表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

965/2049

960

「んで、どーよ?」


 俺のざっくりとした聞き方でもしっかり伝わったようで、ウチの兵たちはリーゼルの方を気にしつつも、答えてくれた。


「確かに、旦那様方をお守りするのにこの恰好で十分かと言われたら……十分とは言えないだろう」


「あ、やっぱり?」


 少々濁してはいるが、どうにも彼等は自分たちが軽装のまま出発する事に、不安に思っている様だ。

 まぁ、そりゃそうだよな。


「ああ。魔物の脅威はリアーナほどじゃないし、俺たちが移動するだけならこの恰好でも問題無いが……やはり護衛の任務だとな。もちろん、こっちの連中を信頼していないわけじゃ無いんだが……それでも、リアーナの兵と比べると、どうしてもな」


 そう言って彼等は黙ったり、王都の兵や冒険者たちの方を見たりしている。


 兵の方は上半身は金属の鎧で、後は手には槍を持ち、腰には剣をといった、まぁ……普通の装備だ。


 そして、イザベラが雇った護衛の女性冒険者たちは、何かの革の鎧に剣と弓……後は杖かな?

 槍じゃなくて剣をメインにしているのは、彼女たちが魔物相手の戦闘では無くて、護衛任務がメインだからだろう。

 だが、それを除けば、彼女たちも冒険者としてスタンダードな装備だ。


 年も20代半ばか後半ほどで、


「ほぅほぅ……。駄目そう?」


 少々声を落として、あちらさんはどんなもんかを訊ねてみた。


 今俺は目もヘビも出していないから、他人の実力がわからないんだよ……。

 見た感じだと、両者ともおかしなところは無いが、どうなんだろうな?


「どちらも腕は悪くないだろう。特にあっちの女たちだ。流石にエレナ様には及ばないが、似た系統の冒険者だし、護衛としてなら十分過ぎるくらいだ」


「……へー。それは頼もしいね」


 実績はあるようだし、イザベラの事を信用していないわけじゃ無いんだが、彼女たちはお飾りとかじゃなくて本当に腕が立つのか。

 ありがたいじゃないか。


「だな。明日以降はこんな頼りない装備じゃなくて、もう少しマシな物を纏えるが、今日はこの程度だからな。周辺を色々動いてくれてはいるそうだが、直接護衛に付くのは俺たちだけだ。精々あいつらに働いてもらうさ。とはいえ、組んだことの無い相手だし、俺たちは気を抜いたりはしないが……一応あんたも奥様をしっかり守ってくれよ」


「大丈夫大丈夫。任せてよ」


 元々そのつもりだ。

 彼等の言葉に気軽に答えた。


 ◇


「セラ」


「む?」


 俺がウチの兵たちとの話を終えてすぐに、セリアーナから声をかけられた。

 兵たちに一言告げて、俺はそちらに向かうことにした。


 彼女は俺が話をしている間に、イザベラと一緒に冒険者たちと何やら話をしていたが……それもいつの間にやら終わっている。

 リーゼルは、使用人や屋敷の警備の兵たちに声をかけているが、セリアーナはもういいのかな?


「なにー?」


「そろそろ私たちは馬車に乗り込むわ。お前はもう挨拶は良いの?」


「うん」


 即答したはいいが、マイルズ夫妻とも一言二言、言葉を交わしただけだったりする。

 俺の場合、もうここに積極的に関わる事は無いだろうしな……今後王都に来た時も、精々手紙を届けるくらいの関係に落ち着くだろう。


 チラっと二人の方を見ると、俺に向けて小さく頭を下げているので、俺もそれに倣って一礼した。


 ふむ……。

 イザベラとは……もしかしたらミュラー家の屋敷の方で、何かしら関わる事もあるかもしれないが、今回の滞在ではこんなもんでいいだろう。


「うん、大丈夫」


「そう。なら、リーゼルはまだ少し話をするようだから、私たちは先に馬車に乗っておきましょう」


「ほいほい。俺たちが乗るのは……どれかな?」


「アレよ。並びはまだ適当だけれど、敷地から出る時には隊列を整えるから気にしなくていいわ」


 セリアーナが指したのは、最後尾に並んでいる馬車だ。

 俺たちが領地から乗ってきた馬車とは違うが、荷運びや囮用の馬車と違って、造りも豪華だし家紋も彫られているし一目でわかるな。


「よいしょっと。ほい」


 先に馬車に乗ると、セリアーナに手を伸ばした。

 セリアーナがその手を掴むと、「ふんっ!」と力を入れて、彼女の体を引き上げた。


 そして、セリアーナが馬車に乗り込んだのを確認して、馬車のドアが閉められた。

 これで、この馬車は密室だな。


「セリア様、【小玉】使う?」


 俺は【妖精の瞳】やヘビたちを出しながら、セリアーナに訊ねた。


「まだ必要ないわ。王都を出てからしばらくしたらお願いするわ」


 わざわざ馬車の中を覗き込むような者はいないだろうが、外から全く見えないって事は無いし、注意は必要か。

 人目が減るのを待たないといけないな。


「はーい」


 そう納得して、俺はセリアーナに返事をした。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[一言] 浮き玉は最強の免震装置だもんね。 地震が起こってもセラさんには関係なし!
[良い点] 更新乙い [一言] 浮いていればケツが守られるからね ケツは大事
[一言] 騎士が不安がってるうちに襲撃してくるような相手なら怖いんですが、まあそんなことはなさそうで
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ