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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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「なに?」


 俺の言葉に、髪を乾かす姿勢はそのままに、返事だけ返してきた。

 さっきまで色々話していたんだが……彼女の中ではもうその事はすっかり終わった事なんだろう。

 相変わらずの切り替えの早さ。


 だが、俺は割と細かいことも気になるタイプだ。

 ちゃんと、聞きたい事は聞いておきたい。


「明日からオレって何したらいいの? オレはミュラー家の人間になるから、あまり関わらせたくないって言ってたけど、セリア様の隣に座るんだよ?」


 例えば、これがただの魔物との戦闘だったりするのなら、別に俺も馬車の中で「がんばれー」と、適当に応援するくらいでいいんだろうが、隣に座るセリアーナを明確に狙ってくる人間が相手なんだ。

 何もするなってのは……。


 不安げにセリアーナの方を見ると、彼女は「あのね……」と溜め息を吐くと、こちらをジロっと睨んできた。


「この私が、たかが賊如きに後れを取ると思っているの?」


「……ぉぅ」


 確かにセリアーナは、フィジカル面はともかく、それ以外の事なら下手な冒険者や兵士何かよりも、ずっと上の位置にいる。

 さらに俺の【祈り】も加われば、問屋街で見つけた賊連中が相手でも、そうそう引けを取らないだろう。


 だが……あまりにも自信たっぷりに言われてしまい、流石に言葉が出てこず黙ってしまった。


「まあ、お前が言いたいこともわかるわ。先程はイザベラがいたから、お前の加護や恩恵品の情報を出さないように、参加させない方向で話を切り上げたけれど、少しは動いても構わないわ。ただ、あくまで今回はリセリア家の問題として片付けたいから、派手な行動は避けて欲しいわね」


「派手……糸とか羽かな?」


 俺の手持ちの中でも【ダンレムの糸】と【紫の羽】は一際派手な効果と見た目をしている。

 リアーナの騎士団や冒険者連中なら俺の事をよく知っているし、いきなり爆発したり羽が生えたりしても、そこまで驚いたりはしないだろうが、今回は王都圏の人間が多数一緒だ。

 その二つの使用は避けた方がいいだろう。


 見た目の派手さはともかく、その二つは多数相手の戦闘では使い勝手がいいからな。

 ついつい選択してしまいがちだったが、使えないのか……そいつは大変だ。


「それだけじゃないわよ」


 矢と羽が使えない状況で、不特定多数相手の戦闘をどう展開するか……その事を考えていたが、そんな事お構いなしに、セリアーナがさらに言葉を続けてきた。


「尾と腕と足も使用は控えなさい。そうね……ヘビたちも控えておいた方がいいでしょうね」


「なぬっ!?」


 矢と羽は少々派手過ぎるし、周りへの影響を考えたら使用を禁じられるのもわからなくもないが、他の物もとなると……。

 ちょっと制限が厳しすぎないか?


「ちょっと厳しくない? それじゃー、ほとんど使えないんだけど……」


「要は、人間らしい姿でいなさい……ということよ。矢と羽以外でも、お前はあまりにも多くの加護と恩恵品を所持しているから、どうしても目立ってしまうでしょう?」


「や……まぁ、それは否定しないけれど……」


 もうちょい言い方ってないか?


「事実でしょう? 後は……そうね、爪も使用を控えた方がいいかも知れないわね。どうしても必要になったのなら仕方が無いけれど、極力賊は生きたまま捕らえたいの。好きに使っていい物は【琥珀の剣】……後は【浮き玉】と【妖精の瞳】。それだけにしなさい。……むくれないの。新しく盾も増えたことだし、数手防ぎさえしたら、後はリーゼルたちが片を付けてくれるわ。そもそもお前の出番は無いのかもしれないのよ? 【祈り】をかけてくれたら、大人しく座っておくだけでいいわ」


「むぅ……」


 護衛の冒険者を盾と言い切るセリアーナには少々ビビるが、それよりも、俺の制限の多さだよ。


 ゲテモノ装備シリーズはもちろんだが、【影の剣】も使用は禁止か。

 確かに、セリアーナが言うように【影の剣】は殺傷能力が高すぎるんだよな。

 手加減してどうこうって類の武器じゃない。

 さらに、相手は腕の立つ人間だ。


 魔物は、ダンジョンや魔境等の場所によって多少の戦い方は変わってくるが、それでも基本的な部分に変化は無い。

 だが、人間の場合はそうじゃないんだ。

 そんな相手に、俺は接近戦を挑みたくないし、そもそも挑めるだけの腕を持っていない。


「セリア様が言うように、オレは大人しく座っているのがいいかも知れないね……」


 セリアーナは「そういうこと」と頷くと、魔法を止めて髪に当てていた手を離して、ベッドに置かれている、櫛やらなにやらの髪を手入れする道具が入った小箱を指して、俺の名を呼んだ。


「ほいほい」


 髪も乾いたようだし、手入れをするんだろう。

 聞きたいことも粗方済んだし……俺も手伝ってやるかな?

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] 戦闘モードになると、もはやドラゴンだかパピヨンだか分からない姿になるので……。
[一言] 過保護なねーちゃん( ˘ω˘ )
[一言] とらえるだけなら琥珀一択かねえ。伸びる短槍みたいなのほしいな
感想一覧
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