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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 俺の使用人への接し方に一言言いたそうだったセリアーナ。

 結局あれは何を言いたかったのかな……と、訊ねることにした。


「あれはね……」


 セリアーナは、一瞬考えこんだような素振りをみせたが、すぐに答え始めた。


「一言二言程度でも言葉を交わしたら、親しくなったと言いだす者もいるのよ。ココで働く者たちがそうだとは言う気は無いけれど、領地の屋敷の使用人たちの様に、私たちが直接面接したわけじゃ無いし、そこまで信用出来ないでしょう?」


「……ぉぉぅ」


 てっきり、面倒だからとかそんなんかと思っていたんだが、思ったよりまともな理由だったな。

 そう驚いていると、リーゼルが「何かあったのかい?」とセリアーナに訊ねていた。


 そして、説明を受けて納得したのかなにやら頷いている。


「なるほど……。付き合い方は色々あるけれど、確かに使用人と仕事以外の会話を交わす事は、滅多に無いかな? 僕の立場だとあまり他家を訪問する機会がないからというのもあるけれど、やはり、セリアが言ったように注意も必要だからね」


「そっかぁ……」


 今までの自分の行動を思い返してみると、リセリア家やミュラー家の領地の屋敷以外でも、結構いろんなお屋敷にお邪魔しているが、使用人相手には、どこでも同じように気楽に接していたんだよな。


 その時の身分はまだ平民だったし問題は無いのかもしれないが、今はもう違うもんな。

 それなり以上のお家の人間で、さらに、あちらこちらに顔が利く身だ。

 他所の家での振る舞いは考えた方がいいかもしれない。


「君は僕たちと違って自由に動ける分、他所の家を訪問する機会も多いだろうから、気を付けた方がいいのは確かだね。でも、リアーナやゼルキス領でなら、どの家でもこれまで通りの振る舞い方で問題無いよ」


 リーゼルが言うように、彼もセリアーナも領地のトップだし、彼等が領地から外に出ることはほとんどないだろう。

 そして、領内じゃ迎える立場で、どこかの家に出ることもほとんどないが、俺はむしろ出かけることも仕事の一つだ。


 リアーナとゼルキスの二つの領地なら、領主であるリセリア家とミュラー家の目が届いているし、そうそう変な事にはならないだろうけれど、他所の土地だとな。

 どこどこのお貴族様の知り合いだとか、そんな感じで妙な事をする輩がいるかもしれない。


 まぁ……そんな輩が、果たして貴族の屋敷で働くかはわからないけれど、気やすく誰にでも話しかけるって知られたら、それを利用しようって考えるのが現れてもおかしくは無いし、やっぱりちゃんと気を付けるに越した事は無いか。


「お前の事だから、基本的にリアーナとゼルキス以外では他家と交流を深める事は無いでしょうけれど……そういう事もあると覚えておきなさい」


「りょーかい。……こういうのってどこで教わるの? 貴族学院?」


 貴族の振る舞いってことで、習ったりするのかな?


「家で家族の振る舞いを見て覚えるものよ。お前の場合は仕方が無いけれど、これからは徐々にでいいから覚えていきなさい」


「……ぉぉぉ!?」


 セリアーナはそう言いながら俺の頭を掴み、左右に揺すった。


「ははは。さて……そろそろ用意も出来たみたいだね」


「ええ」


 セリアーナとリーゼル、そしてオーギュストが揃って立ち上がった。

 俺も彼等に合わせて浮き上がったが、実は何が起きたのかはよくわかっていない。


「……昼食よ」


「……ぉぅ」


 セリアーナは、俺の表情から何もわかっていないことを読み取ったんだろう。

 立ち上がってどうするのかを、耳元で囁いた。


「あ、なるほど……」


 頷くと同時に、ドアがコンコンとノックされた。

 どうやら彼等は、昼食の用意が出来た事を知らせに来る使用人の気配に気付いたんだろう。


 いつもはドアの前には警備の兵が立っていて、彼等が先に用を伝えてくれるんだが……今日は何でか誰もいないし、ちょっと勝手が違うから気付けなかったな……!


 って事にしておこう。


 しかし、昼食か……。


「朝食を食べてからまだあんまり時間が経ってないし、お腹入るかな……?」


 ただでさえ少食だしな。

 全く入らないって事は無いが、それでもあまり食べようって気にはならないぞ?


「食べられるだけでいいわ。移動中に何か食べたくなったら、携帯食になるけれど馬車の中でも食べられるし……それに」


「あぁ、そうだね」


 いざとなれば【隠れ家】だってあるんだ。

 明日の移動時はともかく、今日ならそこまで警戒の必要も無いし、のんびり【隠れ家】で時間を潰したりしてもいいか。


 セリアーナもそう考えているのか、目が合うと小さく笑っていた。

 これはセリアーナも中に入る気だな?


「どうしたんだい?」


「何でも無いわ。セラ、行きましょう」


「はーい」

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] >>隠れ家 馬車に乗っていても、ゴロゴロしたりできますよ そう、隠れ家ならね!!
[一言] セラさんそのうちセリア様の隣(第二夫人)にすっぽり収められたりしない??
[良い点] 他人絶対不可侵な隠れ家、ほんと便利、 例え移動中護衛が負けて囲まれても隠れ家があればやり過ごせるのは大きい [一言] 貴族は色々めんどくさい!
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