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セリアーナは、イザベラにリセリア家の方針やら、王都での振舞い方の指導を行っていた。
イザベラも、大した説明を受けずに短い期間で護衛を手配したりと、能力はあるんだろうが、マイルズ同様に王都や王国西部で暮らしていたからか、ちょっとお上品というか、思考がまともなんだよな。
文官出身だからっていうのもあるかもしれないが、リアーナを始め、東部はもうちょっと荒っぽい。
もちろん、領地と王都では求められる能力が違うし、完全に染まらなくてもいいんだろうが、少しはウチの流儀に慣れて貰わないとな。
セリアーナもそう考えているんだろう。
俺だけならともかく、セリアーナは余程の事があってもそうそう王都に来る事は出来ないし、今のうちに伝えることは伝えておきたいんだろうな。
彼女にしたら珍しく、長々と話をしている。
イザベラも必要さを理解しているのか、メモを取ったりこそしていないが、真剣に話を聞いている。
ちなみに、俺は彼女たちの話に加わる事が出来るわけもなく、二人の会話を眺めていた。
そして、そのまま見守ることしばし。
彼女たちの話はひと段落したらしく、揃ってカップに手を伸ばした。
中々白熱していたもんな。
喉くらい乾くだろう。
「ねー」
会話が中断したのをいい事に、俺も少し話に参加させてもらうことにした。
「なに?」
「ちょっと聞きたいんだけどさ。昼間じーさんとこで話をしてた時に、長引きそうだから屋敷でするって言ってたじゃない?」
「……ああ、そういえばそうね。別にお前にはそこまで関係無いことだけれど……聞きたいの?」
「聞きたい」
俺にはそこまで関係無いって言っているし、内容は、他家を巻き込まないようにだとか、そんな感じだと予想はしている。
セリアーナやじーさんの中で、俺はリセリア家なのかミュラー家に属しているのかは分からないが、俺は今後も基本的にリセリア領での活動がメインになるし、王都圏での取り決めに関しては確かに関係無いだろう。
ただ、この帰路での襲撃の際に、何かやっちゃいけないことがあるのかどうかとかを知りたいんだよな。
その旨を伝えると、何やらセリアーナは答えに困っているような顔をしている。
「答えにくいことなら言わなくてもいいけど……」
「そういうわけじゃ無いけれど、どう伝えたらわかりやすいかしら……」
思ったより考え込んでいるけれど、そんな難しいことなのかな……?
「奥様」
言い淀むセリアーナを見て、少々不安になっていると、黙って俺たちを見ていたイザベラが口を開いた。
セリアーナは「なに?」と、そちらを向いて、話を促した。
「私が代わりに説明します。先程の奥様から教えていただいた情報で、概ね理解出来ましたし……もし抜けがあるようでしたら、補足をお願い出来ますか?」
「それもそうね。任せるわ」
「はい」
話がまとまったのか、イザベラは体ごと俺の方に向き直ると、ジッと顔を見てきた。
中々キリッとしたお顔をしてらっしゃる。
思えば、こんな風に彼女と顔を合わせるのは初めてかもしれない。
「セラ様。アリオス様が動かれないのは、王都圏の取り決めも関係ありますが、恐らく他国にまで問題を広げないためなのでしょう」
「……ほぅ? 他国?」
他国ってなんだ?
そう首を傾げていると、イザベラに説明を任せるといったにもかかわらず、セリアーナが話に加わってきた。
自分で説明がしたいのか、それともまだるっこしいのが嫌なのか……両方かな?
「関わる者が増えれば、それだけ話も広がるでしょう? ましてや、その人間が貴族ともなればなおさらね」
「うん」
「折角戦争が終わったのに、蒸し返されたくないの。だから、関わる者を極力減らしたいのでしょうね。距離があるし、リアーナには直接は関係無いけれど、中央がゴタゴタするのは避けて欲しいし、これくらいは協力してあげてもいいでしょう」
そう言うと「フッ」と、どこか満足そうな様子で笑った。
どうやら、これで終わりの様だが……。
「おっ……奥様?」
イザベラが驚いたような顔で、セリアーナの名を口にした。
これは、アレだね。
イザベラに任せると言っておきながらも、結局自分が説明をしてしまい、にもかかわらず、明らかに言葉が足りていない事に驚いてしまったんだろう。
わかるよ……。
セリアーナは基本的に言葉が足りないんだ。
だから、彼女の説明を理解するには色々慣れが必要だ。
まぁ……でも、付き合いの長い俺は何となく言いたいことが理解できた。
セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】
恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚
セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚
エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚
アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚




