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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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939 セリアーナ・side その2

「貴方たち、相変わらず仲が良いわね……」


 部屋に入った私は、ついついそう呟いてしまった。


 もう遅い時間にもかかわらず二人で部屋にいるのだから、なにか仕事の話でもしているのかと思ったが……。

 テーブルを挟んで座り、ボードゲームを行っているようだった。

 盤面はまだまだ駒が残っていて、中盤の様だ。


「ああ……この一戦を最後にするつもりだったんだが、思ったより長引いてしまってね。今片付けるよ」


「構わないわ。続けて頂戴」


 リーゼルとオーギュストはテーブルの上を片付けようとしたが、私はそれを止めた。


 どうやら何戦も既に行っていたようだが、どうせ、そこまで大した用事でもないわけだし、終わるのを待ってもいいし、続けながら聞いてもらっても構わない。


「奥様がお一人でこちらに来るというと……セラ殿から何か知らされたのでしょうか? 【浮き玉】の本体に乗っているという事は、セラ殿は無事帰還されたのでしょう?」


「ええ。セラは今寝ているわ」


 セラは話を終えた後、少し目を離した間に眠ってしまっていた。

 滅多にしない夜の外出に疲れたのかもしれないし、そのままベッドへ運んだが、私が眠るにはまだ少し早いし、それなら明日するつもりだったリーゼルへの報告を、今のうちにしてしまおうとやって来たわけだ。


 二人で部屋にいるのは分かっていたし、明日は少し出かけたくもあったから、今日のうちに済ます事が出来るのは都合がいいのだが……まさか遊んでいるとは思わなかったわね……。


「フフッ……。外の彼は、君がソレに乗って来た事を随分驚いていたよ」


 リーゼルがこちらを指して苦笑している。


 どうやら外の兵は、私が【浮き玉】に乗ってやって来たことに驚いていたらしい。

 だからこその、あの慌てた態度だったんだろうか?


 こちらにやって来たのは、滞在期間中数えるほどだし、あの彼の勤務時間が私の訪問とずれた時間だったのなら、あの態度も仕方ないだろうか?

 なんといっても、人が妙な玉に乗って宙を浮いているのだ。

 見慣れていなければ、驚くのも無理はない。


 少し評価を戻してあげよう……。


「まあいいわ。それより話をしてもいいかしら?」


 私が部屋に入ってから席を立っていたオーギュストも再び座ったのを見計らい、私も空いた席に座って話を進めることにした。


「うん? ああ……そうだね。それで、どうかしたのかな?」


「ええ……セラが色々見てきたのだけれど……」


 ◇


「……なるほど。弓と剣か」


 一通りの説明を終えて、二人の反応を待っていたのだが、やはり同じ点が気にかかるようだ。

 リーゼルもオーギュストも、襲撃に関わってくる冒険者が追加される可能性よりも、扱う武器を気にしていた。


「セラも直接見たわけでは無いけれど、冒険者同士の会話の中で出た情報だし、それなりに信憑性は高いんじゃないかしら?」


 冒険者は、依頼人相手でもなければ自分の得意なスタイルを話さない者も多いが、同業者相手の場合だと、戦闘時の余計な混乱を避けるためにも、ある程度の情報を晒す場合が多い。


 恐らくこの情報は正しいだろう。


「まあ、その対処は貴方たちに任せるわ。問題無いでしょう?」


 結局、兵を動かすのはこの二人だし、この情報を基にどうするのかは二人が考える事だ。

 護衛の編成には口を出す気は無い。


「そうだね。一撃を入れられる可能性が無くなっただけで、十分対処出来るはずだ。そうだね?」


「はい。元々側面は馬車を配置していますし、後部には護衛の兵を固める予定ですから」


 二人もその事はわかっているのだろう。

 互いに顔を見合わせて頷いたかと思うと、真剣な顔で話を始めている。


「ただ……念のため兵を少し増やした方がいいかも知れませんね。戦闘は我々の兵が引き受けるとしても、周囲の警戒を任せられる者も欲しいですし」


「うん。ついでに明日にでもアルザとグラードの街に話を通しておこう。調整をするほどの時間は無いし、向こうにも事情はあるだろうが、上手く行けば巡回兵のタイミングを合わせられるかもしれないからね」


 ウチが連れて行ける護衛の兵はまだ増やせるだけの余裕があったんだろう。

 どうやら、その数を増やすようだ。


 さらに、恐らく襲撃を受けるであろう場所は、その二つの街の道中だが、二つの街から出ている巡回兵をこちらと合流させるつもりらしい。

 二人が言うように、戦闘自体はウチの兵が行うが、数がいればそれだけ相手への威圧にもなるし、早期の投降に繋がる可能性もある。


 もちろん、数が多いとその分動きが鈍くなる欠点もあるが……どのみち迎え撃つつもりなのだし関係は無いか。

 このまま二人に任せて大丈夫だろう。


 とはいえ、私も何もしない……という訳にもいかない。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] しれっと浮き玉使ってるwww
[良い点] 更新乙い [一言] >>私が【浮き玉】に乗って ふよふよするのはセラちんだけじゃねえんだ!!
[一言] 雑談で再訓練回避?良かったね警備の人 道中の護衛が分厚くなるのは話の流れ的に既定路線だったように思ってたので、まあ 襲撃者御一同様ご愁傷さまって感じで ただ、想定外がないとは言えないのでそ…
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