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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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 リーゼルの部屋から戻ってきた俺たちは、出発に向けて最後の確認を行っていた。


 そして、その確認作業も終わり、部屋にはいくつかの箱が積まれていて、その中には今朝まで使っていた私物が詰め込まれている。

 こういうのは本来なら使用人がやるんだろうが、俺たちの場合は全部自分でやっているし、見落としが無いかも自分でやっているんだ。


「忘れ物は?」


「無いよー。奥もしっかり確認してきたからね」


 セリアーナの言葉に、手を上げて答えた。

 この部屋も寝室も何度も確認したし、ついでに【隠れ家】も調べてきた。

 忘れ物はゼロだ!


 ……まぁ、そもそも持ってきた物もこちらで買った物も、ほとんどそのまま【隠れ家】に放り込んでいて、この部屋で外に出していた物なんて、着替え位だったもんな。

 忘れ物が出るわけもないか。


 ともあれ、これで荷造りも完了だな。


「結構。あとは港に着いてから受け取る分だけね。それじゃあ、部屋を移しましょうか」


「ほい」


 三週間弱かな?

 何だかんだで長く滞在していたが、ほとんどずっとこの部屋にいたよな。


 ミュラーさん家の人間になった俺は、今後屋敷を訪れることはあっても、宿泊する事は無いだろう。

 なんといっても、目と鼻の先にミュラー家の屋敷があるもんな。

 そう考えると少々名残惜しい気もする。


 俺は、その積まれた箱を眺めながら感慨に耽っていたのだが……。


「どうしたの? 行くわよ?」


 セリアーナは何の感慨も無い様で、さっさと部屋を出て行こうとしていた。

 相変わらずドライな事で。


「りょーかい」


 返事をして、セリアーナの下に向かうと、彼女は怪訝な顔で俺を見ていた。


「どーかした?」


「お前、そんなにこの部屋を気に入ったの?」


「いや? そこまでは無いかな。でも、もう来る事が無いと思うとね」


「そういうものかしら……」


「そういうもんだよ。よいしょ……っと。おや? ご苦労様」


 ドアを開けて廊下に出ると、数名の使用人がドアの前で待機していた。

 荷物を運ぶために待っていたんだろう。


 セリアーナは、待機している使用人に向き合うと口を開いた。


「ご苦労様。荷物はアレで全部だから、運んでおいて頂戴」


「はい。公爵様が談話室でお待ちです。案内は必要でしょうか?」


「必要ないわ。セラ、行くわよ」


 セリアーナはそう言うと、さっさと歩き始めた。

 決して大股じゃないのに、スタスタと中々の速度だ。

 ボーっとしていると、置いて行かれそうだな。


「ほいほい」


 俺も後を追おうとしたが……その前に!


「それじゃーお願いしますね」


 彼女たちに向かって【祈り】を発動した。


 彼女たちだけじゃなくて、屋敷の使用人全員ともほとんど関わる事は無かったが、滞在中お世話になったんだ。

 誰にでもやるようなもんじゃないが、それでも、これくらいはやっても良いだろう。


 頭を下げる彼女たちに向かって手を振ると、先を歩くセリアーナに追いつくために、【浮き玉】の速度を上げた。


 ◇


 さて、使用人たちに【祈り】をかけてから、先を行くセリアーナを追いかけた俺はすぐに追いついた。

 まぁ、いくら歩くのが速いからといっても、真っ直ぐの廊下を歩いているんだ。

【浮き玉】の方が速いもんな。


 そして、そのまま並びあって廊下を進んでいたのだが、廊下の突き当りを曲がったところで、それまで黙っていたセリアーナが口を開いた。


「お前は相変わらず律儀よね」


「ん? さっきの?」


 俺が彼女たちに【祈り】をかけているのは見ていなかったが、何かしら気配でも察したのかな?

 咎める口調ではないが、なにかマズかったのかな?


「ええ。声をかけるだけならまだしも、大して重くも無い荷物を運ばせるだけなのに、わざわざ加護をかけるなんてね」


「ここにいる間お世話になったしね? 駄目だった?」


 そんなにまずいことをしたつもりは無いんだけど……。

 どうも、その事を言うのを廊下を曲がるまで待っていたみたいだし、なんかやらかしたかな?


「駄目では無いけれど……。まあ、いいわ。廊下で話す事では無いわね。先に部屋に向かいましょう」


「ふぬ……?」


 首を傾げつつセリアーナの隣を進むが、今しがた彼女が口にしたように、この場では教えてくれる気は無いらしい。

 まぁ、部屋に着いたら教えてくれるんだし、とりあえずそれを待つかな。




セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[良い点] 更新乙い [一言] 消費無しで、ぽいぽいバフが投げられるからなあ 気軽くなってしまうのだ
[一言] セラさんの認識的には同僚意識の方が強そうだし……( ˘ω˘ )
[一言] 律儀って言い方は咎めてるわけではないけども 奥様もしくは貴族様的に何ぞあるんですかねぇ
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