも短い間隔で何度も繰り返しているからか、【妖精の瞳】を使っての広範囲索敵に慣れてきたようだ。

 簡単な言葉にはなっているが、お喋りをする余裕も持てている。


 んで、そのセリアーナに、索敵の妨げにならない程度に成果を訊ねているが、特に異常は起きていないようだ。


 この辺は街道沿いに森も川も無く、魔物が集まりにくいってのもあるかもしれないが、つい1時間ほど前に索敵した時は、小規模な魔物の群れを発見していた。


 こちらの人数の方がずっと多いし、戦闘にはならないだろうからって、兵たちに知らせたりはしなかったが、比較的安全な王都圏でも魔物はやっぱり出てくるんだろう。


 もっとも、こちらの数が多ければ、それだけである程度安全が確保出来ることもわかったし、とりあえず俺たちは魔物の不安はなさそうだ。


 ただ、それよりも賊連中はどうなっているのか。

 その事を訊ねることにした。


「距離は縮まってる?」


「少し近付いてはいるけれど……相変わらず距離はあるわね」


「ほぅほぅ。何回か停車したりしたもんね。仕方ないか……」


 どうやら賊連中との距離が徐々にだが縮まっている様だ。


 何度か移動中に停止することがあったもんな……。

 理由はどれも一緒で、平民と一緒になって移動している貴族とすれ違ったからだ。


 俺たちの今日の目的地であるグラードの街と王都間は、普通に移動するとほぼ半日かかる距離にあって、そっちから出発した者たちとはまだ会わないし、道中にある村とかに住んだり滞在している者たちなんだろう。

 身分だけで考えたら、わざわざリーゼルが足を止めてまで挨拶を聞く必要は無いんだろうが……律儀なもんだ。


 まぁ、偉そうにふんぞり返っているよりはずっといいとは思うが、その律義さがちょっとマイナスに働いているかもしれないな。


「旦那様とか団長に伝える? 到着予定は結構遅い時間だよね?」


 窓の外を見るとまだまだ日は出ている。

 だが、まだ春の2月だし、冬ほどではないが、日が暮れる時間もそこそこ早い。

 俺たちが街に到着する前に、日が落ちてすっかり暗くなっているだろう。


 後ろから来ている賊連中が、どれくらいのペースで詰めてきているのかまでは分からないし、追いつかれるとも思わないが、それでも気を付けるに越した事は無いと思う。


 今は人目があるから移動速度を抑えているだけかもしれないし、そうだったら、暗くなってからはどうなるかわからないもんな。


 暗くなったら魔物に襲われる可能性が増えるから、そうなる前に目的地に着くってのが、この世界の外を移動する際の常識だが、しっかり護衛を用意できる俺たちはもちろん、賊連中だって腕は相当なもんだしそこら辺の事情はお構いなしだ。


 賊連中が後ろから追って来る事は想定していたけれど、こう何度も足止めを食らうってのは、少なくとも俺は想定していなかったし、一応リーゼルたちに伝えておいた方がいい様な気はするんだが、どうだろう?


「……いえ。まだ必要ないわ」


 セリアーナは数秒だけ考えこんだが、すぐにそう言った。


「いいの?」


「ええ」


 やたら自信たっぷりに即答しているが……。


「……セリア様ってどれくらいの範囲を見えてるの?」


 どれくらい離れているのかとかは、セリアーナしか把握出来ていないんだよな。

 彼女の加護の事は、その気になれば王都やリアーナの領都全体を範囲に収めることが出来るのは知っているが、それが限界ってわけじゃ無いのかもしれない。

 よくよく考えてみると、賊連中を捉えたのも、俺が想定する距離より離れているよな……。


「範囲ね……。ここからだと王都は見えないわね」


「……ここからって、じゃぁ、どこまでなら見えてたの?」


 あえて王都って言葉を出しているし、もしかして、見えてたのかな……?


「前回索敵した際には、なんとか見えたわ。まあ、流石に負担が大き過ぎるから、そこまで広げようとは思わないけれど、お前が思うよりは見えているわ」


「……へぇ」


 セリアーナの返事を聞いて、なんとかその一言だけは絞り出したが……どんだけ高性能なレーダーなんだろう。

 このねーちゃんは……。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] 推定最大範囲を教えてくれるぐらいの信頼感
[一言] 奥様「見えているぞ」 賊「聞いてないよー」
[一言] 同じ加護持ってても同じ事できるのはセリア様だけな気がする( ˘ω˘ ) そういえばセリア様の加護?はまだ一つ非表示のままだな
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ