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聖貨を集めて、ぶん回せ!【2巻発売中】  作者: 青木紅葉
23章・春である!

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「色々話を聞かせてくれてありがとうね。狩り、気を付けて」


「おう」


 準備も整い、彼等もそろそろ中で最後の打ち合わせがあるから、ここで別れる事にした。


 色々と話を聞かせてくれたし、名前も聞いておいたからな。

 そこはかとなく、リアーナのダンジョンにも興味を持っていた様だし、帰ったらリーゼルに伝えておこう。

 このレベルの冒険者が、活動拠点をリアーナに移してくれるのはありがたいだろう!


 中々いい仕事をしたなーなどと考えつつ、彼等に手を振ってその場を飛び立った。


 その際に、冒険者ギルドを上から見下ろしてみたんだが、内部には多数の人間の気配が見えた。


 その実力から考えて……戦闘には向いていないし、冒険者じゃないだろう。

 ってことは、職員だ。

 この時間に残っている職員だけでも、リアーナの冒険者ギルドで働く全職員と同じくらいの数じゃないかな?


 そして、その残っている職員に比べると、冒険者の数は非常に少ないし、昼間に受けた依頼の処理なんかが残っているってことなんだろうな。

 やっぱり、規模が大きくなると、その分内部の処理を行う裏方の手も必要になるってことか。


 ……ウチじゃ無理だな。

 人員の育成を頑張ってもらうか。


 うむ……と頷くと、【浮き玉】を操作して、移動を再開した。


 ◇


 冒険者ギルド前から飛び立って、再び中央広場まで戻ってきたはいいが、さて……これからどうするか。

 王都全体で考えたら、まだまだ見ていない場所の方が多いんだが……。


 先日の昼間移動した範囲まで……と言われていたが、ついつい好奇心に負けて冒険者ギルドがある東街に行ってしまったんだよな。

 まぁ、それは安全なエリアとルートを選りすぐったし、冒険者ギルドがすぐ側にあるから、万が一の事態が起きてもすぐにそこから救援がやって来るっていう算段があったから、言いつけを破るのは分かっていても突っ込んだんだ。


 だから、それ以外の場所を見に行くってのはちょっとな……。


「……ちょっと北を見て来るってのはありかな?」


 あの辺は、そもそも昼夜問わず一人で飛ぶのは避けた方が無難な場所だ。


 昔行ったこともあるが、その時はアレクや彼の知り合いの冒険者が一緒だった。

 今の情勢を考えたら、近付こうって気にはならないな。


 だが!

 問屋街の手前の方からちょろっと覗くくらいならいいんじゃないかな?


 さっきの冒険者たちとの話で、ちょっと向こう側の情報がまた新しくわかったし、それを踏まえて見てみると、また何か違う事もわかるかもしれないんだよ。

 距離を空けてさえいれば、すぐ側の中央通りはまだ人の気配もあるし、まぁ……大丈夫なはずだ。


「よしっ! 行くか」


 今度は冒険者地区を訪れた先程と違って、高度をさらに上げて向かうことにした。


 ◇


 冒険者たちとのお喋りでそれなりに時間を潰していたつもりだったが、それでも初めてここに来た時と同じで、相変わらず下では従業員や関係者が忙しそうに、通りを行きかっていた。


 問屋街を始めとした裏通りは、賊が潜む本命の地区でもあるし、決して油断をするつもりはないが……それでも、これなら魔法や弓による遠距離攻撃を受ける心配はなさそうかな?


「それじゃぁ……失礼して……」


 あまり近づき過ぎないように気を付けながら問屋街の手前まで行くと、諸々を発動した目に力を入れて問屋街全体を睨みつけた。


 中央通りの大きな店と同様、こちらも通りに人の気配は多々ある。

 荷馬車だったり、人も通り沿いの建物に出入りしている所を考えると、こちらも同じく店の作業をしているんだろう。

 通りの奥まではいかずに引き返しているが、兵士の姿もあるし……この一帯も地上近辺はあまり気を付ける必要はなさそうだ。


 だが……上の階の方はどうだろう。


「相変わらずいるねぇ……。そして、強い……!」


 正確な場所や数までは覚えていないが、先日俺がその存在を捉えた時は地上からだったが、建物のさらに上から見下ろす形の今は、ハッキリと姿が捉えられた。

 先程会っていた冒険者たちよりも、もう一段腕が上の怪しい連中が、いくつかの建物の上階に潜んでいる。


 自分の目で見ているからってのもあるのかな?


 恐らく窓際に座って、通りを監視しているんだろう。

 自分が見られているわけでも無いのに、なんとも落ち着かない感じになって来るほどだ。


 こういう気を抜かないタイプってのは、敵にいると面倒だよな。


 とはいえ……だ!


 距離こそあるが、俺に対して何のアクションも起こしてこないところを考えると……こいつらは察知系の加護とか恩恵品は持っていないし、その技量も無いのかもしれない。

 冒険者たちは気付いていたもんな。


 西部の人間らしいし、魔物よりも人間相手に腕を磨いてきた連中なのかもしれない。

 それがわかっただけでも、こっちに来たかいがあったかな。

セラ・加護・【隠れ家】+1【祈り】【ミラの祝福】【風の衣】

恩恵品・【浮き玉】+1【影の剣】+1【緋蜂の針】【妖精の瞳】【竜の肺】【琥珀の剣】【ダンレムの糸】【蛇の尾】【足環】【琥珀の盾】【紫の羽】【赤の剣】【猿の腕】・3枚


セリアーナ・【範囲識別】・【】・0枚

エレナ・【】・【緑の牙】【琥珀の剣】・4枚

アレク・【強撃】・【赤の盾】【猛き角笛】・10枚

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― 新着の感想 ―
[一言] セラさんにサーチライト(軽量)と拡声器(軽量)持たせたら犯人を追いつめたヘリごっこできそうだな
[良い点] 更新乙い [一言] >>問屋街の手前の方からちょろっと覗くくらいならいいんじゃないかな? わるいこ!!
[良い点] ここ最近読んだ小説の中で頭ひとつ抜けておもしろく、ついつい3日くらいで一気読みしちゃいましたー。(やはり短いタイトルのお話に当たり多し。) ある種癒し系の珍獣を飼うようにお世話されてる主…
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